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日韓対立が直撃、「インバウンド減」の百貨店業界を襲う「次の危機」 消費増税「駆け込み需要」の反動減…
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67419
2019.09.26 磯山 友幸 経済ジャーナリスト 現代ビジネス
外国人観光客「減少」…
長らく低迷が続く日本の消費を下支えしてきた「インバウンド消費」が遂に息切れし始めた。
日本百貨店協会が9月20日に発表した8月の「免税売上高」は256億6000万円と前年同月比0.7%減少した。日本を訪れた観光客などが全国の百貨店で免税手続きをして購入した金額で、マイナスになるのは今年1月以来。2016年12月以降でマイナスになったのはこれで2回目だ。
単月の減少なので一時的な現象だと見ることもできそうだが、どうやら今年6月以降、傾向が変ってきている。免税手続きをした人数自体が減少に転じているのだ。6月は前年同期比1.1%減、7月は3.5%減だったが、8月は何と7.1%減の38万1000人と、大幅な減少となった。
背景には日本にやってくる外国人が頭打ちになっていることがある。
日本政府観光局(JNTO)の調べによると、8月の訪日外客数252万人と前年同月に比べて2.2%減った。
2018年9月にもマイナスになったことがあるが、これは近畿圏を襲った台風で関西空港が一時閉鎖されたり、北海道胆振東部地震で新千歳空港への発着便が減ったことなど特殊要因。それを除くと2013年1月以来の減少ということになる。
2013年1月といえば第2次安倍晋三内閣が発足した直後。アベノミクスによる円高修正で日本を訪れる外国人観光客が急増したが、その流れにいよいよ陰りが見えてきたと言うこともできる。
韓国からの旅行者が激減!
8月の訪日外国人の減少は、外交関係が冷え込んでいる韓国からの旅行者が激減していることが大きい。韓国からの訪日客は30万8700人と48.0%も減少した。日本製品のボイコットに加えて、日本旅行を自粛するよう呼びかける反日運動が展開されていることが影響しているとみられる。
また、香港での抗議行動が続いていることで、香港からの訪日客も4.0%減少した。
一方で、中国からの8月の訪日客は16.3%増と大幅に増え、2カ月連続で100万人の大台に乗せた。
インバウンド消費に関する限り、韓国人旅行者よりも中国人旅行者の方が買い物に使う金額が大きい。観光庁がまとめた「訪日外国人旅行消費額」の2018年の確報値では、韓国人旅行者ひとり当たりの「買い物代」支出は2万1549円に対し、中国人旅行者は11万2104円だった。
今後ますます中国からの旅行者への依存度が高まることになりそうだ。
話を戻そう。8月の百貨店売上高は免税売上高はマイナスになったものの、全体では2.3%増(店舗数調整後)と、5カ月ぶりにプラスになった。家庭用品が44カ月ぶりに前年同月比プラスになったほか、主力の衣料品も14カ月ぶりにプラスに転じた。
中でも目立ったのか「美術・宝飾・貴金属」の23.8%増。2ケタの伸びになったのは2017年9月の11.1%増以来、20%を超す伸びになったのは、2015年8月以来のことだ。
これは明らかに10月からの消費増税を見越した「駆け込み」とみられる。2014年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられた際は、半年前から2ケタの伸びになり、2カ月前は24.5%増、直前の月は113.7%増となった。売り上げが前年同月比倍増したのだ。
高級時計や宝石類の場合、金額がかさむため、消費税増税分の負担増は大きい。今回の場合、自動車や住宅などは増税後の優遇策などが設けられており、駆け込み需要はなかなか生まれなかった。
百貨店の売り上げをみても、2019年4月から7月までは前年同月比マイナスが続いた。「美術・宝飾・貴金属」は2月以降ひと桁の伸びが続いていたが、ここ数年の平均的な伸び率で、駆け込み消費が起きているという感じではなかった。
それが8月には一気に2ケタの伸びになった。宝飾品の場合は優遇策などがなく、どうせ買うなら増税前にという心理が働いたとみられる。9月の伸びがどれぐらいになるか大いに注目されるところだ。
10月以降どうなる
ちなみに8月の百貨店売上高総額から免税売上高を引いた「実質国内売上高」を試算してみると、実質国内売上高は前年同月比2.2%増となる。これがプラスになったのは10カ月ぶりのことだ。
8月は明らかにインバウンドの売上高がマイナスになった分を、消費増税前の駆け込みとみられる国内売り上げがカバーしたという構造になった。
問題は10月以降だろう。仮にインバウンド消費の減退が鮮明になってきた場合、それに駆け込み需要の「反動減」が加われば、消費は大きく落ち込むことになる。増税による増収分以上に景気対策に支出する政府の施策が功を奏するのかどうか。
来年2020年は、夏の東京オリンピック・パラリンピックに向けて再び訪日客が増加すると見られるが、世界からやって来る人たちにいかに日本国内で消費をしてもらうかが日本経済にとって大きなカギになるだろう
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