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JR東海・静岡「リニア問題」第2ラウンドへ…国交省参戦の行方(静岡県の態度は国民の損失?)
http://www.asyura2.com/19/hasan132/msg/847.html
投稿者 戦争とはこういう物 日時 2019 年 8 月 16 日 09:50:36: N0qgFY7SzZrIQ kO2RiILGgs2CsYKkgqKCpJWo
 

 地デジ大マスゴミなどメディアの静岡県攻撃が止まらない。元々「単独では赤字」と会長自ら発言していた無理のある事業。環境影響を考えればマイナス面の方が大きいのではないか。
 水量減少などで慎重な対応を求めている静岡県を「国民の損失」などと責めてよいのだろうか。

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JR東海・静岡「リニア問題」第2ラウンドへ…国交省参戦の行方 2027年の開業に間に合うのか
杉山 淳一 鉄道ライター
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66518

●静岡県がこだわる「水問題」

 2027年に超電導リニア方式で開業予定の中央新幹線について、静岡県がJR東海に対して工事の許可を出さないという問題。これに関して、ついに国土交通省が調整に乗り出す。8月9日、国土交通省、静岡県、JR東海は連名で「リニア中央新幹線静岡工区の当面の進め方について」という文書を公開した。

静岡県区間の未着工問題は、5月30日のJR東海・金子慎社長の発言と、これに反発した静岡県の川勝平太知事の発言がきっかけで広く知られる状況になった。JR東海側は未着工区間の影響による開業時期の遅れを懸念。一方の静岡県側は「問題解決より開業時期を優先するとは無礼千万」と激しい言葉で反応した。この2つの報道以降、メディアは「JR東海と静岡県の対立」と煽っている。

これまで多くの人々は、中央新幹線は開業に向けて着々と工事が進んでいると思っていただろう。しかし、目標年度通りに開業できないかもしれないおそれが出てきた。

何も鉄道ファンにとって楽しみが延期されるだけの話ではない。2027年度には品川〜名古屋間を40分、2035年には品川〜大阪間を67分で移動できることへの経済界の期待も大きい。それだけに未着工問題の露呈は、各方面から高まる期待に冷や水を浴びせる結果となったのである。

静岡県知事の言う問題解決とは、「大井川の水量減少を認めない」「南アルプスの環境を守れ」だ。要するに、中央新幹線が静岡県を通過する約11kmの区間が南アルプスのトンネルであり、トンネル掘削による湧水によって大井川水系の水量が減る。だからトンネルから出た水をすべて大井川に戻してほしい。静岡県としては水利問題がもっとも重要だ。年々流量が減少している大井川の水をこれ以上減らすわけにはいかない。こういう理屈だ。

長野県・山梨県・静岡県に跨る南アルプス/Photo by iStock
大井川水系の水を利用する生活者は約62万人。ダム、農業用水、工業用水も考えると、経済規模はGDPのうち約2.7兆円になる。静岡県としては生活と経済を守らなくてはいけない。なにしろ中央新幹線は静岡県民に直接の利益を与えず、南アルプスの自然を脅かす存在だ。まずここが、静岡県民の不安要素だと理解しておきたい。

JR東海としても、自社の利益のために悠久の自然を破壊するつもりはなく、なるべく悪影響を与えないように配慮していく方針だ。「全国新幹線鉄道整備法」に準拠して環境影響評価を実施し、その結果を国に届けた上で、2014年に国から中央新幹線品川〜名古屋間の建設許可を得ている。

JR東海はこの環境影響評価書を作成する手続きのなかで、沿線地域には十分な説明をしたという認識だ。それゆえに東京都・山梨県・長野県・岐阜県・愛知県では着工できている。

そもそも静岡県は、中央新幹線そのものには反対していない。日本のためには必要だという認識だし、中央新幹線が新大阪駅に達すれば、東海道新幹線で静岡県内には停まらない「のぞみ」の利用客が中央新幹線に移行すれば、静岡県内で停車する「ひかり」を増便できる。中央新幹線の間接的な利点として認識しているはずだ。

つまり、JR東海も静岡県も「リニアは必要」「自然は守りたい」という考えは一致している。本来、そこに対立関係は存在しない。それでは、なぜ静岡県内で着工できないか。それは、ゴールは同じでも、環境問題について意思疎通ができていないからだ。

●ようやく歯車が噛み合ってきた
一連の両者のやり取りについて、あらためて振り返ってみる。

静岡県としては、2013年に作成された環境影響評価準備書において、トンネル湧水のすべてを大井川に戻してほしい、また、県が整備する環境監視体制に参加することと意見している。JR東海からは独自予測に基づいて、「大井川の流量は毎秒2トン減少する」と回答。静岡県中央新幹線環境保全連絡会議が設置された。そして「湧水全量を戻す」という回答がないまま、環境影響評価書が作成された。

JR東海は2017年の環境影響評価事後調査報告書において、導水路トンネルで毎秒1.3トンを常時大井川に戻し、毎秒0.7トンについては必要に応じて戻すと記した。「全量戻し」を求めている静岡県はこれを不服とし、「南アルプス自然環境有識者会議」「大井川利水関係協議会」を設置。2018年9月に「大井川水系の水資源の確保及び水質の保全等に関する意見・質問書」をJR東海へ提出。JR東海はここで「湧水全量を大井川に戻す」と回答した。

大井川/Photo by iStock
しかし、静岡県は「湧水全量を戻す具体的な方法」と「南アルプスの生態系環境保全の方法」について、JR東海にさらなる回答を求めている。JR東海から納得できる回答がなければ静岡県区間の着工を認めない考えだ。

国が許可した中央新幹線の着工を認めない静岡県。その根拠は「河川法」だ。河川法は利水や環境変化に関わる工作物について、河川管理者の許可が必要と定めている。そして大井川上流の河川管理者は静岡県なのである。

こうして、これまでのJR東海と静岡県の対話はまったくと言っていいほど噛み合っていなかった。

JR東海としては十分な説明をしており、静岡県の質問にもすべて回答したという認識のようだ。しかし静岡県は回答に納得しない。「湧水全量を戻す具体的な方法」「湧水全量を戻す設備の性能が毎秒3トンという科学的根拠」「生態系把握手法の科学的根拠」などを求めた。

今年6月6日に「中央新幹線建設工事における大井川水系の水資源の確保及び水質の保全等に関する中間意見書」提出した静岡県。それに対してJR東海は7月12日に意見書に対する「回答案」を提出した。

膨大な意見項目に対して、ひとつひとつ丁寧に記している。それが約1ヵ月という早さで実施された。誠意ある対応と言えるし、1日も早く着工したいというJR東海の意向が透けて見える。この一連のやりとりは静岡県の公式サイトで閲覧できる。

この回答案について、静岡県は静岡県中央新幹線環境保全連絡会議の「地質構造・水資源専門部会委員からの質問」「生物多様性部会委員からの質問」、さらに「大井川利水関係協議会からの質問」を提出した。ここでようやく、静岡県がJR東海に対し、どんな回答を望んでいるか明確になったのである。

たとえば湧水ポンプ問題については、設置数だけではなく、JR東海が取得した土地のどこに設置されるか、トンネル内に設置できるかを説明してほしかったようだ。他の項目も、「○○について具体的に」とか「この項目は△△研究所の助言を受けたほうがいい」など、質問が明確になっており、解決策への提案もある。抽象的だった「中間意見書」よりもかなり分かりやすい。

ようやく、両者の対話の歯車が噛み合いつつあるようだ。

●国交省はもっと積極的に動くべき
トンネル工事は自然を相手にするだけに、予測不可能な事態はある。それをすべて、科学的に納得させよ、といっても無理がある。着工しなければ分からないことを、着工前に示せという静岡県側の態度は、過度な要求だ。

このように思う人が多いかもしれない。しかし、現在のトンネル工事は、かなりところまで正確に科学的な予測ができることを筆者は示しておきたい。

たとえば、九州新幹線の博多〜新鳥栖間の筑紫トンネルが参考になるだろう。このトンネルの長さは約12km。福岡県と佐賀県にまたがる背振山(せふりさん)系を貫く。

背振山周辺は福岡都市圏の水源となっているため、水資源の周辺環境を維持しつつ建設された。事前調査による湧水量予測はトンネル完成後の実測値にかなり近く、また予想外の事態にもきちんと対処している。その内容は、土木学会のウェブサイトで公開されている、鉄道・運輸機構の担当者による論文「周辺水環境を考慮したトンネルの設計施工 -九州新幹線,筑紫トンネル-」に詳しい(http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00984/2009/2009-0029.pdf)。

それによれば、湧水については事前の調査予測と結果の誤差は小さかったようだ。トンネル掘削の影響で、トンネルと河川の交差部分にある井戸の枯渇が確認されたため、各家庭にタンクを設置し、飲料水を運搬給水している。河川の流量減少にともなう農業用水の枯渇については応急対策として河口から上流までパイプラインを作りポンプで給水しているという。

トンネル工事の残土問題については、長野県下條村が8月6日に「リニア中央新幹線関連工事対策協議会」の初会合が参考になる。

この協議会は、今後の中央新幹線工事で発生する残土処理地区の埋め立てで生じる課題や、埋め立て後の用地利用計画について、JR東海などと情報共有し対応を目的に設けられた。JR東海は協議会への連絡を密にし、スケジュールも協議会で検討する。地元に十分納得していただけた段階で工事を進めたい考えだ。

Photo by gettyimages
そして話を冒頭に戻すと、国土交通省は静岡県とJR東海の意見を調整するという。具体的にはどんな役割を果たすだろうか。

8月9日の「リニア中央新幹線静岡工区の当面の進め方について」を要約すると、「JR東海は中間意見書の最終的な回答を作成する。科学的な根拠等を示し、県民や利水者にやすいものとなるよう努める」「静岡県はJR東海から回答が提出された際には、速やかに専門部会を開催し、有識者等に委ねつつ円滑かつ迅速に進むよう努める」とあり、これは国土交通省からの強い要請と読み取れる。

しかし国土交通省の役割については、「静岡県の専門部会を見守りつつ、状況に応じて検討の促進等に努める」となっている。一歩引いた言葉を使っているけれども、筆者としては解決のためには積極的に動いてほしい。

JR東海に対しては「言葉や数値だけではなく、図面などを作成して理解しやすい回答を作れ」と指導すべきだし、静岡県に対しては「要求が科学的に見合っているか、工事前の段階で過度になっていないか」と確認すべきだ。

静岡県にとって大井川の流量減少は大きな損失であり、取り返しが付かない。しかしそれを盾にとって、必要以上に工事を停滞させれば、中央新幹線の利用者たる国民の損失は計り知れないだろう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(ここまで)
リニア工事が遅れるとすれば、静岡県だけの性ではあるまい。

・関連:
■リニア山口工区陥没 JR、工事再開時期示さず(本当に平成39年完成?) 
http://www.asyura2.com/19/hasan132/msg/295.html
投稿者 戦争とはこういう物 日時 2019 年 4 月 28 日 01:56:34: N0qgFY7SzZrIQ kO2RiILGgs2CsYKkgqKCpJWo


 

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コメント
1. 日本はひとつのチーム[57] k_qWe4LNgtCCxoLCgsyDYIFbg4A 2019年8月17日 22:58:38 : pK3eDHvmzl : RmlOeVJhamlCb1U=[10] 報告
ようわからんが、
大井川の水の「全量戻し」は技術的には可能だが、
トンネルやダムなど工事費が余分にかかるので、JR東海が渋っている、
という理解でいいのかな。
2. 乳良〜くTIMES[1184] k_uXx4Fggq1USU1FUw 2019年8月18日 00:09:35 : wdXi0D20wU : bENTSTNMM0dMZk0=[3] 報告
大きな川の水をコントロールするのは甘くなくて当然。静岡県知事を応援する。

浮上式リニアなんて、電力消費がとても多くて原発維持に繋がってしまうし、

輸送人員が少ないので、東海道新幹線のバイパスとして機能するのかどうか怪しい。

他県では着工しているそうだが、

それでも猶、私は「リニアは環境負荷が大き過ぎる過剰インフラ」としての反対姿勢を変えるつもりはない。

3. 2019年8月18日 12:22:45 : gTD6uIOzq6 : VURML3VHRVVHWlk=[5] 報告
まずリニアで作る必要あるのかだねえ。
線形の悪い東海道新幹線に対して直線で結び、最新の技術を使って時速300km/hの新幹線
方式でよいのではないか?

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