http://www.asyura2.com/19/hasan132/msg/789.html
Tweet |
日銀の金融政策決定会合は現状維持
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/53125375.html
2019年07月30日 在野のアナリスト
日銀が金融政策決定会合を開き、現状維持となりました。ただ、一言でいえば必死で『緩和に前のめり感』を演出した、といえます。「物価安定の目標にむけたモメンタムが損なわれる恐れが高まる場合、『躊躇なく』追加的な金融緩和措置」などですが、『躊躇なく』をアピールするも、その言葉には何の意味もありません。ナゼなら『躊躇します』などというはずもなく、『躊躇した』という印象を市場が抱いたとしても、それを否定すれば済むからです。つまり『躊躇』という言葉自体、日銀がどうとでも解釈や意味付けを変えることができるものであり、問題は『モメンタムが損なわれる』自体を、日銀がどう想定するか、です。 例えば、この言葉を素直にうけとれば、景気が悪化しても物価安定が崩れない限り追加緩和しない、と読み解けます。ただ、モメンタムの意味合いに景気情勢が含まれるのなら、緩和することになる。景気が悪化してもインフレがすすむケースもあり、この言葉は曖昧すぎて日銀がどう考えるかを読み解けないのです。今回、記者の質問に答える形で黒田総裁が「予防的と言っていい」と言及しましたが、すでに経済情勢の分かれ目である50を下回る指標が多いので、経済動向から物価上昇のモメンタムは崩れていますが、日銀は「予防的」に動いているわけではない。一体、どこからが予防で、どこからが対症療法なのか、まったく曖昧なのです。 しかし日銀の展望リポートをみれば、そこにヒントもあります。『2021年度まで〜景気の拡大基調がつづく』『輸出は、当面、弱め〜基調としては緩やかに増加』『国内需要も〜増加基調』『消費者物価〜2%に向けて上昇率を徐々に高め』です。つまり日銀は、日本の景気は良い、物価は今のままで上昇していく、と考えているのです。正直、驚くべき楽観といえるでしょう。しかしこの見通しを維持しておかないと、追加緩和しない理由が成り立たない。自分たちの政策が正しい、というためにこんな楽観を並べた、ともいえるのです。 一方で、下振れリスクは4点、海外経済、消費税増税の影響、企業や家計の中長期的な成長期待、財政の中長期的な持続可能性、とします。3番目が分かりにくいですが、要するに国内で成長、後退、マインドが双方にぶれる可能性がある、というのですが、そんなものは当たり前で、それを防ぐのが政策であるはずです。リスクはむしろ、安倍政権、黒田日銀が失敗した、という点にある。しかも、これでは重大な問題を見落としています。 最近、日経新聞でも雇用環境と賃金、労働時間など、指標からこれまでとは異なる動きを指摘する記事があります。私もだいぶ前から指摘していますが、例えば今日発表された6月鉱工業生産指数も、予想を下回る前月比3.6%低下でした。5月を参院選対策で高めにして基調判断を上方修正した、その悪影響がでたとみられますが、例えば設備投資も企業が成長するため、設備投資を増やせば雇用も増えて景気には好影響、とされますが、省人化投資は国としての成長ではなく、企業のみが収益性を高める、という話です。自社株買いも、1株利益を高めるため業績が悪化しても株価が上昇する。つまり株価や経済指標などの読み方、その意義づけがここ数年、数ヶ月で劇的に変わってしまう可能性が高い。つまり、日銀がモメンタムとするものが一体どんな材料を重視するのか? それ次第では政策を誤る可能性が、今や極めて高くなっているのです。 最大のリスクは、安倍ノミクスは成功と言い張るために、景気は良好という言い訳のために、金融政策が躊躇なく行われない可能性です。海外経済の動向を最大のリスクといいますが、日本はすでに景気減速の気配が濃厚です。日本の事情からすれば、予防的であれば緩和していてもおかしくない。しかし緩和の手立ては少なく、これから本格的に迎える景気後退に、余裕がないのが実態なのです。すでに『躊躇する』材料満載、というのが日本の事情であり、最大のリスクということです。しかもそれが、経済指標の読み間違え、あえて間違えることで為されようとしている。それはすでに、日銀の展望リポートの異様な楽観にも顕著に表れてしまっています。昨日の経済財政諮問会議で、安倍首相も「リスクが顕在化すればマクロ経済政策を『躊躇なく』実行」と述べていました。安倍政権や黒田日銀の存在こそが最大のリスク、それを躊躇なく言えてしまうのが一番の問題なのでしょうね。 |
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民132掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民132掲示板 次へ 前へ
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。