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年金炎上から垣間見える「老後不安社会」ニッポンの残念なリアル(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/19/hasan132/msg/754.html
投稿者 赤かぶ 日時 2019 年 7 月 19 日 20:34:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

年金炎上から垣間見える「老後不安社会」ニッポンの残念なリアル
https://diamond.jp/articles/-/209152
2019.7.19 5:40 鈴木貴博:百年コンサルティング代表 ダイヤモンド・オンライン


年金不安が連日大きく報道されている。大きな不安感が社会を覆い始めた背景には、どのような要因が潜んでいるのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA


大炎上した「老後2000万円」問題
なぜ漠然とした不安を感じるのか


「年金不安」が連日大きく報道されています。国の公式見解としては現在の年金制度は「100年安心」であり、また一時期話題になった「豊かな老後を送るための資金が2000万円足りない」という報告は誤ったものである、というものです。

 その通りであれば老後の心配などまったくないはずですが、現実にはさまざまな局面で年金や老後生活についての不安を多くの人々が語っています。大きな不安感が社会を覆い始めた背景には、どのような要因が潜んでいるのでしょうか。我々に「未来の不安」を感じさせる要因を探ってみたいと思います。

 今の70代の方が30代で最も脂がのっていたころ、つまり1980年ごろの日本と2020年の日本はどう違うのでしょうか。そう考えて、1980年ころの日本社会を振り返ってみることにしました。

 1980年の日本社会では、会社を定年退職になる年齢は55歳でした。55歳の誕生日になると、「お疲れ様」と職場の社員たちから花束をもらって退職する。これが当たり前の光景でした。

 その当時の日本人男性の平均寿命は73歳。定年後は5年くらい再雇用先を見つけて働き、60歳からは年金生活に入って、大体13年後に寿命を迎える。その間、それほど生活に困ることは考えにくく、安心して老後を過ごすことができた時代でした。

 なぜ、その当時は老後の生活についての不安が小さかったのでしょうか。年配の方に要因を訊ねてみると、以下のような点で当時は今とは社会が違っていたことがわかります。

(1)人生は70年と考えていた

(2)55歳の退職時には子どもの教育投資が終わり、住宅ローンも完済していた

(3)年功序列・終身雇用型の日本企業では、定年退職時にそれなりの蓄えができていた

(4)会社員ではない自営業の場合も、自宅兼店舗が手に入って70歳まで働くことができた

(5)子どもたちが平均して2人いたので、いざというときは同居して養ってもらえた

(6)その結果、身の回りで見かける「生活困窮者」は例外的な存在だった

 簡単にまとめると「そのような感覚」だったそうです。確かにこうして述べてみると、1980年代の高齢者は老後生活に極度の不安を感じていなかったといわれたことが、不思議には感じません。

日本は過去40年の間に
「老後不安社会」になった


 では、それと対比する形で、現在の70代の方の不安を考えてみましょう。

(1)70歳の日本人の平均余命を前提に考えると、男性は86歳、女性は90歳まで年金生活が続く

(2)バブル時に高い住宅を購入して失敗した、ないしは住宅取得を諦めたなどの理由で、持ち家のない層が4割もいる

(3)会社人生の晩年は思ったほど給料も増えず、退職金もその前の世代ほどは出なかった

(4)自営業の場合、大手チェーンに押されて80年以降は商売がずっと下り坂であり、続けていても実は利益は出ていない

(5)老後を支えてくれる子どもがいない

(6)身近な年上の知り合いに、生活困窮者が何人もいる

 これはあくまで、統計資料などから私が整理した情報を基にした、主観を交えた記述です。それでもこうして整理してみると、日本が過去40年で老後に不安を感じる社会に変化していることは、実感できるのではないでしょうか。

 男性の場合で考えれば、「老後」の意味が13年なのか26年なのかでは、期間が2倍違います。老後の期間が倍なら、かかるお金も2倍になります。それだけを考えても、年金や医療費といった社会保障費が社会問題になった理由は明白です。

 そのような社会において、持ち家がない人も結構多いのが現実。中でも地価の高い東京都の場合は、持ち家比率は5割を切っています。

 さらに「十分な老後資金を蓄えている高齢者」の数となると、持ち家比率以上に低い。つまり1980年代と比べると、自分自身が2020年代に生活困窮者に陥るリスクははるかに大きく、老後不安は多くの人にとって「自分ごと」なのです。

年金をもらい始めて感じる
「これはヤバい」というリアル


「そして65歳ないしは70歳になって初めて、自分がもらえる年金がいくらなのかというリアルを体感することになる」「ここで老後人生最初の衝撃が走った」――。私の身近にいる高齢者の方は、まさにこう語りました。

 厚生労働省が発表するデータの平均値でいえば、元会社員の高齢者が受けとっている年金の平均額は月15万円だそうです。月15万円の年金がもらえてかつ持ち家があれば、老後の生活が困窮するリスクはそれほど大きくないと感じるかもしれません。しかし、この数字については後述する問題点があるので、そこはよく覚えておいてください。

 一方で、厚生年金に入っていない人はどうでしょう。自営業の方や、ブラック企業で会社が厚生年金を払ってくれていなかったようなケースでは、多くの方が国民年金しか受け取れません。その満額の受給額は月額6.5万円、平均では5.5万円です。

 最近ニュースで話題になったのがこのようなケースの高齢者で、月5.5万円の収入では到底生活が成り立たちません。しかも、後期高齢者になってからその事実に気づくため、それからではどうにもなりません。「『年齢を問わず』とある求人に応募しても全部断られた」と、ニュースに出ていた高齢者は途方に暮れていました。

 さて、話を先ほどの月15万円という平均的な元会社員に戻してみます。ここにも実は、「平均値の誤謬」という統計の罠があります。よく知られた統計に「日本人の平均貯蓄額は1800万円」という数字がありますが、これはたくさん持っている人と一緒に平均するから、そうなるわけです。

 この統計の場合、中央値(つまり全人口の真ん中あたりの人)で見ると1000万円くらいの数字だし、そもそもの問題である「ほとんど貯蓄を持っていない人」が結構いるわけで、平均で見ることは実態上、正しくないわけです。

 年金の数字にもこれと同じ平均値の罠があって、会社がきちんと厚生年金を支払ってくれていて、40年間会社勤めをした結果、月15万円の年金を受け取れるのは、現役当時の平均月収が40万円の人に限られるのです。これは「逃げ切り世代」の平均であったとしても、現役世代の平均だとは到底いえない水準です。

「月9.7万円で暮らせるのか」
高齢者が直面する非情な現実


 では、「もっと平均的なこれからの日本人」の場合はどうなるのでしょうか。

 会社勤めで平均月収が15万円の人、いわゆる年収180万円の新下流といわれる人の場合、年金を満額もらえる場合のモデル受給額は、国民年金と厚生年金を合わせて月9.7万円程度です。つまり、これから40年先の高齢者たちは、この「月9.7万円で暮らせるのか」という問題に直面するわけです。

 加えていえば、これでは生活が成り立たないということなら、生活保護を受けることが制度上は可能です。この生活保護は月額13万円超と、なかなかよい条件です。しかし問題は、生活保護を申請しても、自治体によっては財政状況が芳しくなく、断られるケースも少なくないということです。

 そもそも1980年代には、「自分の生活が困窮する可能性」など多くの国民にとって考える必要のないことでした。しかし人生100年時代を迎えたとたん、その可能性が逆に多くの国民にとって現実味を帯びてきました。

 そして、自分の未来をシミュレーションしてみると、そのリアルさがわかる。詳しく調べれば調べるほど、不安になる――。そのような現実が、多くの方が老後生活に不安を感じるようになった最大の原因なのではないでしょうか。「老後資2000万円」問題は、そんな国民の不安な心理に油を注ぎ、燃え上がらせてしまったといえます。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)












 

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コメント
1. 赤かぶ[22086] kNSCqYLU 2019年7月19日 20:36:12 : 48FW7XOL3U : ODEvY0JSVUxLeU0=[12152] 報告


2. 2019年7月20日 19:45:15 : ZRH8q0wbnY : b1VRZ3pqNmk0Wkk=[4] 報告
不信感 資金がほかに 流されて
3. 2019年7月20日 21:55:20 : jXbiWWJBCA : Rm5WWGpiTzAwU2c=[118] 報告

以前であれば社会にとって有用性も生産性もなくなり、

自分を養ってくれる血縁も地縁も喪失した人間は

短期間で死ぬのが当然だったが


科学技術が発達し、社会保障のお陰で、社会に寄生して長生きできるようになると

ろくに貢献もしていないのに、他人並みの生活水準を要求するのが当たり前となる

その結果、この手の愚かな不安は必然的に生じる


そして科学技術の発達が停滞し、超少子高齢化を補えなくなった時点で

必ず生じる大災害や紛争の発生とともに、社会は崩壊することになる


そして、これも過去何度も起こってきた避けられない事態の一つに過ぎない

4. 日本はひとつのチーム[50] k_qWe4LNgtCCxoLCgsyDYIFbg4A 2019年7月20日 23:31:06 : pK3eDHvmzl : RmlOeVJhamlCb1U=[3] 報告
> 男性の場合で考えれば、「老後」の意味が13年なのか26年なのかでは、
> 期間が2倍違います。老後の期間が倍なら、かかるお金も2倍になります。
> それだけを考えても、年金や医療費といった社会保障費が社会問題になった
> 理由は明白です。

その割には、中高年は禁煙したり、ダイエットしたり、健康診断を受診したり、テレビが煽るお茶の間健康法に飛びつくんだよな。
健康になればなるほどど壺が待っとるのに。
男性心理は複雑だね。

5. 年金少な[551] lE6L4I@tgsg 2019年7月21日 05:00:25 : uXbIqU2ftY : LjRJVjJwUjdPSnM=[65] 報告
 ほぼ同感であります  政府・行政が散々大盤振る舞いしてきたツケ も大きな要因です

 しかし それを是としてきた 国民にこそ ブーメランが飛んできた ということでしょう

 当事者は溜まったもんではありませんが それでは どうするかです 

 まずは 投票 から始めるしかないでしょう

6. 2019年7月21日 09:20:04 : RU5XpeeWJU : ZXIxeXZrZllCZEk=[1] 報告
>(2)55歳の退職時には子どもの教育投資が終わり、住宅ローンも完済していた

大学進学率も今ほどではなかったしな。
また都市部でも一部を除いて中学から私立という選択はあまりなかった。

本来自分たちの老後のために金をためないといけない世代が、
こどもに金をかけすぎたのが現在の苦境。

7. 2019年7月21日 14:50:30 : RU5XpeeWJU : ZXIxeXZrZllCZEk=[17] 報告
受給開始を5年繰り下げれば、40%増しでもらえる。
9.7万ならば9.7×1.4=13.5万。
15万には足らないがあと2万はなんとか個人で貯められる。
8. 2019年7月22日 13:46:42 : GD9Aj0cVGE : bUUyZWRncDF5U1E=[29] 報告
>>6 まさにその通り。
>>3
私も含め年の近い4人兄弟も皆50歳前に家も子供も全部片づけ終わった
兄弟が多いことと兄弟皆近所に住んでいる事。それぞれ子供が沢山いること。
こういったことが子育てすることに対してなにのストレスも
無く通りすぎた。3人も4人も全部集めて13人でも面倒を見るのは
なんら変わらない。従兄姉妹どうしでも兄弟みたいなものだ。
経済的に困ればお互いに融通し合う。
大学に行きたければ自宅から通える大学しか選択肢は与えない。
そうしてバイトして自分のことは自分で賄うことがルール
「お米がないと一斉メールすれば誰かが買って持って行ったり」
大人も子供も関係なくさりげない援助は行われる。
洋服だってお互いに貸し借りをしているからお金も使わないようだ。
合宿のお金は?カンパしてもらった!大したものだと思う。

現代社会は兄弟もばらばらの場所に住み、結婚も遅いそうして
親までもが離れた場所に住む。何かあれば時間に追われてしまう。

こうしたことが自らの生活を厳しくしているのではないかと
おもう、また親の暮らしは親自身で 子供たちは子供たちで
一緒に住んでいても食事は、別々 親は家の中にワンルーム
をこしらえて好きな時に旅行に行き帰ってくる。半年は家にいない。
連絡先はホワイトボードに書き残してある。
孫のことすらなにも言わない13人もいたら名前すら間違える
くらいだから。
親が子供にたいして経済的に補助することすらない。

こういった暮らしが、何時までも元気でそしてお金にも余裕を
もって暮らせるということではなかろうか?

少子化というのは私たちのような経済循環をおこなっていると
もし兄弟がいなかったら、そしてその子供がいなかったらと
考えると、いかに大変なのかが推測できる。

とにかく子供は沢山、早くに育て上げる法案整備が必要。

9. yy_nishio[18] gpmCmYFRgo6CiYKTgoiCiYKP 2019年7月23日 05:03:36 : Ku8xKxN4pw : eDI5TE16TmVVai4=[2] 報告
なかなかいい分析である。ただ問題はこういう現代社会は偶然成立したのではない、こうなることを想定して、人口、子供、国民所得を減らし年金制度も破綻前提で問題先送りを強制、日本の弱体化、破壊を進めてきた連中がいる。むろん実行者は自民党と官僚であるが、実はその上にいるアメリカすら事実上支配している世界支配者層とも呼べる奴らだ。彼らは何十年単位で企画し実行する。明治維新以降日本は好きなようにやられてきた。戦争、敗戦、エコノミックアニマル、バブル崩壊、超高齢化社会など。いい加減目をさまさないと、日本は東洋の弱小、最貧国となってしまうぞ
10. 2019年7月25日 12:55:23 : bEPkM33Kvw : VEJ5R1RWZXMuMi4=[80] 報告
消費税を、社会保障に全額使わないから、こうなります。

おい、安倍。約束が違うぞ!

市民との約束シッカリ守れ!

嘘、ペテンで済まされないぞ!

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