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「老後2000万円不足」騒動で露呈した日本人の金融リテラシーの低さ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190712-00000004-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 7/12(金) 16:00配信
国民の金融リテラシー向上も必要な時代になった(写真:時事通信フォト)
「老後に2000万円が不足する」とした金融庁金融審議会の報告書が宙ぶらりんとなる中、金融業界では戸惑いが広がっている。安倍政権が報告書の受け取りを拒否して「なかったこと」にしたことを“忖度”でもしているのか、「この件は“禁句”になっている」などと口をつぐむ金融関係者も少なくない。一方で、老後不安に駆られた人たちが老後資産を増やすためのセミナーなどに殺到。皮肉にも、国民の資産運用への関心はかつてないほど高まっている。
こうした事態に、日本株運用で最大のファンドとなった「ひふみ投信」シリーズの運用責任者である藤野英人氏(レオス・キャピタルワークス代表取締役社長・最高投資責任者)は何を思うのか。藤野氏に聞いた。
* * *
与党が受け取り拒否、野党が政治利用という愚挙に出る中、メディアもこぞって「老後2000万円不足」問題をセンセーショナルに報じた。だが、金融庁の報告書を冷静にみると、高齢社会を取り巻く環境変化について整理し、「長期・積立・分散投資による資産形成」の必要性を説いたものであり、内容そのものに違和感はない。
そうしたなか、私がつくづく痛感したのが、国民の金融リテラシーの低さである。少々旧聞に属するが、金融庁が2016年に実施したアンケート調査では、「これまでに金融や投資に関する教育を受けたことがあるか」という質問に対し、約7割がNOと回答。さらに、そのなかで「今後、金融や投資に関する教育を受けたいか」と尋ねても、約7割がNOと答えている。7割のうちの7割、つまり国民の2人に1人が「投資について勉強したこともないし、今後も一切勉強しない」といっているのだ。
今回の「2000万円不足」問題を受けて、私のSNSにもコメントが寄せられているが、そのなかには「そもそも年金をそのまま運用しないで置いておけばいい」といった意見の一方で、「足りないのならFX(外国為替証拠金取引)をやればいい」といった意見も見られた。資産運用の効用をわかっていない一方で、投資を超えてレバレッジをかけて投資資金の何倍もの金額を取引する“投機”的な運用に走ろうという両極端な声まで聞かれるのだ。その背景にあるのは、「投資=悪」と考える人が依然多いという重たい現実にほかならない。
私が運用責任者を務める「ひふみ投信」シリーズは運用開始から10年以上が過ぎ、全体で1兆円近い資産運用残高にまで増えてきた。ところが、「2000万円不足」問題で露呈されたのは、国民の金融リテラシーの低さであり、下手をすれば日本の個人金融資産約1830兆円がまったく付加価値を生まないまま放置されてしまいかねないことである。このままでいけば、私たちのやっていることも「焼け石に水」に過ぎないのではないか、とさえ考えている。
資産運用業界に長く身を置き、投資信託協会の理事も務める者として、いまほど金融教育をきちんとやらなければいけないと思い知らされたことはない。
そのために具体的な方法は、まさにいま考えているところだが、根深い価値観を変えていくことは一朝一夕で達成できるとは思っていない。一気に解決につながるような“魔法の杖”がない以上、全国を回ってあらゆる機会を通じて金融や投資に関して伝えたり、小学校や中学校などの教育現場にも広げたり、とにかく地道にコミュニケーションを続けていくしかないだろう。
「老後2000万円不足」問題は、金融業界のみならず日本全体にとってターニングポイントとなったことは間違いない。そうである以上、私たち資産運用業界に携わる者たちが責任を持って取り組んでいくべき非常に大きな課題である。投資の意義や必要性を伝えていくのはもちろん、資産形成する機会をより幅広く、より大きな規模で提供していきたいという決意を新たに示したい。
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