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子が親より早く死ぬ事例、なぜ増えているのか…平均寿命短縮化で老後2千万円も不要?
https://biz-journal.jp/2019/06/post_28520.html
2019.06.25 文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士 Business Journal
「Gettyimages」より
弁護士、エコノミスト、大学教授からなる金融庁審議会のワーキンググループが2018年秋以来、12回も会合を開いて審議して作成した「公的年金以外の老後資金が2000万円必要」とする報告書問題をめぐり、国会でも国民の間でも大騒ぎになっている。
それは、ここ数年官民あげて喧伝している「人生100年時代」に起因していると思われる。
厚生労働省から昨年発表された平均寿命は、男性は81.09歳、女性は87.26歳で、100歳以上の人が6万9785人(18年9月時点)もいらっしゃる。毎年、平均寿命が延びているので、そのうち国民のほとんどが100歳近くまで生きるという“妄想”が「人生100年時代」という合言葉を生み出したのであろう。
平均寿命とは、そもそも「今年生まれた赤ちゃんが、その後何歳まで生きるのかの予測寿命」である。今、100歳前後の超高齢に達している方々は、明治の末〜大正〜昭和初期のお生まれだ。一方、文末の図表のごとく、去年1年間で「55歳以下でがんで亡くなった有名人」が少なくないということは、一般人はもっともっと多くの人が“若くして”がん死されている、ということになる。
なぜ「55歳以下」をみるのかといえば、男女ひっくるめた平均寿命を仮に85歳とすると、1世代=30年だから85歳−30歳=55歳ということになる。つまり、55歳以下で亡くなる方の親は、まだ存命の可能性が高い。つまり、「子どもが親より先に亡くなる逆さ仏(逆縁)」の現象が今、日本のあちこちで起こっている。
なぜか。
■Sirtuin(=長寿遺伝子)
今、100歳前後に達しておられる長寿者の方々は、明治の末〜大正〜昭和初期に生まれ、粗食でよく歩き、肉体労働を余儀なくされた。ときには食物がなくて“空腹”をいやというほどの味わいながら育った。
00年に、アメリカのマサチューセッツ工科大学の生物学教授、レオナルド・ガレンテ博士が「空腹のとき、Sirtuin(=長寿遺伝子)が働き、長寿が約束される」という研究発表をしている。
16年には、日本の大隅良典博士の「空腹(飢餓)のときに、人体を構成する60兆個の細胞それぞれの中に入りこんでいる古いタンパク質、老廃物、ウイルスなどの有害物が処理される=autophagy(自食作用)」という研究に対して、ノーベル医学・生理学賞が授与された。
よって、「今、100歳前後の長寿者がたくさんいらっしゃる半面、55歳以下でがんで亡くなる例が増えている要因をひとつ挙げよ」といわれたら、「空腹を経験したかどうか」を躊躇なくあげたい。
今の若者たちはお腹が空いたらいつでも食べられる環境にあるのに、十分に歩かない、肉体労働もしない。その結果が40歳以上の人々は「高」脂血症、「高」血糖、「高」体重など「高」のつく“食べすぎ病”=メタボリックシンドローム、運動不足病に陥っているのである。よって、「長寿遺伝子」など働かず、10〜20年後には平均寿命が短くなってくることが予測される。
■「55歳以下の若者」のがん死
1975(昭和50)年の医師数が約13万、がん死者数も同数の約13万人。その後、医師は増え続け、今や32万、その間、がんに対する研究、治療法も格段に進歩したとされるのに、去年(2018年)のがん死者数は約38万人。これからもがん死者数は増え続けると試算されている。しかも「55歳以下の若者」のがん死が。
こう考えてくると「人生100年時代」など夢のまた夢で、到来するはずはない。今、問題になっている「公的年金以外の老後資金が2000万円必要」などの報告に大騒ぎする必要などないのである。
おそらく今が平均寿命のピーク近くにあると考えられるが、日本の人口1億2642万人のうち、65歳以上の高齢者人口は3557万人(18年9月15日時点)で、90歳以上の人々となるとその6.2%で219万人、95歳以上では、男性は約9万人、女性は約42万人と激減する。
あくまで私見だが、平均寿命は短くなっていくと予測されるので、「人生100年時代」になり「老後資金が2000万円必要」ということには、ならないと思うが……。
(文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士)
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