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FOMCと日銀の金融政策
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2019年06月20日 在野のアナリスト
今日は日米の中央銀行の金融政策会合でした。まず米FOMCで声明文が『我慢強く』から『適切な』と変わり、金融政策を緩和的にする方針に変更。ただ不思議なのは、経済の見通しを引き下げた、と報じるところもありますが、今年の成長率見通しは引き上げており、逆にインフレ見通しは引き下げ、『不確実性』が増し、よりインフレフレンドリーの政策に転換する、というだけです。ただ1月に『我慢強く』としたのに、半年も経たずに文言を見直すなど、全然『我慢強く』なかったという始末です。これで米国では年内3回の利下げを織り込みますが、ちょっと注意も必要です。今回、ドットチャートをみても0.5%の利下げを主張した理事がおり、3回分の利下げを2回で行ってしまう可能性がある。7月の利下げ確率が、国債市場からみるとほぼ100%となりましたが、7月の利下げは情勢次第、米中貿易協議や6月雇用統計次第、ということです。 パウエルFRB議長が、もし今回の会合で「我々はトランプ政権が外交交渉に失敗する、という前提で金融政策を変更しない」といえば、相当な皮肉になったはずです。しかし今回、パウエル氏は率先して利下げに向けて理事のとりまとめに動くなど、完全に政治に屈した印象を与えました。9対8で薄氷の現状維持であり、恐らくそこまで利下げ派を懐柔したのも、パウエル氏でしょう。確かに、景気後退を迎えてから金融政策を転換するのは、当局者としての恥でしょうが、政治の失敗をFRBが担保する、などという伝統から外れたことを始めたのも、恥となるでしょう。G20で米中首脳会談が開かれる見通しとなったこのタイミングだっただけに、尚更それが意識される。協議が上手くいくなら、緩和する必要性もなくなるのですから。 日銀の金融政策決定会合は、もっと深刻です。黒田総裁自身、「政府と政策の協調を行うことは日銀法にも書いてあり、問題ない」とする。つまり「政治の失敗を金融政策で担保する」と述べています。物価目標2%に向けたモメンタムが損なわれたら『躊躇なく』緩和、としますが、物価を2%にする、などというのは日銀法のどこにも書いてないのであり、単に自分たちが定めた目標です。なのにその数字に拘り、効果の怪しい緩和を『躊躇なく』する、というのです。経済成長が2%に届かず、かつ賃金が目減りする現状で物価が2%になったらどうなるか? かつ物価にカウントされない増税がされる中で、消費が壊滅する恐れがあるのに、その目標にこだわる意味は皆無、どころかネガティブでしかありません。それも『政府と政策の協調』をしているので変えられない、安倍政権が未だにインフレをよいこと、とするから、というだけのことです。 昨日の党首討論の言葉を借りれば、『インフレ自慢』をしたいから、国民がどんなに苦しんでもインフレにする。それを安倍政権、日銀が『政策の協調』をして、というから始末に負えない。本当に日本が安倍政権のいう高成長を果たしたら、そのとき2%のインフレになっても吸収できるでしょう。しかし今がそういう状況か? 考える能を失った中央銀行など、存在自体が害でしかありません。それがよく分かるのが「イールドカーブコントロール(YCC)は国債を増発しても金利が上がらないようにしている」と認めました。つまりこれでは財政ファイナンス(マネタイゼーション)であると、世界に喧伝してしまったも同じなのです。 ECBも緩和的となり、日銀の緩和負けが鮮明になってきました。日の丸為替防衛隊の活動も空しく、円高に向かって動きだす。そうなると、物価はデフレへと向かっていく。果たして、打つ手もない日銀が何かをすれば、さらに円高に向かい、日本経済は困窮していくのかもしれません。もし黒田氏が皮肉をいうなら「我々は安倍政権が失敗する、という前提で金融政策を打ってきたが、我々も失敗した」です。いい加減、達成できない物価目標2%を掲げるのではなく、国民のために何ができるか? を掲げないと国民も鼻白むことになるでしょう。政府と日銀の協調、安倍ノ(ミ)クズと黒田バ(ズー)カでは、国民は絶対に幸せになれない。それこそ黒田氏の記者会見が『閑話(ムダな話)』では、世界各国から見劣りすることだけは間違いないのでしょうね。 |
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