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(Stéphanie Kelton, l'économiste apôtre du nouveau «New Deal»: RFI)
http://www.rfi.fr/emission/20190614-stephanie-kelton-economiste-apotre-nouveau-new-deal-sanders-etats-unis
今日の経済―人物を描く
エコノミスト、ステファニー・ケルトン―新たな「ニューディール」の使徒
記者 アーブラ・ジュナイディ
放送:2019年6月14日金曜日
米国のエコノミスト、ステファニー・ケルトン。Stephanie Kelton/wikimedia.org
米国経済界で注目度上昇中の人物がいる。お茶の間のテレビから大学の会議までステファニー・ケルトンの話題で持ち切りだ。ニューヨーク州選出の民主党代議士アレクサンドラ・オカシオ−コルテスのような左派の面々が彼女を支持している。民主党予備選挙候補バーニー・サンダースは(2016年に既にそうだったように)自身の非常に野心的な事業に取り組むために、彼女を「主任経済顧問」にした。巨大インフラ事業の資金を工面するために財政赤字を増やしても良いとの彼女の考えには歯ぎしりする人々もいる。
彼女はバーニー・サンダースと共に再び立ち上がる。サンダースは数ある事柄の中でも、最低賃金と全国民を対象にした健康保険制度を確立したいと考えている。
数年前、この49歳のエコノミストは民主党の旗の下で行われた地元レベルの選挙を勝ち上がることが出来なかったが、社会正義への関心についてはその予備選挙候補者と同じものを持っている。
彼女はバーニー・サンダースと初めて電話で議論したときのことを語った。彼はそのエコノミストに自分が彼の立場なら何をしたいかを尋ねた。「私は彼に答えました―1944年の第2の権利章典ですと。そして、私たちはそこでフランクリン・デラノ・ルーズベルトについて議論を始めました。私はそれが民主党にとって未完成の仕事だといつも思っていました。党はルーズベルトの構想をやり遂げ、一定の基本的権利を国民に提供すべきでした。医療面の諸施策や教育の権利は当然ですが、労働の権利もです。ルーズベルトはこれを自分のリストの最初に入れました。彼はこのことを最初に行おうとしたのです。私は長年それを研究してきました。少なくとも一時期、それは民主党の核心的な構想だったのです。」
彼女の野心は新たな「ニューディール」を始めることだ
特に、経済が健全な状態にあってもなくても全ての人に雇用を保証する大規模プログラムだ。連邦政府がこれに責任を持ち地元レベルで効果的な管理を行う。表向きの数字は好調だが無数の国民が失業中か能力以下の職業に就いていると、ステファニー・ケルトンは述べる。
この施策の後ろ盾として、ある経済理論が存在する。現代通貨理論。この理論は20年来、始めは日の当たらない場所で、その後は光の中で、いくつもの感情を呼び起こしてきた。
あるプログラムの資金を工面するためには財源を探さねばならない。予算の削減や増税により財源を探すことが必要だ。政治的な議論とはこのような話だが、MMT[現代通貨理論]のエコノミストたちは米国政府には決して無視の出来ない強みがあると言い切る。その強みだが、米国政府は他のことで必要だと考えたとき自前のお金を生み出すことを禁じていない。ドルをだ。それを続ければ十分だとそのエコノミストたちは言う。赤字やインフレを恐れずさらに力強く進めば良い。米国経済が能力の限界に達するには程遠いからだ。
しかし、ラリー・サマーズのような左派に分類される経済学者でさえCNBCでこれに警告を発した。「通貨印刷機を回すことにより完全雇用や国民皆保険を保証できるという『現代通貨理論』の考えは危険だ。そして、この考えへの支持が広がるのを見るのは私にとって残念だ。私はこれが『新たなブードゥー経済』であることの証明を試みている。」
ステファニー・ケルトンは攻撃を非難する。しかし、彼女は前線に復帰する
その中心的な提唱者の天性のカリスマと雄弁に助けられて、現代通貨理論は信者をどんどん増やしている。この理論は通貨というシステムの働きをとても上手に説明しているため、長年ウォール街の金融業者を誘惑してきた。そして、議論のテーマが緊縮予算であってもこの理論は可能性の場を開くものであるために、変化を主張する全ての人々を魅了している。特に若者たちをだ。
現代貨幣理論がここまでの支持を得ていなかった頃からステファニー・ケルトンと道を共にする最初の仲間の一人、ランドール・レイは言う。
「ラリー・サマーズのような主流のエコノミストでさえ、私たちが長期的な不景気の中にあると言います。私たちが国民の大部分の面倒を見ることは不可能ですが、そうした人たちは自分たちを裏切るシステムからしっぺ返しを受けています。そこから極右が台頭しています。私たちは10年から20年の間、地球温暖化に反対してきました。これは消滅の危機をもたらすものです。そうしたことから、私たちのシステムがもはや機能しないことが分かりました。事態を変える必要があるのです。」
ステファニー・ケルトンは、自分たちが構想する2兆ドルの「新たなニューディール」により、来年は民主党がホワイトハウスを獲得できると信じている。 そして、彼女はまさに財務長官になった自分の姿を想像しているだろう。
−参考−
1944年1月の一般教書演説でルーズベルト大統領が提唱した「第2の権利章典」についての説明 (The Workmen's Circle Website)[英文]
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