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大ブームの「墓じまい」、お金も人間関係も失うリスク
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190529-00000005-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 5/29(水) 16:00配信 週刊ポスト2019年5月31日号
「墓じまい」をしたことで親戚とトラブルになる例も(イメージ)
核家族化や都市部への人口移動を背景に、故郷の「墓じまい」を選ぶケースが増えている。
厚労省の「衛生行政報告例」によると、2016年度の墓じまいは約9万7000件で5年前から2万件以上も増えた。取り出した遺骨は「都市部で新たに墓を作ると土地代が高額になるため、納骨堂や合祀墓に祀るケースが多い」(柳谷観音大阪別院泰聖寺院代の純空壮宏副住職)という。
ただ、“大ブーム”の墓じまいには、お金も人間関係も失うリスクがある。都内在住の72歳男性は母の三回忌をきっかけに故郷の長崎の墓を都内に移した。
「納骨から半年ほど経った頃、遠縁の親戚から“本家の墓をどこにやった”と猛抗議がありました。兄弟や住職とは話し合っていたんですが、本家として先祖代々の墓を兼ねていたことへの意識が薄く……この一件で親戚との関係が断絶し、故郷にも戻れません」
葬式・お墓コンサルタントの吉川美津子氏は「お金をかけて墓じまいを急いだ結果、親戚や知人などとトラブルに陥るケースもある」と警鐘を鳴らす。
田舎まで墓の手入れをしに行くのはお金も時間もかかるから、“墓じまいは得”だと考えがちだが、実際は思いのほか費用がかかる。
「もとのお墓は石を撤去し、更地にして返します。石材店へ依頼することになり、1uあたり10万〜20万円が相場。立地条件によって割高になることも。また、移転する距離にもよりますが、運搬設置費用が30万〜80万円程度かかる。菩提寺の住職に閉眼供養代や離檀料などが発生するケースもあり、一般的には法要の3回分で5万〜30万円とされます。
移転先は納骨堂が割安といっても、本人だけが入るのか、家族や子孫も含まれるのかなどで幅があり、40万〜150万円程度が必要になる」(吉川氏)
200万円以上のお金がかかることも珍しくない。
手続きも煩雑だ。書類だけでも「受入証明書」「埋葬証明書」「改装許可証」が必要で、発行者も遺骨の受け入れ先、菩提寺、菩提寺がある自治体と別々のため各地を回る必要がある。
「頻繁に帰って手入れができないという人も、今はお墓掃除を年間2万〜3万円で代行する業者などがある。ニーズが高まっているため今後、さらにサービスが充実していくでしょう。親類や友人など、お墓参りに来る可能性のある人が少しでも故郷に残っているなら、人間関係トラブルのリスクを負ってまで、100万円単位の費用がかかる墓じまいを急ぐ必要はありません」(吉川氏)
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