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シャープのV字回復にブレーキ、鴻海傘下で初の「減収・営業減益」
https://diamond.jp/articles/-/201839
2019.5.10 ダイヤモンド編集部 土本匡孝:記者
決算会見に登壇したシャープの野村勝明副社長 Photo by Masataka Tsuchimoto
液晶事業への過剰投資で、数年前まで経営危機に陥っていたシャープ。2016年8月の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業による買収後は徹底した経費削減や中国での液晶テレビ好調などで、18年3月期決算に4期ぶりの最終黒字を果たした。だが足元は米アップルへの電子デバイス販売の減速などで成長が鈍化している。
19年3月期の通期決算が9日発表され、売上高2兆4000億円(対前期1.1%減)、営業利益841億円(同6.6%減)、純利益742億円(同5.7%増)。鴻海傘下に入って以降、初の減収、営業減益となった。
鴻海から派遣された戴正呉シャープ社長(現在は会長兼務)が新中期経営計画(18年3月期〜20年3月期)を示して業績のV字回復を誓ったのは17年5月。今期で中計最終年度に入ったが、「有言実行が信条」という戴会長兼社長の思い通りには進んでいない。
掲げていた20年3月期の目標売上高3兆2500億円、営業利益1500億円はこの日の決算会見で事実上撤回した。20年3月期予想を売上高2兆6500億円、営業利益1000億円と発表したからだ。
純利益の予想は800億円。会見に戴会長兼社長の姿はなく、登壇した野村勝明副社長は「当期利益(=純利益)を過去最高(08年3月期1019億円)にという思いで当時中計を組んだわけですが、そこまで届いていない。頑張って挽回したい」と悔しさを滲ませた。
主な下方修正理由は、大手顧客向けのカメラモジュール、センサーモジュールの市況悪化や液晶テレビ販売の中国や欧州での下振れと説明。シャープは大手顧客の社名を明らかにしていないが、米中貿易摩擦でスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」販売不振の米アップルとみられる。
20年3月期も米中貿易摩擦は深刻さを増しそうで、「第1四半期は特に厳しい。上期まで長引く可能性もある」と野村副社長。半面、家電やノートパソコンなどブランド商品で収益を稼ぎ、全体では20年3月期はわずかながら増収増益の予想だ。
ただ、売上高19兆円(1台湾ドル=3.58円で計算)を誇る鴻海の、いち子会社に過ぎないシャープの決算を論じても、「親会社の操り人形なので意味がない」という冷めた声もある。どういうことか。少々遠回りになるが、シャープの株価低迷から説明しよう。
株価=期待値が低迷
株価は残酷なまでに会社への期待値を示す。足元の業績は決して悪くないシャープの株価低迷は何を意味するのか。
鴻海による買収完了(16年8月)を経て、東証1部復帰(17年12月)、4期ぶりの最終黒字で6期振りの復配発表(18年4月)などで18年前半まで、株価は3000円台をキープしていた。だが18年後半からは急下降。経営不振で3000人余りが希望退職したり、大阪市内の本社ビル売却を発表したりした15年秋の水準(1000円台)まで落ち込んでいる。
業績伸長鈍化など下落要因はさまざま言われているが、「本質は鴻海の金を入れただけで、激しいリストラクチャリングができていないからだ。本当に復活しようとするならば事業の選択と集中をするべきだが、できていない」と、あるシャープOBは指摘する。
シャープと同様に経営危機を経験した日立製作所、ソニー、パナソニックはいずれも、ポートフォリオを「儲かるもの」へ大胆にシフトし、企業価値を上げてきた。
一方のシャープは白物家電、黒物家電、複写機、液晶、太陽電池、半導体など、買収された後もポートフォリオにほとんど変化がない。創業者の名前が住所の栃木工場(栃木県矢板市早川町)での液晶テレビ生産終了や、国内の白物家電生産撤退など、シャープ単体ではできなかった改革に手はつけているが、インパクトに欠ける。
「つまり塩漬けのまま。でも鴻海としてはそれでいいのでは」と前出のOB。電子機器の受託製造サービス世界最大手の鴻海にとって、欲しかったのは自社で完成品を市場展開できる、シャープという名のブランド。シャープという会社は、「基本は生かさず殺さずでいい。自力で業績が上がればなお良し」(同)というわけだ。
とはいえ、これまでは後ろ盾を務めてきた。関係者によると、例えば中国におけるシャープの液晶テレビ拡販で、販社機能を担った鴻海側は損失を被ってまでシャープを下支えしてきた。
鴻海にも不安定要素
シャープの親会社である鴻海の18年12月期決算は、受託生産するiPhoneの販売不振や、工場がある中国の人件費高騰にもかかわらず純利益前年度比7%減に留め、周囲の予想以上に健闘した。
だが米中貿易摩擦の過熱で不透明感が増し、シャープ買収を先導した鴻海の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長は台湾総統選へ出馬表明。鴻海側に不安定要素が多い中、今後のシャープに対する後ろ盾にはおのずと限界があろう。
戴会長兼社長は4月19日、社員向けイントラネットにメッセージを掲載。「液晶のシャープ」で一気に一流メーカーへ仲間入りした一方で、液晶事業への過剰投資で苦境に立たされたとして、「“平成”はシャープにとって、まさに激動の時代でした」と振り返った。
平成末期の18年以降のシャープは、東芝からの買収によるパソコン事業(ダイナブック)再参入、世界最大の家電見本市「CES」への4年ぶりの本格出展、米国でのテレビ事業再参入表明など、息を吹き返しつつあるかのように見えた。
だが令和初の決算発表は、さらなる激動を予感させるものとなった。
(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
本当に景気が良いのでしょうか?
— tam (@tam_tamarin) 2019年5月10日
シャープのV字回復にブレーキ、鴻海傘下で初の「減収・営業減益」 | News&Analysis | ダイヤモンド・オンライン https://t.co/7tlcDA15PL
売上高2兆4000億円(対前期1.1%減)
— Yasuaki Madarame (@madarame) 2019年5月10日
営業利益841億円(同6.6%減)
純利益742億円(同5.7%増)
下方修正理由は、大手顧客(おそらくApple)向けのの市況悪化や液晶テレビ販売の中国や欧州での下振れ。
→シャープのV字回復にブレーキ、鴻海傘下で初の「減収・営業減益」 https://t.co/9fcO0MB31E
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