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日本人の「魚離れ」が想像以上に進んでいる「これだけの理由」 魚嫌いが増えたわけではないのに…
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64494
2019.05.10 阿古 真理 作家・生活史研究家 現代ビジネス
魚離れが進んだ平成30年間
平成は、魚離れが進んだ30年間だった。
FAO(国際連合食糧農業機関)の調査で、2005(平成17)年まで年間一人当たりの魚介類消費量が世界一だった日本は、2013(平成25)年には7位にまで転落している。
農林水産省の調査によると消費量のピークは1988年で、徐々に下がって2016年にはピークの6割強にまで減ってしまっている。
若い世代は魚介類より肉類を好み、やがて中高年になると魚介類を好むようになる――という従来の図式も通用しなくなっている。
少し古いデータだが、農林水産省の『「平成18年度 水産の動向」及び「平成19年度 水産施策」』が、世代による魚介類購入量の違いを分析している。
同じ40代でも、昭和10年代生まれより20年代生まれのほうが魚介類購入量が少なく、昭和30年代はさらに少なくなっているという。
水産庁による2010年の国民健康・栄養調査では、全世代にわたって10年前より魚食が減り肉食が増えている。
時代が進むにつれ魚離れが進んでいく要因の一つは、ライフスタイルが変化したこと。世代が下がるにつれ魚介類購入量が少なくなる傾向は、その事実を顕著に示している。
昭和10年代生まれは食糧難の時代を体験し、肉類が高級品だった時代に成長している。しかし、昭和30年代生まれは、高度成長期で洋食が家庭にどんどん入って、肉が日常的に食卓にのぼる時代に育った。
昭和30年代以降に生まれた世代は、食糧の選択肢が豊富な時代しか知らない。戦後、国を挙げて食糧増産に力を入れ、コメや野菜の生産はもちろん、畜産も盛んになった。肉を毎日気軽に食べられる環境が整ったのである。
昭和30年代生まれの女性は、昭和の終わり頃に子育て期に入った。平成を通じて魚食離れが進んだのは、肉を日常的に食べて育った世代が、料理するようになったからである。彼女たちにとって、魚は選択肢の一つに過ぎないし、魚料理のレパートリーも多くない。
また、平成には町の魚屋も少なくなった。スーパーでは魚屋のように食べ方を聞けないし、気軽に下処理を頼みづらいので、さばき方が分からない、あるいは面倒だと感じる丸ごとの魚は買いづらくなったかもしれない。
日本人は魚を好まなくなったのか?
魚離れのもう一つの大きな要因は、働く女性が増えたことである。
フルタイムで仕事をし、毎日買い物できなくなると、肉より鮮度が重視される魚は買いづらくなる。
しかし、日本人が魚を好まなくなったのかというと、それはどうも違うようだ。
水産庁が発表した「平成29年度水産白書」は、 2007(平成19)年から10年間の→1989(平成元)年からの10年間の総務省家計調査をもとに「水産物の価格が上昇傾向にある中で、購入量は減少しているものの、消費者の購買意欲自体が衰退しているわけではないとも考えられます」と分析している。
また、2014年3月4日の朝日新聞記事「魚料理 外食におまかせ」によれば、ぐるなびの調査で、外食で魚を食べる頻度が増えたという人が多いことが判明している。
実際、旅行社が宣伝する地方旅行の目玉は刺身、ということが多いし、人をもてなすときなど特別なときは寿司を食べに行く、あるいは出前に取る人も多いだろう。同記事によれば、新鮮な魚介類を目玉にする飲食店も増えている。
鮮度が落ちやすく、ワタの処理や魚焼き器を洗うことが面倒など、魚を家庭で料理するうえでのハードルはいくつもある。
しかし魚料理を作りたがらない人も、食べるのは好きという場合が多いようだ。供給の方法次第で、魚離れは食い止めることができるのではないだろうか。
魚より肉を買う人が多いのは、割高だからでもある。それは、供給側にも問題があるからだ。
そもそも漁業者が減っている
まず、漁業者の高齢化と減少が進んでいる。
一般財団法人農村金融研究会の尾中謙治氏が、2013年に実施したアンケートをもとに発表した「高齢漁業者の実態と課題」によると、全国の漁業者の大半を占める男性のうち、65歳以上が占める割合は36.4%にも上る。漁協の組合員数も減少しており、一番の理由は死亡脱退である。
65歳以上の漁協組合員で、後継者が一緒に操業している人の割合はわずか22%で、後継者がいない人の割合は69%もいる。
2000年代になってから、関東ローカルの『食彩の王国』(テレビ朝日)など、生産現場を取材したテレビのドキュメンタリー番組は増えた。
それらの番組が漁業者を盛んに紹介するようになったのは、漁業者が大きな被害を受けた東日本大震災以降である。
イメージが伝われば、生産者も誇りを持てるし、憧れる人も増えるだろう。農業のIターン、Uターンなどによる新規就農者のレポートは多いが、漁業に関してはまだまだ少ない。増えるとすれば、これからなのかもしれない。
漁獲量が最盛期の4割以下に…
しかしもう一つ大きな問題がある。それは、世界的な水産資源の減少である。
クジラ、マグロ、ウナギなどの資源量減少についてよく知られているほか、ホッケやハマグリなどの減少も報道されている。
『魚が食べられなくなる日』(勝川俊雄、小学館新書)によれば、日本の漁業のやり方にも問題がある。
1980年代に漁船ごとの漁獲枠を決めて漁獲制限をしているノルウェーなどでは、漁業者の労働時間が減り、漁業が成長産業になっている。
日本では稚魚などの種苗放流に力を入れているが「種苗法流よりも漁獲規制のほうが、資源の回復に有効である」と述べる。そして、日本では、設定されている漁獲枠自体が過剰になってしまっていて、資源を守ることに役立っていないことを指摘する。
日本の天然資源の漁獲量が1980年代後半から減少に転じ、2014年には最盛期の4割以下にまで減った現状も伝えている。
2018年の「今年の一皿」はサバ!
このように、消費者・供給側両方の事情から、平成の間に日本は、魚を食べることが難しい国になってしまったことがわかる。
ここで少し時代をさかのぼって、魚が豊富に出回っていた時代を振り返ってみたい。
昭和30〜40年代の食事を全国で聞いたムックシリーズ『伝え継ぐ日本の家庭料理 魚のおかず いわし・さばなど』(農文協)を開くと、特に漁村の人たちの魚料理のレパートリーは豊富だったことがわかる。
焼き魚、煮魚だけでなく、さばいたうえに切って和え物にしたり、野菜などと一緒に煮物にしていたりする。マリネもある。数日持ちそうな料理が多いのは、足が早い青魚が豊富に出回っていた実態をうかがわせる。
それは、獲れた魚を大切に食べきる技術でもあった。半世紀前の日本人は、魚の食べ方を熟知した人たちだったのである。
平成も終わった今、昭和はすっかり遠くなったが、現代の魚食にも希望はある。
2018年、ぐるなび総研が毎年発表する、その年の世相を反映する「今年の一皿」にサバが選ばれた。それはこの年、サバ缶の消費量が急速に伸びたことなどの結果である。
缶詰は、魚を手軽に摂る方法と言える。鮮度を気にせず常温で長期間保存ができ、ゴミもほとんど出ない。そして、ほぐして炒め物やスープにするなど、さまざまな料理に応用ができる。レパートリーが広がれば、また作ってみようという気が起きるかもしれない。
サバ缶が注目された最初は、東日本大震災の復興支援のため、おしゃれな黄色と青のデザインで、オリーブオイル漬けなど洋風の味つけの缶詰「Ca va?」が開発され、メディアで紹介されたことだった。
東日本大震災は、魚食大国日本の私たちが、改めて魚を食べる、獲ることについて考えるきっかけをくれたのかもしれない。
先週、浅草の女3人家族経営の寿司屋に行きました。
— takechi Kumi (@takechikumi) 2019年5月9日
めちゃめちゃ美味しかったです。
また行きたい。 / 日本人の「魚離れ」が想像以上に進んでいる「これだけの理由」 (現代ビジネス[講談社] | 最新記事) #NewsPicks https://t.co/K7XMoiG5hI
食べると行為は実は沢山の支えあって実現してるので
— 杉岡侑也/ヘルスケアフードブランド作ってます (@YSUGIO) 2019年5月9日
もっとこういった事実を知って一人一人の消費に自覚が芽生えて欲しい
最近農家では高く売れるからとノウハウや技術のある農家ほどシーズンではない(旬をハズして)生産... #NewsPicks https://t.co/3Fxrm8VWFo
においが付いてしまう。グリルの掃除が大変。/
— たんどりーちきん❤️♠️♦️♣️ (@geopun) 2019年5月10日
日本人の「魚離れ」が想像以上に進んでいる「これだけの理由」 https://t.co/nGMjedQjev #現代ビジネス
ひとことで言うと高くなったから。これほど漁場に恵まれた島国なのに、アメリカから輸入した豚肉の方がはるかに安い…絶対なんかおかしくないか?
— blue gene (@bluegene00) 2019年5月10日
日本人の「魚離れ」が想像以上に進んでいる「これだけの理由」 https://t.co/BbvPI1Ar0c #現代ビジネス
魚業態を見ているの、魚は資源なんだなと実感するシーンは多いです。また確かに家庭の魚食が減っているかもですが、外食では様々な業態が好調だったりも。魚離れというより、今のライフスタイルに魚の調理の手間が大変なだけかなとも感じます。 #NewsPicks https://t.co/8zgqyfp1i2
— 堀部太一 (@horibe0110) 2019年5月10日
深刻な問題ではあるが、この先100年を考えた時に人口減に対しての適切な漁業関係者の数、消費量を考えるべきでは?
— Simon Sugamoto (SIXCorp.) (@backsprinter) 2019年5月10日
農家や漁師の減少が多く騒がれて危機感を仰いでいるが、もう少し横断的に将来の需要と供給量の見通し... #NewsPicks https://t.co/xgmTmnWsg2
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