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ホンダの四輪事業ついに赤字転落、聖域の「研究所」にも改革のメス
https://diamond.jp/articles/-/201710
2019.5.9 ダイヤモンド編集部 浅島亮子:副編集長
決算会見に登壇した八郷隆弘・ホンダ社長 5月8日、決算会見に顔を見せることは珍しい八郷隆弘・ホンダ社長が、決算会場の壇上に立った。 八郷社長が話したスピーチのテーマは、「四輪事業の体質強化」と「電動化の方向性」。とりわけ、ホンダにとって、四輪事業の低収益は最大の懸念事項。八郷社長が陣頭指揮をとって、四輪事業の抜本的構造改革に着手することを宣言したのだ。 八郷社長の一代前の伊東孝紳・前社長が「世界6極体制、2016年度に600万台」という壮大な目標を掲げたのは7年前のこと。八郷社長は、15年には規模を追う600万台目標を撤回していたが、それでも必要以上に地域ニーズへ対応した結果、グレードやオプション装備の組み合わせである「派生」の数が増え過ぎてしまい、生産効率が落ちていた。 グローバルモデルの派生数を 3分の1にする そこに、メスを入れる。 ホンダの四輪車販売のうち6割は、『シビック』や『アコード』など5機種のグローバルモデルで占められる。これらの商品ラインナップを見直すことで、「2025年までに、グローバルモデルの派生数を3分の1に削減する」(八郷社長)。 より売れ筋の競争力の高いモデルに集約することで、生産効率をアップさせて収益を捻出する算段だ。 さらに、中国と米国を中心に生産体制の適正化にも着手。25年までに、生産コストを2018年比で10%削減できるようになるという。 目下のところ、八郷社長は「体質は少しずつ良くなってきている。25年に向けて、現状では7合目まできているという感覚だ」と構造改革の進捗に自信を見せている。 だが、現実はそう甘くないかもしれない。実際に、ホンダの四輪事業の体たらくは深刻だ。 最近の四輪事業の営業利益率の推移を見ると、2019年3月期第1四半期に5.3%と持ち直したかに見えた。だが、その後は右肩下がりが続き、ついに2019年3月期第4四半期(1〜3月)には、営業損失530億円の赤字に転落してしまった。同期の営業利益率もマイナス1.8%へ落ち込んだ。 四輪事業の収益悪化が足を引っ張ったことで、2019年3月期の売上高は、二輪、四輪、パワーブロダクツ(汎用品)の3事業共に過去最高を記録したにもかかわらず、営業利益は前年同期比12.9%減の7264億円まで落ち込んだ。 四輪ではなく 二輪が支えるホンダ 四輪事業の赤字転落とは、穏やかではない。ホンダに何があったというのか。 実は、19年3月期第1四半期の530億円の営業損失には、英国やトルコの生産拠点の撤退費用680億円が含まれている。「この特殊要因などがなければ、前期並みの水準(営業利益267億円)を出せているレベルだ」(倉石誠司・副社長)として、一過性の赤字に過ぎないことを強調する。 だが、主力の四輪事業が営業利益率1〜2%のレベルをさまよっていること自体、褒められた話ではないだろう。 ちなみに、2019年3月期の営業利益では、四輪事業が2096億円、二輪事業が2916億円。同期の営業利益率では、四輪事業が1.9%、二輪事業が13.9%である。 利益の絶対額で見ても、営業利益率で見ても、二輪事業の実力はとっくに四輪事業を上回っているのだ。正しく、ホンダは二輪事業に支えられた会社なのである。 四輪事業の低収益の要因には、生産効率のみならず、長らくドル箱だった北米事業の停滞や研究開発コストの増大など、構造的な問題があるのだ。 聖域の「本田技術研究所」 にも改革のメス そして、四輪事業再建の鍵を握る“最大の改革”になりそうなのが、研究所改革であろう。 創業者の本田宗一郎の時代から、ホンダは利潤を追求する本社から研究開発を担う「本田技術研究所」の存在を独立させてきた。そうすることで、商業ベースに左右されることなく、自由度が高く比類ない商品を開発できるように配慮してきたのだ。 研究所は顧客である本社のために開発し、本社へ設計図を販売する対価として、売上高の数%に相当する委託研究費を得てきた。 だが、そんな聖域にもメスが入る。 今年4月より、二輪と四輪の研究開発体制が刷新された。 慣例では、本田技術研究所の社長は本社の専務取締役クラスだったが、本社常務執行役員クラスへ“格下げ”された。つまり、事業部門が研究所を飲み込んだともとれる人事だ。 また、すでに二輪事業では本田技術研究所の二輪R&Dセンターがホンダ本体の二輪事業本部に統合されている。 四輪事業はそこまでドラスチックではないが、本体の四輪事業本部が四輪R&Dセンターの機能を“侵食”する動きが加速するだろう。米中を中心とするテックカンパニーがモビリティ領域へ続々と参入しており、技術開発競争は厳しくなるばかりだ。自由闊達なホンダの研究所とて、より稼ぐ研究所への変身が急務だ。 八郷社長は、「四輪事業の利益率のレベルをリーマンショックの前のレベルまで戻したい」と言い切った。2008年3月期の四輪事業営業利益率は7.0%。その達成には高い壁が立ちはだかっている。
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