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東芝が映像、家電、PCなど次々売却! 表面化した新たな難題とは
https://wezz-y.com/archives/65506
2019.04.28 wezzy
東芝公式サイトより
電機・エレクトロニクス業界において、時代のニーズを取り込みながら変貌を遂げてきた企業を紹介するシリーズ。今回は「東芝」だ。
東芝は、これまで取り上げてきた会社のような「鮮やかな変身を遂げてきた」会社とは言いにくい。しかし、業態が大きく変わった(変わってしまった)企業として、そしてこれからさらに変わっていかなければ生き残れなくなった企業として、このコラムでは外せない。
東芝は日本を代表する総合電機大手であり、知らない日本人は誰もいないだろう。実際にかつては国内の多くの家庭に、テレビ、冷蔵庫など白物家電、パソコンなど何かしらの東芝製品があったはずだ。しかし、東芝は今ではこれらすべての事業を売却している。我々の身の周りのなかで、東芝が手がけている製品は実はもう残っていない。ブランドは残っているが、いずれも売却しており、東芝ブランド製品は東芝製ではない。東芝はすでに家電メーカーではないのだ。
東芝が現在、主に手がけているのは、エレベーターなど社会インフラのソリューションビジネスである。個人向け(BtoC)ではなく、法人向け(BtoB)ビジネスを中心に切り替え、大きく規模を縮小して生き残っている。
20年前、今日の東芝の姿を誰が想像できただろうか。パナソニック、ソニー、日立製作所などと並ぶ大手電機メーカーだったが、すっかり色あせてしまった。
そして今、東芝は新たな経営危機を迎えている。これまでにも何度も正念場といわれ続けて、なんとかここまでクリアしてきたが、さらにここにきて新たな難題が表面化している。
東芝の変貌ぶりを紹介する前に、まずはこの直近のトラブルを採り上げておきたい。
■新たな経営悪化の火種。危機再燃か?
4月17日、米国液化天然ガス(LNG)事業の売却が事実上白紙に戻った。不正会計や原発事業の切り離しで混乱を極め、ようやく落ち着きを取り戻して立て直しに道筋が見えてきた矢先だったが、また混乱が繰り返される可能性が出てきた。
LNG事業売却を決めていた相手先の中国ガス大手会社、新奥生態(ENN)グループから4月11日夜、東芝に対して「譲渡契約を解除する意向である」旨の通知があった。この時点で東芝は「(ENNの意向を)確認する」という言い方にとどめていたが、17日になってLNG事業の新たな売却先を探し直すことを正式に決めた。米中貿易摩擦もあり、中国側の考えが変わることはないと判断したのだろう。
東芝はLNG事業に2013年に参入し、米国でLNGを調達する長期契約と販売権益を取得して、これを事業化していく予定だった。しかし、市場環境の変化から販売価格が下落し、不採算化して逆に長期的なリスクを抱える状況となっていたのだ。製品が売れなくても支払いは20年間発生するため、まったくガスが売れない場合は20年で1兆円の損失が発生する試算となっていた。
このため東芝は同事業からの撤退を決め、売却先を探して前出のENNと昨年11月に合意。同事業会社である東芝アメリカLNGコーポレーションの全株式を売却することになっていた。一応この時点で原発事業と並ぶ難題だったLNG事業に区切りをつけたとみられていたが、当時から「本当にこれで解決したのか」と疑問視する声はあった。
東芝はLNGの売却に伴う売却損930億円を19年3月期にすでに織り込んでいた。売却が白紙に戻ったことでこの売却損は発生しないことになり、いったん利益を押し上げるが、さらに大きな損失が今後発生する可能性が膨らんだことは言うまでもない。
■過去にも粉飾決算、そして半導体売却で大混乱
東芝の様子が危うくなったのは、2015年からである。正確にいえば、この時になって初めて危機が表面化したといえる。
不適切会計(粉飾決算)があることが表面化したのは2015年だが、さらに原発事業で「一部経営者の不適切なプレッシャー(偽装指示)」も判明、損失補てんのための半導体事業売却をめぐる米国合弁相手、ウエスタン・デジタル(WD)とのトラブルなど、混乱を極めた。
こうした経過のなかで、東芝はテレビ・ブルーレイレコーダなど映像事業を中国電機大手の海信集団(ハイセンス)に売却、家電(冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、エアコンなど)事業については中国美的集団に売却、パソコン事業はシャープに売却した。半導体事業(NAND型フラッシュメモリ)については今後流動的な要素も残しているが、ひとまず米系投資ファンドのべイン・キャピタルの主導により、韓国のSKハイニックス、アップルなどと組む「日米韓連合」に売却されている。
こうした事業の相次ぐ切り売りにより、社会インフラを中核とする事業体制をようやく固め、上場廃止も免れた。しかし、原発関連の事業売却トラブルがようやく収束した矢先、今度は不採算の米国液化天然ガス(LNG)事業売却が振り出しに戻り、大きな難題が表面化したという図式である。
高橋潤一郎
電機業界専門の情報サイトを運営する「クリアリーフ総研」の代表取締役。業界紙記者を経て2004年に起業。クリアリーフ総研のWebサイトでは、毎日エレクトロニクス業界のニュース、倒産情報、与信管理データ、新技術などの情報を配信しており、約1万人の有料会員を抱える。ウェジーでは、電機業界以外の読者も視野に入れ、業界各社の紹介を通じてビジネスのヒントを探るコラムを執筆する。
サイト:クリアリーフ総研
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