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日本は給料の低い微妙な国になる、これだけの理由 (1/4)
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1904/11/news003.html
2019年04月11日 07時30分 公開 斎藤哲也 ITmedia ビジネスオンライン
働き方改革が叫ばれながらも、日本企業の生産性はなかなか上がらない。今後の成長が危ぶまれるポスト平成時代、私たちはどのように働けばいいのだろうか。また流動性が高まらない日本社会はどのように変わればいいのか。小説『平成くん、さようなら』(文藝春秋)を上梓した社会学者の古市憲寿氏と、元2ちゃんねる管理人で、新刊『自分は自分、バカはバカ。』(SBクリエイティブ)を上梓したひろゆき氏に、これからの「働き方」について語ってもらった。
元2ちゃんねる管理人のひろゆき氏(左)と社会学者の古市憲寿氏(右)が語り合った(撮影:稲垣純也)
■日本は雇用流動性が低すぎる
――日本の労働環境について、どのような問題点があるとお考えですか?
ひろゆき: 働き方改革とはいうけれど、日本の会社っていまだに社員を解雇することはめちゃくちゃ大変ですよね。無能を理由に解雇できない。
古市: 大企業だと会社がピンチになって、はじめてリストラという流れが多いですよね。
ひろゆき: そうそう。ピンチにならないと効率を重視してはいけないというのが常識化されているんですよ。だから、どんなに優秀で大きな会社でも、ピンチになるまでは無能な社員がどんどん増えていく。そのために、その会社のリソースを食い続け、赤字が膨らんでようやくリストラするころには手遅れになっているんです。
古市: 日本において、雇用の流動性をもう少し高めてもいいと思いますか。
ひろゆき: そうなんだけど、日本って簡単に解雇しない会社のほうがいい会社だと思われるじゃないですか。これは裏を返せば、会社をクビになると、ものすごい恐怖や不安な世界が待っているということですよね。
古市: お前には能力がない、と言われるようなものだからですかね。でも能力って、向き不向きもありますよね。コピーの取り方ひとつをとっても会社によって違いがあるのだから、一つの会社に向いていなくても、別の会社でならうまく能力を発揮できるかもしれない。
そういう点からすると、本当は流動性を高めてあげたほうが楽になる人も多いと思うんですよね。今の日本の仕組み上、社会保障が企業に紐(ひも)づいている部分が多いから、なかなかそれができないという事情もあるんでしょうけど。
■フランスの若年失業率が高い理由
『自分は自分、バカはバカ。』(ひろゆき氏/SBクリエイティブ)
ひろゆき: ベーシックインカムにして、会社をクビになっても月に8万円もらえるからいいか、という制度のほうが流動性は高まるよ。古市さんがいうように、無能かどうかって、向き不向きや相性の問題も大きい。上司との相性が悪いだけとかね。だったら、さっさと辞めやすい社会にしたほうが効率がいいんじゃないか。
古市: ひろゆきさんが住んでいるフランスの場合はどうなんですか。
ひろゆき: フランスの若年失業率は20%くらいなんです。20代の若者5人に1人が失業だから、フランスの若者は大変だという文脈でよく使われる数字ですけど、実情は少し違う。フランスって4カ月働くと、最長2年まで失業保険が、前の給料の6割の額もらえるんです。だから、ずっと働いている人間より、短期間で辞めている人間のほうが人生楽しいんですよね。
4カ月働いて、あとは6割もらえるからダラダラ暮らしてまた働く、といった形ですぐ辞める。だから多くの若者は適当にお金を稼いで楽しく暮らしているんですけど、失業率は高く出るので、外からはフランスの若者は大変なんだと見えてしまうんですね。
――今後も、日本は成長していくでしょうか?
ひろゆき: いまのままなら難しいんじゃないですかね。現状、利益が上がる業種であるITの分野で、日本はどんどん後進国になっている。中国には人権という概念がないので、人の行動でも医療品の開発でも、ものすごい速度でデータを集めることができます。そのデータを海外に売るようになったら勝ち目がない。
一方のアメリカ型ITは、世界レベルで切磋琢磨している頭の良い人たちに巨額の給料を払って、クオリティーの高いモノをつくらせている。そういった製品やサービスに日本は勝てないですよ。いまや日本が何をつくっても、海外のものを使ったほうが便利じゃないですか。かつては日本でも何社かが検索エンジンをつくっていたけど、今ではGoogle一本。メールもGmailやYahoo!メールなど、全部海外のサービスです。
TwitterやFacebookなど、SNSもそうですよね。この調子でいくと、そのうちほとんどの分野で海外のサービスを使うようになって、日本には利益率の高いIT業種は減る一方になっていくと思います。そうなると巻き返しができないので、給料の低い微妙な国にならざるを得ないんじゃないか。
元2ちゃんねる管理人のひろゆき氏(撮影:稲垣純也)
■一発逆転を狙ってしまう国
小説『平成くん、さようなら』(古市憲寿氏/文藝春秋)
古市: そこまで行くと、何か変わりますかね。
ひろゆき: サモアとか南洋の人たち、あとスペイン人だったら、それはそれでダラダラと楽しく生きようという考え方なんでしょうけど、日本ってそういうときに意外と一発かましたれと極端にいってしまいそうな気がする。
古市: 一億総玉砕ということですか?
ひろゆき: そうそう。こうするべきだ、という空気がつくられると、それが正しいと信じてしまう国民性があるので、戦争するしかないとか、他の国に行って石油奪うしかないと、無茶をやらかす。だから、緩やかに落ちぶれていくことがなかなかできない。
古市: でも、昔なら領土や石油を奪うという無茶ができたけれど、いまの日本がそれをするのは難しいし、日本人もあまり賛同しないのでは? 現代では何をやらかしそうだと思います?
ひろゆき: 単純にお金です。お金のない国が何をするかというと、北朝鮮だったら覚せい剤やミサイルなどをつくって、一発逆転を狙うわけじゃないですか。
古市: 日本だと何をつくるんですか。
ひろゆき: チャイルドポルノとかあるんじゃないですか。18歳未満の人たちが性的なことを商品価値としてモノを売るのは、チャイルドポルノなんです。アイドルのような人たちがスカートをめくり、それにお金払うのは、完全に児童労働とチャイルドポルノなんですけど、それが当たり前だと日本人は認識している。そういうのを好きな海外の人たちが日本に来ているし、それが加速するんですよ。
社会学者の古市憲寿氏(撮影:稲垣純也)
■日本人は本当に勤勉か?
――日本人の勤勉さは武器にはならないですか?
古市: いくら勤勉でも、高齢化で多くの人の身体機能が落ちていくと、勤勉さもあまり役立たなくなってきませんか。いくら本人が勤勉だと思ったところで、目が悪かったり、思うように体が動かなかったりしたら、その勤勉さって意味がないじゃないですか。だったら少しのメンテナンスで24時間正確に働いてくれるロボットのほうがいいですよね。
ひろゆき: そもそも日本人の勤勉さって、自分自身で考えて働いているわけではなくて、周りの評価に合わせて働いた結果として勤勉に見えているだけなんですよ。みんなが要求するなら、死ぬまで働いてしまう。「お前、特攻して死んでこい」と言われて死ぬのと一緒。そういうのを勤勉と呼ぶわけでしょう。軍隊を輸出するぐらいなら役に立つかもしれないけど、労働としては非効率です。
労働で何か価値をつくるんだったら、合理的に考えたほうがいい。死にそうなぐらい働くよりも、死なないように十分な睡眠をとって、頭回るようにしてちゃんと仕事したほうがいいわけですけど、日本ではそういう当たり前の合理性が多数派にならない。しっかり睡眠や休暇をとることは、「勤勉」じゃないと受け取られるんですね。
古市: むしろちゃんと睡眠や休暇をとったほうが、年をとってもしっかり働けそうですね。
ひろゆき: 結果重視ならそう考えますよね。でも、日本って過程を重視するじゃないですか。結果が超失敗してても、過程でがんばっているからOKだと。本来は、超絶くそ野郎で全く働かないけど、結果だけは出す人を増やすべきなのに、日本はそれができないんですよ。
(後編は、4月15日掲載予定)
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