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年収1000万でも貯金ゼロ世帯がこんなにいる!衝撃の実態と背景
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190407-00010489-toushin-bus_all
LIMO 4/7(日) 11:00配信
写真:LIMO [リーモ]
4月も始まり、新年度という方も多いのではないでしょうか。また、大学を卒業し、初めての職場で仕事を始めたばかり、という方も多いのではないでしょうか。ビジネスパーソンにとって仕事の内容ややりがいととともに気になるのはお給料ではないでしょうか。
年収は多い方がいいというのは誰しも同じでしょう。ビジネスパーソンとして年収1000万というのは金額としては一つの目安になるかと思います。しかし、年収1000万円を実現しても「生活が苦しい」という声をよく目にします。今回は公開データなどをもとに、なぜ年収1000万円でも日本でも生活が苦しいという背景について見ていきます。
年収1000万円の人は日本に何人いるのか
インターネットなどの求人広告で「年収1000万円以上の求人案件」というのを目にすることがないでしょうか。では、日本でどのくらいの人数が年収で1000万以上を実現しているのでしょうか。
国税庁が2018年9月に発表した「民間給与実態調査」では、4945万人の給与所得者のうち、年間の給与所得額が1000万円を超える人が222万人としています。
比率にして言うと全体のわずか4.5%に過ぎません。
4.5%という数字をつかみにくいかもしれませんが、小学校の1クラスを35名だとすると、将来そのクラスで年収が1000万円を超えるのが1から2名程度ということになります。こう考えると、「年収1000万円を手にするのは難しい」ということが感じ取れるのではないでしょうか。
年収1000万円の手取給与額はいくらか
一口に年収1000万円といっても、勤務形態や年齢(介護保険料)、住む場所(住民税)によって多少は異なってきます。
ここでは、企業に勤めるビジネスパーソンが月給75万円(75万円×12か月=900万円)、ボーナスが100万円のケースを考えてみましょう。
額面が毎月75万円であっても、健康保険及び厚生年金保険に関する保険料などが給与から差し引かれます。これらの保険料は人それぞれですが、ざっくり10万円程度差し引かれます。いわゆる毎月の65万円が課税対象額となります。
次に、この課税対象額の中から、住民税と所得税が差し引かれます。住んでいる場所にもよりますが、住民税と所得税の合計で約10万円が差し引かれます。
したがって、上記の前提のケースでは年収1000万といてもボーナス月以外では、ざっくり55万円が手取りとなります。
年収1000万円層のライフスタイル
さて、ここまで年収1000万円のビジネスパーソンの手取給与額について見てきましたが、ここからは支出面を考えてみましょう。
家族構成にもよりますが、仮に夫婦と子供2人の世帯を考えてみましょう。
また、住居に関しては、どこに住むのか、またどれくらい広さの家に住むのかということが問題になろうかと思います。
たとえば、神奈川県川崎市・武蔵小杉駅近くの新築に近い賃貸マンションで3LDK、広さにして約70平米くらいの広さを借りようとすると賃料で20万円台半ばから高いと30万円近くに及びます。
ここでは、仮に25万円を賃料としてみましょう。
先ほどの手取給与額の55万円から25万円を差し引くと、残り30万円となります。
また、生活費については、総務省の「家計調査(家計収支編)」の二人以上の世帯のうち勤労世帯の支出について参考にしてみます(2019年2月のデータ)。
・食料:7万1167円
・光熱・水道:2万9017円
・家具・家事用品:9685円
・被覆及び履物:1万678円
・保険医療:1万2096円
・交通・通信:5万4831円
・教育:1万6038円
・教養娯楽:2万7565円
・その他消費支出:5万5764円
※その他消費支出には、諸雑費(理美容サービス、たばこ等)、こづかい、交際費、仕送り金などが含まれます。
こうした生活費に関係する支出を合計すると28万6841円となります。
先ほどマンションの賃料を支払ったのちに、30万円しか手残りがないと示しましたが、ここで見た生活費を差し引くと、なんと1万3159円しか残りがないことになります。
住居が、賃貸でなく、持家であっても、住宅ローンを組む場合には、同様に借入を毎月返済しなくてはなりません。したがって、勤労世帯で住宅を購入してもキャッシュフローを考えれば、先と同じような考え方になります。
年収1000万円を超えていても金融資産ゼロ世帯がある衝撃
ここまで見てきたように、年収1000万円クラスの世帯でも、貯蓄をしようとするとなかなか難しい現実が見えてきます。
もちろん、先ほどの生活関連の支出を切り詰めて、手元に残る現金をより多く増やそうとすることは可能ですが、思わぬ出費がある月もあるでしょうからなかなか貯蓄できないというのが実際ではないでしょうか。
知るぽると(金融広報中央委員会:事務局 日本銀行情報サービス局内)「平成30年(2018年)家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)」の調査によれば、年間年収で1000〜1200万円の二人以上世帯で金融資産を持たない世帯が7.3%、また1200万円以上でも3.8%いるとしています。
先の手取収入と支出を考慮すれば、さもありなんとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
日本には金融資産ゼロ世帯はかなりの比率、存在する
ちなみに、先ほど見たケース以外で年間年収別で金融資産を持たない世帯(二人以上の世帯)の比率がどの程度あるかというと考える方もいるのではないでしょうか。
年収別の金融資産を持たない世帯の比率は以下の通りです。
・750〜1000万円未満:9.6%
・500〜750万円未満:12.6%
・300〜500万円未満:19.4%
・300万円未満:34.8%
・未収入:33.3%
このように、一生懸命働いても金融資産を持ちたくても持てない世帯がかなりの比率いるのには驚きです。働き方改革などで仕事量を減らす動きが急速に加速していますが、結果として世帯当たりの収入が減らないことを望みます。
【参考資料】
・国税庁「平成29年分民間給与実態統計調査」
・総省統計局「家計調査(家計収支編)調査結果」
・知るぽると「平成30年(2018年)家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)」
青山 諭志
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