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(回答先: 米金融政策の教訓、次の一手は「利下げ」か ECBからまた「味方討ち」銀行試練 英、強い統計に潜むリセッション間近シグナル 投稿者 うまき 日時 2019 年 3 月 12 日 08:49:23)
コラム2019年3月11日 / 07:27 / 13時間前更新
2月中国輸入の落ち込み、日本の輸出・生産に不吉なシグナル
田巻一彦
2 分で読む
[東京 8日 ロイター] - 生産の失速が波紋を広げている。1月景気動向指数の一致指数が大幅に低下し、戦後最長の景気拡大実現が怪しくなってきたが、本質はそこではない。生産の弱さが継続すれば、設備投資計画の下振れや企業マインドの下方シフトを通じ、最終的に消費への悪影響を招いて景気後退という「穴」にはまり込むリスクを高める。
中国の輸入の落ち込みが日本の輸出に波及すれば、生産減速が「一時的」との見方は失望に変わりかねない。
8日の日経平均.N225は午後に下げ幅を広げ、前日比430円安の2万1025円となった。
2月の中国貿易統計で輸出が前年比マイナス20.7%と大きく落ち込み、中国経済の先行きへの懸念が強まったことが株価の下落要因の一つとして指摘されていた。
だが、私が注目したいのは、輸入の方だ。市場予想の同マイナス1.4%を大きく下回る同マイナス5.2%となった。1月は同マイナス1.5%で、中国経済が足元で冷え込んでいることを端的に示した。
日本の1月対中輸出は、同マイナス17.4%だった。2月の中国の輸入が大幅に下げているので、日本から中国への輸出はさらに落ち込むことが予想される。
さらに問題なのは、日本の鉱工業生産だ。1月速報値では前月比3.7%低下と大幅に失速した。同時に公表された生産予測指数は、2月が同5.0%上昇、3月が同1.6%低下となったが、5.2%という2月の中国輸入の落ち込みを受け、対中輸出の大幅減少と、生産の失速トレンド継続の可能性は高まったとみるべきだろう。
<過剰債務に直面する中国企業>
中国政府も、足元の経済情勢には危機感を持っているようで、5日から始まった全国人民代表大会で約2兆元(2983億1000万ドル)の企業向け減税を打ち出し、製造業、運輸、建設部門の付加価値税引き下げ方針も表明した。
ただ、企業部門の過剰債務問題が深刻化している中国では、金融の引き締まりが顕在化。今年1月からの中国人民銀の相次ぐ預金準備率引き下げなどで一時の金融ひっ迫は緩和されたものの、中国企業の「金繰りのひっ迫」は全面解消には程遠いと、中国企業と取引している日本企業関係者は口をそろえる。
過剰債務問題が発生しているときに、金融を緩和しても、債務問題に直面している企業は設備投資を活発化させない。当面の利払いを新たな融資でしのぐということが繰り返され、前向きの企業活動に結びつかないからだ。
<中国底割れなしでも、日本に一定の打撃>
日本政府関係者は、中国経済の「底割れ」はないと強調するが、前向きのメカニズムが動き出すのかどうか、予断を許さないだろう。
当面、中国の輸出入が前年比で数パーセントのプラスに復帰するのは難しく、楽観的なシナリオでも、明るい展望が開けるのは、19年後半になると予想する。
この仮定どおりに進んだとしても、日本の輸出・生産が再び、拡大方向に戻るにも、一定の時間が必要になる。
輸出・生産の停滞が長期化するなら、4月からの設備投資計画が当初よりも弱めに作成される可能性も出てくる。春闘における賃上げも、経営側は厳しい姿勢で臨むだろう。
18年の3月ごろと比べると、19年の日本経済のトレンドは、拡大へのモメンタムが弱くなるのではないか。
さらに今年は、日米通商交渉も控えている。メインテーマは、日本から米国への自動車輸出だ。米国は同国での現地生産にシフトすることを求めてくると見られ、そのペース次第では、日本の輸出・生産が一段と下方にシフトしかねない。
輸出・生産から日本経済を展望する見方は、先行性という点で久しぶりに優位性を発揮するかもしれない。
https://jp.reuters.com/article/column-china-idJPKBN1QR0W6
景気が危うい中、インバウンド消費に陰り 百貨店売り上げで「最後の砦」は化粧品?
上野 泰也 みずほ証券チーフMエコノミスト
2019年3月12日 全3440文字
訪日外国人による旅行消費(いわゆるインバウンド消費)の金額が、「モノ消費」から「コト消費」へのシフトもあって、このところ伸び悩んでいる。中国・欧州の景気減速やハイテク部品のミニ不況などを背景とする輸出の減少、企業の設備投資姿勢の慎重化、消費マインドの慎重化などを背景に、腰折れ含みの危なっかしい展開になってきている日本経済に、懸念材料が1つ増えた。
日本政府観光局(JNTO)によると、2018年の訪日外客数は過去最高を更新する3119.2万人(前年比+8.7%)。政府が目指している東京五輪・パラリンピック開催年(20年)の4000万人達成に向けて、順調に増えている。
ところが観光庁によると、18年の訪日外国人旅行消費額は4兆5064億円にとどまった(今回からクルーズ客急増を踏まえた新しい調査ベース。従来の推計方法では4兆8000億円で前年比+8.7%)。政府が目指している20年の8兆円達成はまだまだ遠い<図1>。
■図1:訪日外国人旅行消費額
注:18年は速報で、クルーズ客急増を踏まえた新しい調査ベース
(出所)観光庁
https://cdn-business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00122/00009/p1.jpg?__scale=w:500,h:225&_sh=0300de0300
インバウンド消費は日本の景気を兆円単位でサポートしてきた要因であるだけに、政府も憂慮している。菅義偉官房長官は1月26日、東京と大阪で訪日外国人受け入れの取り組み状況を自ら視察した。
観光庁によると、訪日外国人(クルーズ客を除いた一般客)の1人当たり旅行支出は18年に15万2594円。調査方法変更前の17年の数字と単純に比較すると前年比▲0.9%になる。15年にかけては中国人観光客の「爆買い」が注目されたものの、その後は減少してきている<図2>。この流れを反転させることがいま、政府・関連業界の最大の課題になっている。
■図2:訪日外国人1人当たり旅行支出
注:18年は速報で、クルーズ客を除いた一般客のみの計数
(出所)観光庁
https://cdn-business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00122/00009/p2.jpg?__scale=w:500,h:225&_sh=0d0790960c
インバウンド消費に新たな逆風
だがここにきて、インバウンド消費にはいくつかの新たな逆風が吹いている。
2月1日に大手百貨店4社が発表した1月の売上高で、訪日外国人による免税品の売上高が軒並み前年を下回った。報道された業界関係者の見方を総合すると、これには中国の景気減速が影響している上に、ネット通販を規制する法律が中国で1月から施行されたことにより、日本で大量に購入した化粧品などを中国国内で転売するのが難しくなったことが影響しているのだという。
この中国の法律、電子商取引法(新EC法)については、以前のような中国人の「爆買い」はもはやないので全体的な影響はさほど大きくないのではというやや楽観的な見方もあるものの、現在のように中国景気減速や為替の円高元安とタイミングが重なると、売上高の減少幅が品目によっては大きくなりかねない。
ここからは、インバウンド消費でいま主役の座にある化粧品について、関連する統計の代表例である、日本人によるものも含めた百貨店における化粧品の売上高を見ておきたい。
次ページ1人当たり実質賃金の伸び悩みも「寄与」
オンラインでの販売や、アプリ経由の個人間の中古品の売り買いを含め、日本の個人消費の「最前線」の様相は、ここ数年で様変わりしている。とはいえ、消費をウォッチする際の伝統的手法を完全に捨て去ってよいわけでもないだろう。筆者が昔から注視している統計の1つが、全国百貨店売上高である。商品別の売上高の動きが、消費の実情の一端を浮き彫りにすることがある。
昨年12月の全国百貨店売上高は、総額が前年同月比▲0.7%(店舗数調整後)で、2カ月連続の減少になった。構成比が高い「食料品」と「衣料品」がいずれもマイナス。そうした中で絶好調が続いているのが「化粧品」である<図3>。12月は前年同月比+4.1%で、45カ月連続プラス。最後に前年同月比マイナスを記録した15年3月は、消費税率引き上げ前の駆け込み需要で14年3月に急増したことの反動である。
■図3:全国百貨店売上高 前年同月比(店舗数調整後) 総額、「化粧品」
(出所)日本百貨店協会
https://cdn-business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00122/00009/p3.jpg?__scale=w:500,h:240&_sh=0410aa0ce0
その後、2月21日に発表された今年1月の全国百貨店売上高は、総額が前年同月比▲2.9%で減少続きとなったが、「化粧品」は同+0.3%で、小幅ながらも46カ月連続の増加を記録した。発表直前に社内で化粧品販売の底堅さを指摘していた筆者としては、胸をなでおろす数字だった。
1人当たり実質賃金の伸び悩みも「寄与」
毎月勤労統計の不適切手法での調査実施問題に端を発して、年明け後に、1人当たり実質賃金の伸び悩みが世の中で改めて意識されている。そのことも陰に陽に寄与して、国内では消費マインドが弱含みとなっている。また、すでに述べたように中国人などのインバウンド消費が勢いを弱めている。にもかかわらず、百貨店では化粧品の売り上げがなお増えている。
その理由として考えられるのは、@国内の2人以上世帯で「財布のひも」を女性側が握っている場合が少なからずあると考えられること、A若年層が「デパートコスメ(デパコス)」に戻ってきていること、Bインバウンド消費において日本の化粧品に対する需要が他の多くの商品に比べれば底堅いという事実、以上3点である。
上記Bの関連で筆者の目を引いたのが、2月8日に過去最高益の決算を発表した日本の大手化粧品会社の社長による、中国事業に関するコメント内容である。
「1月の店頭販売はプレステージ系で前年比40%を超えて伸びており、減速感がまったくない」と説明した同社の社長は、月次調査でも化粧品の購買意欲は落ちておらず「他の産業より耐性があるのではないか」との認識を示した。ただし、インバウンド消費については、転売抑制を図る中国の電子商取引法の影響で1月のバイヤー(代行購入業者)への販売が20%近く落ちている。その一方で、個人旅行者への売り上げは伸びているのだという。
景気が腰折れ含みで推移する中、日本の化粧品販売の底堅さは、明るいニュースである。
そうした中、百貨店大手が売り場の構成を大きく変えようとしているという報道が出てきた。読売新聞が2月25日朝刊に掲載した「百貨店 婦人服を縮小 カフェ・化粧品へ転換」である。
この記事によると、百貨店各社は「集客の中核に位置づけてきた婦人服売り場を縮小し、化粧品や美容といった訪日客に人気の売り場やカフェなどへの転換を進めている」「低価格のファストファッションやネット通販の台頭で、衣料品販売の減少に歯止めがかからないためだ」という。17店舗を展開しているある大手は、17年から5年間で婦人服売り場のスペースを全体で3割減らす計画を進めるという。
記事には、「長年、多くの百貨店は、婦人服売り場を入り口に近い低層階に展開し、集客のカギとしてきた。女性が家族連れで訪れ、化粧品や雑貨、上層階の紳士服売り場を回ることで、店舗全体への波及効果が期待できた」とある。
それでもやめられない婦人服
1月の全国百貨店売上高を商品別に見ると、すでに述べたように「化粧品」が46カ月連続で増加している一方、伝統的に主力である「婦人服・洋品」は前年同月比▲5.4%(3カ月連続減)。衣料品全体では7カ月連続で減っている。また、ひところ人気を博したデパ地下の「総菜」は同▲1.0%(3カ月連続減)、「美術・宝飾・貴金属」は同▲2.2%(5カ月ぶり減)、「家庭用品」が同▲3.3%(37カ月連続減)、「食堂喫茶」が同▲3.0%(21カ月連続減)、「商品券」が同▲7.0%(95カ月連続減)などとなっている。
もうかなり前のことになるが、東南アジアの国々から研修に来た人々にレクチャーした際、筆者は日本の百貨店の売り場構成を紹介。1階に化粧品や雑貨、2階から4階くらいまでは婦人服売り場が並び、紳士服は上のほう。財布のひもを握っているのは奥様であることが多く、ご主人はお金を出して荷物持ちをするのが日本では一般的だと説明したら、これが大うけした。男性陣は「俺の国でも同じだ」と口々に言いながらうなずいていた。
そうした「定番」の売り場構成が変わろうとしているのだから、これは実に大きな変化である。それだけ、人口減・少子高齢化が進む中でのサバイバルを、百貨店業界が深刻にとらえていることの表れだろう。
この記事には、「ただ、全売上高に占める婦人服・洋品の割合は、10年前に比べて4.7ポイント低下したものの、19.2%で依然として高く、婦人服に代わる確たる収益源を見いだせていないのが現状だ。『当面、婦人服売り場は聖域として重視せざるを得ない店は多い』(関係者)との見方もある」とも最後に書かれている。業界内には、やはり迷いがあるのだろう。売り場構成を変える会社と変えない会社に分かれるのかもしれない。それぞれがどのような売り上げ実績になるのか、要注目である。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00122/00009/
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