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2019年2月28日 週刊ダイヤモンド編集部 ,浅島亮子 :副編集長,千本木啓文 :記者
野菜相場を破壊!?オンライン卸売市場スタートへ
野菜の流通が大きく変わる可能性を秘める Photo by Hirobumi Senbongi
物流コストの増大の直撃を受け疲弊する日本の農産物流通。農家が適正な利益を得られる変革が待ったなしな中、農業ベンチャーのマイファームが、オンライン卸売市場「ラクーザ」を今月初旬にもスタートさせることが、週刊ダイヤモンドの取材で分かった。同誌2019年3月9日号では「小規模農家こそ勝機あり 儲かる農業2019」と題して特集を掲載。変化に直面した日本の農業の最前線をレポートしている。
早ければ3月初めに、農作物流通を一変させるサービスが立ち上がる。農業ベンチャーのマイファームが、オンライン卸売市場の「ラクーザ」を創設するのだ。
ラクーザは、インターネット上で農家が出品した農作物を買い手(スーパーや飲食店)が入札で競り落とす仕組み。何といっても、農家が自由に値決めできる点が新しい。既存の規格や出荷ロットにとらわれず、農家自身が小売りや外食チェーンのバイヤーと直接、価格交渉ができる。
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西辻一真・マイファーム社長は、「農家がきちんと適正な利益を得られる価格で出品し、良質な農産物ならば競り方式で価格が上がっていく。取扱量が増えてラクーザの相場ができれば、“大田の相場”を壊せる」と言い切る。
大田市場(東京都大田区)といえば、青果物で取扱高日本一を誇る巨大市場だ。ラクーザの初年度目標は、流通総額10億円と控えめではある(農家と買い手を合わせた会員獲得数の目安は4000ユーザー)。だが、「いずれ卸売市場へ流れる農産物流通の全てを獲得していきたい」(西辻社長)と、静かな野心を燃やしている。
ラクーザのスタッフから説明を聞く岩立昌之さん(右)。農家が値決めできるサービス開始に興味津々だ Photo by Fusako Asashima
千葉県柏市の岩立ファーム(チンゲンサイがメーン)の岩立昌之さん(38歳)は、サービス立ち上げに興味津々だ。デジタルネーティブ世代なので、スマートフォン操作にも抵抗がない。
「この20年間、どんなに資材費や物流費が上がっても、その上昇分が出荷価格に転嫁されたことはなかった。値決めをできるラクーザは魅力的だ」(岩立さん)
農家がラクーザの会員になるだけなら無料。取引の成立時点で、販売額の15%の手数料が掛かる。首都圏で直売所に置いてもらうとき(直販)の手数料が2割程度だというからリーズナブルだ。
通常の市場出荷では、中間流通コストなど諸経費を引いた「農家取り分」は売価のわずか4割程度。いかに無駄なコストが、農家の経営を圧迫しているかが分かる。
また、ロットを小さくし、テストマーケティングの場としてラクーザを活用するのも一計だ。
「チンゲンサイは加熱せずに生でも食べられるし、調理法も中華だけではないことを知ってほしい」(岩立さん)。例えば、調理法の提案などの訴求がバイヤーに利くかどうか、反応を試すことができる。
価格形成機能も
食の分配機能もマヒしている
「市場を壊すようなサービスを始めます」──。
ラクーザをオープンするに当たって、事前に、西辻社長は市場の“重鎮”のところへ足を運んでいる。直販やインターネット通信販売の拡大により、ただでさえ市場流通は疲弊している。ラクーザの登場は、市場流通の息の根を止めかねないほどのインパクトがあるのだ。
実際に、市場機能の弱体化は甚だしい。まず、農家に適正な利益が残る「価格形成機能」が果たされていない。仲卸業者など多くのプレーヤーが介在しており、無駄な中間コストが加算されるからだ。
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しかも、相対取引が多く競りが少ない。有名産地というだけで質の伴わない農産物に高値が付くなど、価格硬直性が高く、市場競争が価格に反映されない。
食の「公平な分配機能」も完全にマヒしている。九州地域から出荷された農産物が、JA経由で東京の大田市場へ送られ、それがまた九州エリアのスーパーへ「分配される」という無駄な配送もよくあることだ。
これだけ物流危機が深刻化してもなお、こんなばかげたことが続けられている。そして、その膨大な物流コストを負担しているのは、末端農家であり消費者である。
農家が適正な利益を得られ、消費者ニーズの多様化に応えられるような流通改革は待ったなしの情勢だ。そして今、既存の流通構造を壊し、農業を変革しようとする企業や企業連合が相次いで誕生している。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子、千本木啓文)
https://diamond.jp/articles/-/195757
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