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豊かな日本人が質素なドイツ人より「幸せ」を実感できない理由
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投稿者 うまき 日時 2019 年 2 月 13 日 10:02:52: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

2019年2月13日 熊谷 徹 :ドイツ在住フリージャーナリスト
豊かな日本人が質素なドイツ人より「幸せ」を実感できない理由

日本では消費を娯楽としている人が多いのだろうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA
世界的に見ても便利で豊かな生活をしているのに、なぜか国民の幸福度が低い日本。その一方で、日本よりも質素で倹約的な生活をしているドイツは、なぜ日本よりも幸福度が高いのか?ドイツ在住のフリージャーナリストで、新刊『ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか』(青春出版社)の著者・熊谷徹氏が、お金をかけないドイツ人の生き方や社会の仕組みから、暮らしをより豊かにするヒントに迫る。

日本人がショッピング好きなのは「○○すぎる」から!?
 新しいスマホ、発売されたばかりのAIスピーカー、最新のタブレット型PC…日本人が買い物にかける執念はものすごい。さらに、日曜日や祝日にはほぼ全ての店が開いているので、繁華街へ出かけてショッピングを楽しむ人が多い。そのため、日本人の間には消費を娯楽としている人も少なくない。なぜ、このように日本では消費を娯楽としている人が多いのだろうか。それは、自由時間が少ないためだと私は考えている。日本人は、会社での仕事が忙しいために、自由に使える時間が少ない。しかし、買い物ならば比較的短時間で行えるからだ。

 一方、ドイツ人のようにいつでも休みを取ることができ、しかも毎年2〜3週間のまとまった休みを確保できることがわかっていれば、心のゆとりが生まれる。したがって、ドイツ人の間にはふだんの娯楽にお金をかける人、消費で心の隙間を満たそうとする人は少ない。ドイツ人には休みを利用して2〜3週間の旅行に出かける人が多いので、ふだんは多額の出費を抑える必要もある。つまり、ドイツ人と比較すると、我々日本人はまとまった休みを取れないこと、労働時間が長いことによって溜まるストレスを、パーッとお金を使うことで発散しているのではないだろうか。

 これに対してドイツ人にとっての娯楽は、日本人とはずいぶん異なる。彼らが余暇で最も重視しているのは都会でのショッピングではなく、海辺や山で自然を満喫すること、そして家族と一緒の時間を楽しむことだ。ドイツの公的健康保険運営組織DAKが2018年に行ったアンケートによると、「休暇の最大の魅力は、太陽の光と自然」と答えた人が最も多かった。

 アルプス山脈の北側に位置するドイツでは、天気が良い日は少なく、晴天が多い時期は5月から9月までと短い。そのため、屋外での活動を楽しめる時期が限られているのだ。ドイツの一年の平均日照時間は約1500時間。南仏マルセイユ(2858時間)やポルトガルのリスボン(2799時間)などに比べるとはるかに短い。このためドイツ人たちは、晴れの日が多い季節にはなるべく外に出て、太陽の光を浴びようとするのだ。

 このように、ドイツ人は、自然の懐に抱かれながら気分転換をすることが生活の中で重要な位置を占めており、お金をかけずに暮らしを楽しむことができるのである。

ドイツ人が“流行のモノ”に飛びつかないワケ
 我々日本人は、新しい物、流行の先端を行く商品が好きである。ドイツに比べると、日本では新製品に関するコマーシャル、電車内の車内広告などが頻繁に行われる。なぜなら、そうしないと消費者に飽きられてしまうからだ。スマホや車だけでなく、菓子、ビールなどの食品、アルコール飲料に至るまで、絶えずモデルチェンジや増量など新しい工夫が付け加えられ、そのことが大きく宣伝される。このような環境の中で、自由時間が少ない不満から生じる心の隙間を消費によって満たしていると、新しい製品が出るたびに物欲を刺激されて衝動買いをしてしまい、自宅が物で溢れてしまうだろう。

 さらに日本では、古い製品を使っているのは何となく恥ずかしいので、まだ使えるのにお払い箱にすることも多い。物で溢れる自宅を片付けるために古い物をどんどん捨てなければならず、ゴミの量も増えてしまうという悪循環なのだ。

 一方、ドイツ人は時間にゆとりがあることもあり、消費意欲が日本人に比べると低い。新しい製品が出ても、すぐには飛びつかない。むしろ、古い物でも大事に使ったり、中古品を買って使うことに慣れている。さらにドイツ人の中には環境保護に関心を持っている人が多いため、ドイツは世界で有数のリサイクル国家となっている。

 ドイツの町を歩くと、しばしば歩道沿いに大きな金属の箱が並べられているのを見かける。ガラス瓶やプラスチックゴミをリサイクルするための回収箱だ。箱は「透明なガラス」「緑色のガラス」「茶色のガラス」「プラスチック」「金属」などと分類されており、市民がワインや食用油の瓶、シャンプーや洗剤のプラスチック容器などを次々に持って来て、箱の中に投げ込んでいるのだ。

 こうしたリサイクルへの取り組みは、過剰な消費を避け、お金に振り回されない生き方にもつながっていく。ドイツがリサイクル大国であるという事実は、国民が物欲という鎖に、そして大量消費・大量破棄という鎖に縛られることなく「豊か」な生活を送れることと表裏一体の関係にあるのだ。

「豊かさ」の第一歩は「求めすぎない」こと
 日本では企業、他人に対する依存心や過度な期待感が、知らず知らずのうちに社会の中で過剰なサービスを増やし、労働者の負担を重くしているのではないだろうか。過度な期待感は、「自分はお金を払うのだから、客として手厚いサービスを受けて当然だ」という甘えでもある。日本で店員さんの丁重なサービスを見ていると、こういう期待感を持つ客を怒らせたくないという恐れが感じられる。もちろん、世界的に見てもトップクラスにある日本のサービスの水準を低くすべきだと言っているわけではない。客に不快な気持ちを与えるような、ドイツの悪いサービスを日本に持ち込む必要もない。ただ、私が提案しているのは、行きすぎと思えるサービスをなくすことだ。

 たとえば、私はパン屋で1個1個のパンを別々にビニール袋に入れてから、さらに大きな袋に入れることは、不必要なサービスだと思う。客の側がサービス期待度を下げることによって、社会の過剰サービスを減らし、より多くの人々が労働時間を減らしたり、現在より多くの有給休暇を取れるようにすることが必要ではないだろうか。

 しかし、日本では「労働組合が弱いために、(ドイツ人のように)1日10時間に制限された労働時間や、年に30日間の有給休暇など導入できるわけがない。市民にはそういった制度を変えられるわけがない」という声をよく耳にする。だが、まず企業や商店が過剰サービスをやめることによって労働者の負担を減らすことは、政治が変わらなくても可能なはずだ。これは民間レベルで行うことができる改革である。

 その意味で、一部の宅配業者が日曜日の配達をやめたり、小刻みな配達時間の指定を変え始めたりしたことは、大いに歓迎すべきだと思っている。消費者は1日くらい配達が遅れたからと言って、目くじらを立てるべきではない。我々消費者は、働く人々の生活の質にも思いを致すべきだ。つまり、我々消費者も企業への依存心や手厚いサービスを求める甘えの意識を変えることが求められている。そのためには、自分でできることは自分でやるという基本的な姿勢が重要だ。

 営業時間についても、日本は顧客の都合優先が当たり前になっている。たとえば日本のデパートや小売店では、閉店時間が過ぎても顧客がゆっくり買い物をしているのを見かけるが、ドイツではあり得ない光景だ。この国では閉店時間になったら、時間ぴったりに客が追い出されるのは常識になっている。デパートの閉店時間直前には入り口に警備員が立ち、シャッターを下ろす準備を始める。小売店でも閉店時間直前に入店する客は、店員からきつい目つきで睨まれる。店員も人間であり、早く家に帰りたいと思っているからだ。

 日本の、“顧客を優先する”慣習も客の都合を大事にする一種の「おもてなし」なのだろうが、従業員にとっては労働時間が長くなるだけである。我々は客として自分の都合ばかり考えていて、従業員の休む権利についてはほとんど考えない。本来、客は決まった営業時間の中で買い物を楽しむべきであり、従業員が休む権利も尊重すべきではないだろうか。

 みんなが自由時間を楽しめる社会をつくるためには、客も従業員に対するいたわりの気持ちを持つ必要がある。みんながちょっとした不便を我慢し、サービスに対する期待値を下げることによって、みんなの負担を軽くするのだ。こうした客側の意識改革は、「働き方改革」の中でも極めて重要なポイントになってくるだろう。

 まずは、日本の社会も、ドイツ人のような「頑張りすぎない、求めすぎない、ほどほどな暮らし」を肯定することが、お金に振り回されず精神的な豊かさを保つ第一歩につながるのではないだろうか。
https://diamond.jp/articles/-/193743  

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コメント
1. 2019年2月13日 10:30:55 : cVAEhHVUus : WTRmYlsvlEA[7] 報告
ドイツ人は余程のことが無い限り外食はしない、

我が国みたいにコンビニエンスストアとあまり遭遇しない
土曜日曜はお店も休み!
夜遅くまで営業しているお店が無い。
ゴミの分別に喧しい 慣れれば平気だけど…
キッチンを汚さない…とにかく簡単で手早くが大原則

こうみるとお金を使う場所や時間が少ないし無駄遣いも
しない。

お菓子とかもすごく質素なものが多いのには驚く!

日本も本来はこうあるべきなんだけどね。

2. 2019年2月13日 12:36:59 : ZzavsvoOaU : Pa801KbHuOM[272] 報告

アジアの中でも日本人は特に同調圧力に負け易く、

世間(他人)志向で他人依存の傾向が強い


それに対して、特にドイツなど北欧では、自律志向

それ自体は、問題ではないが

元々は日本は血縁・地域のコミュニティに大きく依存する社会だったのが

急速に、都市化が進み、そうした固定的なコミュニティが崩壊したのが最も大きい


結果として、不安定な自我を支えるために、ますます、

学歴や金、狭い人間関係など不安定で安心感が得られない評価に一喜一憂し

ムダな努力で疲弊することになる

そして、これは日本人に限らない話でもある


3. 2019年2月13日 12:41:32 : ZzavsvoOaU : Pa801KbHuOM[273] 報告

簡単に言えば、遠くの親戚も、近くの他人も、あまり生活に関係なくなり

単なるビジネス上のつながりや、SNSでつながった

見えない他人との不安定な関係ばかりが、どんどん大きくなっていったことの帰結でもある

4. 2019年2月13日 18:38:40 : aPd8HhulI2 : llWc5WIRbxw[222] 報告
勘違い 未だ豊かと 思い込み

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