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あまりに政治利権化しすぎた地球温暖化論議の「不都合な真実」
(川口マーン惠美 現代ビジネス 2020/8/21)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75043
■ ホッケースティック曲線とは何か
2001年、IPCCの第3次評価報告で、マイケル・マン(米ペンシルバニア州立大学教授・気象学)が作成した「ホッケースティック曲線」が、気候温暖化が起こっている証拠として大々的に取り上げられた。
なぜ「ホッケースティック」かというと、このグラフによれば、10世紀から19世紀の終わりまで地球の気温はほとんど変化せず、1900年ごろから突然上昇する。だから、そのグラフ曲線が、ホッケースティックを横に寝かせたように見えるのだ。
ただ、地球の温度が10世紀から19世紀まで変わらなかったというのは明らかな嘘か、良くても勘違いだろう。16世紀から18世紀まで異常な寒冷期があったことは古気候学ではすでに知られている。
IPCCというのは、日本語の正式名は「気候変動に関する政府間パネル」で、気象庁のホームページによれば、以下のようになっている。
「人為起源による気候変化、影響、適応及び緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として、1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)により設立された組織」
つまり、IPCCは国連に属する組織であり、世界の気候の専門家が集まっている。なのに、なぜかこのような誤った報告が取り上げられてしまったのだ。
物理学者で、温暖化問題の第一人者杉山大志氏によれば、「10世紀から14世紀にかけてはバイキングが活動する『中世温暖期』があり、また17世紀から19世紀にかけては世界各地で氷河が発達する『小氷期』があったことが古気候学者に広く知られていた」という。
だから当然、マンのホッケースティック曲線は激しい反論を呼び起こし、結局、IPCCもその後、中世の北半球は今と同じくらい暑かったことを、はっきりと認めた。ただIPCCは、「2001年報告が誤りだったとは言わずに、(第4次評価報告では)淡々と違う図が報告された」と杉山氏は、著書『地球温暖化問題の探究』に記している。
つまり、ホッケースティック論は静かに消えた。そして、消えたにもかかわらず、一般の人々の頭の中にはこの図だけが鮮明に残った。これが名だたる科学者たちの揃った世界的機関のやることだろうか?
■ 証拠資料も出せない研究なのに
ところが、静かにフェードアウトしていたはずのホッケースティック論が、2019年になって、またちょっと話題になった。マンのホッケースティック曲線は改ざんだと声高に批判したカナダの地理学者ティム・ボール教授を、2011年、マンが名誉毀損で訴えていた裁判が、不起訴となったからだ。
正確にいうなら、時間切れになったのだが、その理由は、裁判所がマンに提出を求めていたホッケースティック曲線の根拠となった資料を、マンが出さなかったため。マンは、他の仕事で忙しいという理由をあげたが、本当は、ボールが1938年生まれで高齢のため、時間稼ぎをしていたとも言われる。
裁判官は、マンの態度を許しがたいものだと思っていたと伝えられるが、結局、マンに訴訟費用の全額支払いを命じ、この件は去年の9月に不起訴となった。
つまり、マンのホッケースティック理論は、証拠の資料も出せないような研究だということなのだが、こともあろうにマンはそれを、あたかも自分の勝訴のように言いふらし、それどころか、すぐさま目くらましに出た。
「自由世界の覇者は、トランプではなく、グレタ・トゥンベリである!」
「かつて指導者はホワイトハウスの執務室にいた。しかし今、指導者は何千人もの同年齢の若者に囲まれて、この惑星を守るための行動を要求し、自分たちと、そして、未来の人々のために戦っている」
「子供たちよ、行動を続けよ。そして、リードしてくれ。我々の惑星の将来より大切なものはない」
マンは、政治も世論も自分の味方だと確信しているらしい。
確かに、2019年12月、新しくEUの欧州委員長となったフォン・デア・ライエン氏(ドイツ人)は、就任早々「気候非常事態」を宣言し、CO2削減対策をEUの一番重要な政策の一つに入れた。メルケル首相もことあるごとに、人間が産業活動で排出したCO2が地球の気温を上げたと言っている。
それどころか、グレタ・トゥンベリの「このままでは10年後に取り返しのつかない事態になり、地球が滅びる」という主張にも、多くの政治家は異議を差し挟まない。
しかし、CO2排出量と温暖化は無関係ではないが、それについては大きな誤差を持ってしか言えないとする学者は多い。ホッケースティック論争で不明瞭な態度をとり続けたIPCCだが、彼らとて、地球温暖化予測に関する大きな不確実性は認めている。
■ 政治利権化しすぎたCO2論議
昨年は、オランダ人のGuus Berkhout教授(デルフト大学)が、国連のグテレス総長に宛てて、気候変動による地球の危機など起こっていないということを訴えた公開書簡(9月23日付)を出した。
そこには、「現在の国際政治で広く使われている気候モデルは、その目的のためには不適切なものである。このような未熟なモデルに基づいて、何兆ものお金を無駄にすることは、間違いであり、賢明でない」と記され、多くの科学者が署名している。
https://www.technocracy.news/climate-scientists-write-to-un-there-is-no-climate-emergency/
気候の変動は20世紀の前半(1910〜40年)にも起きている。原因はわからない。自然変動だと言われているが、自然変動の原因も、太陽放射、エルニーニョなどいくつもあるからだ。
米ウィスコンシン大学ミルウォーキー大学の気象学のAnastasios Tsonis教授は、ここ100年余りの気候を次のように分けている。
第1期 1880年から1910年まで:寒冷期
第2期 1910年から1943年まで:急激な温暖化
第3期 1943年から1976年まで:緩慢な寒冷化
第4期 1976年から1998年まで:急激な温暖化
第5期 1998年以降:ほぼ停滞
もう少し長期で見ると、15〜19世の小さな氷河期にはロンドンのテムズ川がよく氷結したという記録もある。ただ、もっと長期で見ると、2万年前から現在にかけての氷期から間氷期への移行で地球の温度は大幅に上がり、最近の1万年程度は安定しているという。
つまり、人間が、「何だかこの頃、毎年暑くなっている」と感じたからといって、地球の温度変化を察知しているなどとは言えない。ましてや、少々CO2を減らしたとて、おそらく地球の温度には影響しないのではないか。
ただ問題は、EUの為政者も、環境保護者も、そんなことは百も承知でやっているらしいことだ。
アメリカでCO2人為説を盛んに唱えていたのはヒラリー・クリントンだった。そして今は、EUのフォン・デア・ライエン欧州委員長(ドイツ人)。彼女の虎の子「グリーン・ディール」は、ここのところコロナ騒動で霞んでしまったため、最近、また、皆にそれを思い出させようと活動が盛んになってきた。
現在のCO2論議は、あまりにも政治的だ。政治が介入すると、研究結果まで偏ってくるという。政治が望まない研究結果を出しても、学会誌にも取り上げられず、そのあとの研究費も期待できないからだ。
一方、環境問題は今後、発展途上国の工業化につれて、どんどん深刻になっていくだろう。しかし、ガソリン車を減らし、肉を断食して地球の温度を下げようという話には、私はついていけない。
CO2削減を利権にするのはもうやめて、そろそろ本当の環境政策を科学的にやってほしいと思う。
-------(引用ここまで)------------------------------------------
いつもトンチンカンなことを書いて厳しく批判されている川口マーン惠美氏だが、
この記事の主張はまともである。
というか、原子力大推進派の彼女さえ、地球温暖化議論のデタラメに
あきれ果てているということだろう。
IPCCは原子力産業を支配するロスチャイルドらによって設立された御用機関である。
IPCCのメンバーの大半は気象の専門家ではなく原子力ムラの人間たちであり、
地球温暖化をデッチ上げ、CO2を放出しない(と彼らが主張する)原子力を推進するのが
目的である。
気象学の専門知識がない茅陽一、谷口富裕といった原子力の重鎮が、
IPCCの座長やら副議長をやっていることからしてもそれは明らかである。
最初から「地球は温暖化している」という結論が決まっていて、それに好都合だけのデータだけを
取捨選択、あるいは捏造していることがクライメートゲート事件で明らかになった。
彼らのやっていることは似非科学であり、科学ではない。
事実を無視して、最初から結論が決まっている議論は科学とは呼べない。
ホッケースティック曲線のデタラメが暴露されて困った彼らは、今度は発達障害の少女に
地球温暖化の恐怖を吹き込んで洗脳し、オピニオン・リーダーに仕立て上げた。
しかし原子力ムラの操り人形であることはすでにバレている。
プーチン露大統領もトランプ米大統領も彼女の正体を知っているから相手にしていない。
その設立の目的からして、IPCCに科学的議論を求めても無理というものだ。
こんなインチキ組織は有害無益、すぐに解散させるべきだろう。
(関連情報)
「広瀬隆『二酸化炭素温暖化説の嘘が警告する地球の危機』 (AERA dot.)」
(拙稿 2019/8/30)
http://www.asyura2.com/19/genpatu51/msg/841.html
「IPCCのメンバーは原発ムラの連中ばかり」 (拙稿 2014/3/26)
http://www.asyura2.com/14/genpatu37/msg/173.html
「まだ初冬なのに世界各地で記録的な大寒波 いよいよ小氷河期に突入か どうするグレタ?」
(拙稿 2019/12/17)
http://www.asyura2.com/19/genpatu52/msg/338.html
「ウラン利権を支配するロスチャイルド家 原子力推進のため、アル・ゴアの次は
グレタ・トゥーンベリを利用して煽動」 (拙稿 2019/9/28)
http://www.asyura2.com/19/genpatu52/msg/138.html
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