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「原発処理水環境放出提案 広がる反発」(ここに注目!)/水野倫之・nhk
2019年12月24日 (火)
水野 倫之 解説委員
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/417922.html
福島第一原発の処理水について、水野倫之解説委員の解説。
イラスト、原発を漁業者が取り囲んでいるが、経済産業省が示した処分案の中には、漁業者が反対し続けてきた海への放出も含まれているから。
汚染水からは放射性のトリチウムは取り除くことができず、すでに117万tの処理水がたまり、2022年夏にタンクが満杯になる見通し。
そこで経産省がきのうの専門家会合で示したのが、
▽海水で薄めて海へ放出する、
▽煮詰めて水蒸気にして大気中に放出する という2つの環境放出処分案。
経産省はほかにも地下に埋めたり、敷地を拡げて長期保管することを検討したものの、実績が無かったり、許可を得るのが難しいと説明。
これに対し海洋放出は世界中の原発で普段から行われ、大気放出も実績があること。
また被ばく影響の試算では海洋放出で年間最大0.62μSv、大気放出で1.3μSvと、人が自然界で受ける2100μSvを下回って影響は小さいため、環境放出が合理的だという。
でもこの環境放出案、風評被害など社会的影響が大きくなる点をはっきり示していない点が大きな問題。
福島の漁業、水揚げはいまだに事故前の2割にも満たない厳しい状況で、今、環境放出されれば、「また海へ放出された」点が強調されて全国に伝わり、壊滅的な打撃を受けるおそれを漁業者は懸念。
今後は専門家会合の議論を参考に、最終的には政府が関係者の意見も聞いて処分方法を決める方針。
ただどんな方法をとるにせよ、風評被害は抑えなければ。そのためには、福島の魚などを買う全国の消費者に政府が説明しておく必要があるが、取り組みはまだ不十分。
今後、消費者団体などに丁寧に説明して、理解が得られるか見極め判断していくことが必要。
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