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最初から、やれるはずがなかった、排気筒の自動切断
福島第一の排気筒 人力で切断着手 作業員被ばくリスク (東京新聞2019年12月3日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201912/CK2019120302000242.html
東京電力は三日、福島第一原発1、2号機建屋脇に立つ排気筒(高さ約百十メートル)を、人力で解体する作業を始めた。筒本体を輪切りにする遠隔操作の切断装置が不具合で使えなくなったためで、八月に始まった解体は、作業員が被ばくのリスクを負う人力に頼ることになった。
東電によると、三日午前七時すぎ、作業員三人が乗ったかごがクレーンで高さ百十メートル付近までつり上げられ、筒頂部の切断装置に乗り移った。装置の発電機が燃料切れのため、作業員は軽油百リットルを補給した。
計画では筒外周に設置されている足場の状況を確認後、足場の下にある筒本体の切断面に沿って、ディスクグラインダーという充電式電動工具で切る。解体は二十三ブロックある工程の四ブロック目まで進んでおり、切断装置で切りきれなかった一・三メートル分を人力で処理する。
作業員は顔全面を覆うマスクと防護服、火花で燃えない服も着用。約一時間の作業で〇・一ミリシーベルト程度の被ばくが避けられない。
排気筒解体は頂部から筒本体を二〜四メートルずつ輪切りにしていき、来年三月までに高さを約六十メートルにする予定だが、トラブル続きで遅れている。
福島第1廃炉、燃料搬出31年までに完了 工程表改定
デブリ取り出し、21年から2号機で (日経 2019/12/2)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52846240S9A201C1AM1000/
政府は2日、東京電力福島第1原子力発電所の廃炉に関する会合を開き、廃炉工程表の改定案を示した。
建屋内のプールに残る使用済み核燃料を2031年末までに全て取り出す目標を新たに掲げた。事故後30〜40年とする廃炉の完了時期は維持した。
廃炉作業で最難関とされる溶融燃料(デブリ)の取り出しは21年に2号機から始める。ただ既に工程に遅れが生じ、直近ではトラブルが相次いでいる。
11年の東日本大震災の影響で福島第1原発は1〜4号機で水素爆発や炉心溶融(メルトダウン)を起こした。東電は11年12月に政府が作った廃炉工程表に基づいて廃炉作業を進めている。工程表は約2年に1度改定しており、17年9月以来となる。費用は廃炉だけで約8兆円と政府は試算している。今回、41〜51年までの廃炉完了時期は維持した。
廃炉作業は放射性物質のリスクを低減するためプールに残る使用済み燃料とデブリの取り出し、さらに汚染水対策を主要な柱にしている。
改定案は1〜6号機の原子炉建屋のプールに残る使用済み燃料を31年末までに取り出すことを明記した。当初は炉心溶融した3号機からの燃料取り出しは14年末に始める予定だったが、約4年遅れの今年4月に始まった。炉心溶融に至らなかった4号機ではすでに全量を取り出している。
廃炉で作業が最も難しいとされるデブリの取り出しは21年にまず2号機から始める。1〜3号機では、原子炉圧力容器やその外側の格納容器にデブリがたまっている。総量は900トン程度と推計されているが、詳細な量や成分は分かっていない。放射線量が高く人が近づくことはできないため、作業は遠隔となり難航が予想される。
日々発生している放射性物質に汚染された水を巡っては、発生量を現在の1日平均170トン(18年度)から20年中に150トンに減らす目標を掲げてきた。改定案では発生量を最小限に抑える方針を示したが追加の数値目標は出さなかった。
個別の工程は当初計画より遅れているものも多い。3号機の燃料取り出しの遅れのほか、足元でもトラブルが頻発している。
8月に始まった1、2号機の排気筒解体では、装置のトラブルなどでたびたび作業が中断した。排気筒下にある汚染水をためる箱からは、一部が地中に漏れ出た恐れが出ている。予定通り廃炉を終えられるかは不透明だ。
毎時数十シーベルトの凄まじい放射線が出ているフクイチ排気筒の切断をロボットで行うと聞いたとき、私は「日本に、そんな技術があるわけがない」と思っていた。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-825.html
私はプラント検査の経験があり、原発の建設技術は、おおむね見当がつく。人間には、やれることと、やれないことがある。
https://www.asahi.com/articles/ASM5805MFM57ULBJ00Y.html
巨大地震による破壊をまったく想定しない、保育園児程度の稚拙な、サッカリンのように甘い危機意識で実行されてしまった原発建設は、本当に巨大な地震破壊が起きたとき、対策などまったく存在しない。
日本の原発政策は、トイレさえ作らないまま、つまり未来のことを一切考えないで、核兵器欲しさに突っ走ったのだ。
だから、何もできないまま、破壊された状態で、環境による浸食と放射能放出を続けるしかない運命なのである。
一昨日のニュースは、とうとう自動切断装置が動かなくなり、切り残した部分を人間が上がって切断したといいう。
切断装置は、23ブロック中、わずか4ブロックを切断したにすぎないと書かれている。
今回、三名の作業員が、1.3メートルを手作業のディスクグラインダーで切断したというが、全体の長さは、おそらく周囲30メートル以上はあるはずだ。
決して、切り残した部分を全部、切断したわけではない。
仮に煙突の直径を10m前後とすれば、周径は30m以上あり、自動切断装置は5m程度しか切断していないはずだ。
そのうちの1.3mを、人間が代わって手動グラインダで切断したのである。
自動切断装置は、何の使用実績もないまま、今回思いつきのアイデアで使われたもので、当然、故障すると私は思っていたが、まさか、作動不能になった後に、神風特攻隊が編制されて、死を覚悟で突撃するとは予想していなかった。
排気筒は、ガンマ線量が10シーベルト=そこに30分もいれば100%死んでしまう線量が出ていたのだ。
作業にあたった人は、高額の作業対価をもらったのだろうが、仮に作業時間が1時間としても、今でも毎時数シーベルトあるはずのガンマ線に被曝し、ほぼ間違いなく、1シーベルトに近い被曝を受けたはずだ。
法定の被曝許容量は、5年間で100ミリシーベルト、年間50ミリシーベルトに抑えなければならない明確な規制がある。
https://www.jaish.gr.jp/information/bousai11gatu.pdf
しかし、排気筒切断作業は、ガンマ線に対する防護は一切なく、放射線粒子の防護服とマスクだけの軽装で作業している。
50ミリシーベルトで、すむはずがない。たぶん1000ミリシーベルト近い致死的被曝を受けていて、彼ら三名の余生は奪われたと予想している。これから地獄の日々がやってくる。
彼らは、被曝の恐ろしさを知らされないまま、高額の作業賃金を目当てにやってしまったのだろうが、これは完全な犯罪である。
私も放射線取扱主任者だから分かるが、こうした被曝は、現場の放管(放射線管理者=取り扱い主任者)が責任を負う仕組みになっている。
今回の作業が、もし50ミリシーベルトを超える被曝を作業者に与えた場合、3年以下の懲役、300万以下の罰金であり、事態の悪質性から、おそらく放管免許の剥奪になるだろう。
もっとも、これまでの東電の凄まじい放射線管理法違反の洪水で、一度として管理者や放管の摘発が行われたことはない。
国は、小さな違反、例えば火災報知器の微量のアメリシウムを保有していたという屁理屈で、逮捕送検はしても、人々を数千万人も殺す、巨大な放射能汚染を引き起こしても、一切摘発しないのである。
排気筒の一部を人力切断した理由は、そのまま放置した場合、台風・地震などで自動切断装置の破壊、崩壊による大規模な放射能汚染という深刻な二次災害を引き起こすことを怖れてのことであり、排気筒切断工作を進める目的ではない。
むしろ、フクイチ排気筒工事は永久に不可能になったと見るべきだろう。
今後、今回の作業員に深刻な被曝障害が出ることが避けられないからだ。
私は、最初から、こんな結末になることは、十分すぎるほど分かっていた。
フクイチの始末は、とりあえず、石棺しかなかったのだ。
さて2020年までに完了する予定だった、2号機の核燃料取り出しを、国は数日前に、2031年と、11年先延ばしにした。
これも、私は「絶対に不可能」と最初から分かりきっていた。
世界中、人類の叡智を総動員しても、メルトダウン事故を起こした核燃料集合体を取り出せた例はなく、これからも不可能であろう。
まして、核燃料のトイレさえ作る能力がなかった日本がやれるはずがない。
これまで、ソ連・米国でメルトダウン事故があったが、チェルノブイリでは石棺が作られ、永久に核燃料が取り出せる展望は存在しない。
スリーマイルでは、90年に核燃料デブリが取り出されたことになっているが、これはまったく信用できない。なぜなら、未だに原子炉がそのまま、残されて監視されているからだ。本当に取り出したのなら、原子炉の撤去も行われているはずだ。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201903/CK2019032702000136.html
これも、作業工程が複雑すぎて、自動化プログラムの適用は不可能であり、やるとすれば人力しかなく、その場合は、排気筒切断作業と同じで、致死的な被曝を伴うのである。
こうしたプロセスは、プラント建設に携わってきた設計者や、検査者、作業者なら、だいたい想像がつくもので、たぶん、そうした想像力の働く人たちの誰一人、2020年デブリ取り出しなんて信用した者はいなかっただろう。
メルトダウンを起こした原子炉は、石棺化以外の対策は存在しない。核燃デブリ取り出しなんて、とんでもない夢物語である。
私が、持てる技術や想像力のすべてを動員しても、4000度で溶融混合した核燃ペレットを、細断して運び出す方法など思いつかない。1986年に事故を起こしたチェルノブイリ原発でさえ、まだ核燃は毎時数十シーベルトの放射線を出していて、人が近づくことさえできないのだ。
もし、近づいて何らかの作業が可能になるとすれば、それは300年後である。
国が、一生懸命、できもしないホラ話をしたがるのは、原発の再稼働を否定する世論が醸成されることを怖れてだけであり、事故を起こした核燃料が処理可能であると、ウソをつき続けたいだけのことだ。
トラブル時の管理能力がないまま、核兵器欲しさに突っ走った愚かな原子力発電の成れの果て 東海アマブログ
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-955.html
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