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福島沖クロソイから54(Bq/kg)のストロンチウム、過去最高
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2019/09/23(月) 19:47:10 めげ猫「タマ」の日記
東京電力は福島第二原発沖2km付近でとれたクロソイから1キログラム54ベクレルのストロンチウム90が見つかったと発表しました(1)。厚生労働省の発表している基準(3)に照らせば危険ともいえるレベルです。でも、福島県は福島産クロソイの放射性物資を測定し「安全」を確認したと喧伝しています(4)。
厚生労働省は食品のセシウム以外の放射性物質の検査は不要だと説明しています。
「放射性セシウム以外の核種(ストロンチウム90、プルトニウム、ルテニウム106)は、測定に時間がかかるため、移行経路ごとに各放射性核種の移行濃度を解析し、産物・年齢区分に応じた放射性セシウムの寄与率を算出し、合計して1mSvを超えないように放射性セシウムの基準値を設定する。」
と主張しています(3)。言い換えれば、ストロンチウム90はセシウムに対して一定の割合を想定して取り込んでいるとの説明です。でも、割合がどの程度かは記載がありません。資料から算出するしかありません。当該資料はセシウムだけなら1キログラム当たり120ベクレルまで安全だとしています。20ベクレルがストロンチウム90分です。
セシウム137を1ベクレルを取り込むと0.013マイクロシーベルト
ストロンチウム90を1ベクレル取り込むと0.028マイクロシーベルト
被ばくします(5)。
セシウム137が20ベクレルは0.26マイクロシーベルト(0.013×20)
の被ばくに相当します。
0.26ベクレル被ばくするストロンチウム90の量は9.3ベクレル(0.26÷0.28)
です。厚生労働省が想定しているストロンチウム90の「存在比率」、セシウムの10%です。
厚生労働省の資料(3)は2012年4月に改定となった基準値を説明するためにつくらてたものです。今でもそうですが、その時点でも福島産のストロンチウム90はあまり測定されていませんでした。どこのデータを持ってきたかは記載されていませんが、福島事故でなくそれ以前のデータです。核実験(6)かチェルノブイリ事故(7)か、あるいは両方のデータを使ったとは思います。でも、核爆弾と原子炉では基本的な構造が違います。チェルノブイリと福島では条件が違います。チェルノブイリは黒鉛炉ですが(8)、福島第一は軽水炉です(7)。原子炉の形式が違います。チェルノブイリは内陸にありますが(7)、福島第一は海岸にあります(9)。
ウラン235が核分裂をすると概ね6%がセシウム137ないしはストロンチウム90になります。半減期は共に概ね30年(セシウム137が30.17年、ストロンチウム90が28.9年)であり(10)、放射能の量の単位であるベクレル(Bq)は生成される原子数と半減期で決まります(11)。ストンチウム90とセシウム137が核分裂で作られる割合と半減期がほぼ同じなので、発生する放射能はほほ同じです。これがストロンチウム90だけ「移行経路」で10分の1になるというのが厚生労働省の説明です。
福島と過去の放射能漏れないしは放出事故では条件が違います。「移行経路」は福島の条件で確認されるべきです。事故から8年半以上が経過したので時間はあったはずです。しかしこうした調査を(=^・^=)は知りません。
福島第一原発では海岸に5本の井戸が設置されています。海に汚染水が流れ出す前にこの井戸から地下水をくみ上げています(12)。ただし全てを汲み上げているかは不明です(13)。
海岸付近の地下水を汲み上げる地下水ドレン
※1(12)に加筆
図―1 地下水ドレン
これを東京電力は地下水ドレンと呼んでいます(12)。以下に汲み上げた地下水の放射性物質濃度を示します。
ストロンチウム90がセシウム137比べ格段に多い地下水ドレン汲み上げ水
※(14)による
図―2 地下水ドレンの放射性物質濃度
図に示す様にセシウムは殆ど見つからないのに、ストロンチウム90は確り見つかっています。福島にはストロンチウム90だけが流出する「移行経路」があります。
東京電力は福島第二原発沖2km沖で、福島第一原発から10km以上離れた海でとれたクロソイが1キログラム当たり54ベクレルのストロンチウム90が見つかったと発表しました(1)。
東京電力が検査したクロソイ
※(1)を引用
図―3 過去最高のストロンチウム90が見つかったクロソイ
以下に福島第一20km圏内のストロンチウム測定結果を示します。
事故から8年半以上が過ぎて過去最高を記録する福島県沖の魚のストロンチウム90
※(1)および(15)(16)の3ヶ月毎の<福島第一原子力発電所20km圏内海域>201*年度 第*四半期採取分を集計(*は数字)
図―4 福島県沖魚のストロンチウム90計測結果
図に示す様に過去最高です。事故から8年半以上へて事故後の最高値が出て来ます。この魚はすでに1キログラム当たり101.7ベクレルのセシウムも見つかっています(1)。食品のセシウム基準値は1キログラム当たり100ベクレル(2)で基準超ですが、厚生労働省は有効数字2桁で四捨五入してから基準値と比較するように指示しています(17)。有効数字2桁で四捨五入をすれば100ベクレルになり、基準値以下になるそうです(1)。ただし、基準値ギリギリです。すでに記載のとおりこの場合は厚生労働省が想定しているストロンチウムは1キログラム当たり9ベクレルで、54ベクレルはこれを大きく超えます。厚生労働省の発表している基準(3)に照らせば危険ともいえるレベルです。
現在、福島第一原発から10km以上離れた海域では漁が行われています(18)。このクロソイも捕獲され、流通する可能性がありました。でも、福島県は
「福島県では次の農林水産物の放射性物質を測定し、安全であることを確認しました。」
との一文の下に215種の海産魚介類を記載しており、中に「クロソイ」も入っています。福島県は安全とは言えない「クロソイ」を「安全」と主張しています。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
安全とは言えない福島産クロソイを「安全」強弁する福島県では福島の皆様は不安だと思います。
福島県鏡石町の田んぼアートが見ごろをむかえました(19)。同町は米作が盛んなようです。福島のお米はおいしいとの事です(20)。福島県は福島産米は「安全」だと主張しています(21)。でも福島県鏡石町のスーパーのチラシには福島産米はありません。
他県産があっても福島産米が無い福島県鏡石町のスーパーのチラシ
※(22)を引用
図―5 福島産米が無い福島県鏡石町のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県鏡石町の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-3027.html
(1)周辺の分析結果ー分析結果 - 廃炉プロジェクト|データ|東京電力ホールディングス株式会社⇒魚介類の分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域>⇒11日<福島第一原子力発電所20km圏内海域>2019年度 第1四半期採取分
(2)食品中の放射性物質への対応|厚生労働省
(3)(2)中の「食品中の放射性物質の対策と現状について [1,434KB] 」
(4)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ⇒海産魚介類 [PDFファイル/233KB]
(5)めげ猫「タマ」の日記 ベクレルとシーベルト
(6)核実験 - Wikipedia
(7)チェルノブイリ原子力発電所事故 - Wikipedia
(8)黒鉛炉 - Wikipedia
(9)福島第一原子力発電所 - Wikipedia
(10)核分裂反応 - Wikipedia
(11)ベクレル - Wikipedia
(12)汚染水対策の状況 - 廃炉プロジェクト|廃炉作業の状況|東京電力ホールディングス株式会社
(13)2015年1月16日(いわき市漁協組合員説明会資料)海洋汚染をより確実に防止するための取り組み(PDF 2.21MB)
(14)X.地下水 - 廃炉プロジェクト|データ|東京電力ホールディングス株式会社⇒地下水ドレンポンド⇒CSV
(15)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果|アーカイブ|東京電力
(16)福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果アーカイブ|データ|東京電力ホールディングス株式会社
(17)(2)中の食品中の放射性物質に係るっ基準値の設定に関するQ&Aについて⇒食品区分や検査に関する Q&A⇒46
(18)福島県における魚介類の試験操業に関するポータルサイトです⇒対象海域
(19)かがみいし2019田んぼアート|鏡石町公式ホームページ[福島県]
(20)食の宝庫ふくしま | ふくしま満天堂(ふくしまプライド。)
(21)全量全袋検査に関するよくある質問 - 福島県ホームページ
(22)鏡石店 – イオンスーパーセンター公式ウェブサイト
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