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福島原発事故刑事裁判、全員無罪、これでは原発の安全は確保できない。
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2019/09/20(金) 19:42:00 めげ猫「タマ」の日記
福島原発事故の刑事責任を問う裁判で、被告全員に無罪判決がでました(1)。これで福島原発事故で個人で責任を問われた方がいないことになるいます。これでは原発の安全は確保できません。
地球の中心はから「核」「マントル」「地核」からなります。核は極めて高温であり、上のマントルを温めます(2)。するとマントルが対流し、マントルの上側に流れができます。
マントル対流
※(3)を加筆
図―1 地球の内部構造とマントル対流
この対流によってマントルの最上部や近くが動き出します。これをプレートと呼びます。複数のプレート地球表面は覆われています(4)。
地球表面を覆うプレート
※(4)引用
図―2 地球表面を覆うプレート
そして、プレートどうしがぶつかったり、すれ違ったり、 片方のプレートがもう一方のプレートの下に沈み込んだりしています。この、プレートどうしがぶ つかっている付近では強い力が働きます。この力により地震が発生すそます(5)
プレート同士がずれて起こる地震
※(6)を引用
図―3 プレート運動の模式図
プレート境界では地震が多発しています。
プレート境界に多い地震
※(5)を引用
図―4 プレート境界で多発する地震
以下に日本付近のプレートを示します。東日本は北アメリカプレート上にあり、東側は太平洋プレート、西側がユーラシアプレートです。ただしユーラシアプレートの移動速度が年間1cm程度に対し、太平洋プレートは8cmです。その分だけ、早めに歪が溜り太平洋プレートとオホーツクプレート境界ではユーラシアプレートの境界に比べ地震が発生しすくなっています。
※(5)を引用
図―5 東日本太平洋側で多発する地震
福島第一、第二原発は日本で最も地震に遭いやすい場所に立地しました。
図―4に示すように地球表面は何枚かの固い岩盤(「プレート」と呼ぶ)で構成されており、このプレートが、海溝に沈み込む事による重みが移動する主な力になり、対流するマントルに乗って互いに動いていると説明する理論をプレートテクトニクスと呼びます(7)。
この説が確立したのはわりと最近です。
1912年にドイツの気象学者アルフレート・ヴェーゲナーが大陸は地球表面上を移動してその位置や形状を変えるという大陸漂移説を提唱しました。しかし、なかなか受け入れられませんでした(8)。「大陸が移動するための機構・力が何であるか説明できない」ためです(9)。1950年代末に、地層のなかの岩石の残留地磁気から、昔の磁極の方向を各大陸ごとに求めたところ、古くなるほどずれが出てきました。また、中生代以前では平行移動する場合が多いこともわかったのです。これは、中生代以前には各大陸が一緒に行動していたという、直接的な証拠になりました(10)。 1958年、オランダの地球物理学者フェリックス・ベニング・マイネスが地球上の造構造作用をこの立場から論じたのに始まり、海洋底拡大説へ発展した。さらにプレートテクトニクスやプルームテクトニクスが提唱されるようになった(9)。そして1960年代に発展しました(7)。そして最終的には1980年代後半に大陸移動の実測が可能になり、多くの大陸が年数センチという速度で移動していることが明らかになりました(8)。プレートテクトニクスが一般に広く知られるようになったのは1973年に刊行された小松左京氏によるSF小説「日本沈没」だと思います(11)(12)。
太平洋岸プレート境界で溜まる地震エネルギー
※(13)を引用
図―6 東北太平洋沖地震エネルギー蓄積状況を模式図
プレートの概念が確立したことで、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込んでいる海溝で両者の境界が歪みを受けて地震が起おきる海溝型地震(14)の概念が明らかにできたはずです。地震の大きさを示す指標に検索に移動モーメント・マグニチュード(以下Mwと略す)があります。数値が多きい程大きな地震です(15)。
1950年以降に、起こった超巨大地震はカムチャツカ地震(1952年、Mw8.8−9)、アリューシャン地震(1957年、Mw8.6−9.1)、チリ地震(1960年Mw9.2−9.5)、アラスカ地震(1964年、Mw9.1−9.2)、スマトラ沖地震(2004年、Mw9.1−9.3)、チリ・マウレ地震(2010年、Mv8.8)、東北太平洋沖地震(2011年Mv9.0)があります(16)。カムチャツカ地震(17)、アリューシャン地震(18)、、チリ地震(19)、アラスカ地震(20)、スマトラ沖地震(21)、チリ・マウレ地震(22)、東北太平洋沖地震(13)は全て「海溝型地震」です。大きささは東北太平洋沖地震のMv9との比較で見てください。ただし、チリ辺りの地震以外は従前に起きた記録がありません(16)。海溝型地震が起こり得る場所では東北太平洋沖地震と同程度の起こり得ると考えても良いとはずです。
福島第一原発は最も地震が起こりやすい場所に立地しています。福島第一原発は1960年に福島県が東京電力に対し、双葉郡への原子力発電所誘致の敷地提供をする旨を表明し、1961年に福島県大熊町、双葉町が議会にて原子力発電所誘致促進を議決することではじまりました。そのころから調査が開始されたともいます。この時点ではプレートテクトニクスは確立されていないのは、これまでに記載の通りです。1966年に1号機の設置許可がなされ、1971年に1号機の運転が始まりました(23)。
プレートテクトニクス理論は現在では地震の想定に欠かせない理論です。でも、この理論は福島第一原発が計画・建設された1960年代は黎明期で完成はしていませんでした。
東電子会社は08年3月、津波高「最大15.7メートル」と試算。海抜10メートルの原発敷地を優に超える数字で、東電幹部らは同年6月、当時原子力・立地本部副本部長だった武藤栄被告(69)に報告しました(24)。プレートテクトニクスによって「海溝型地震」を想起できるようになりました。1950年代以降の超巨大地震はすべて「海溝型地震」です。チリで起こった地震を除き、超巨大な「海溝型地震」が同じ場所で起きた記録はないようです(16)。たとえば東北は蝦夷の地であり、7世紀くらいまでは大和朝廷と独立していました(24)。それ以前の記録は乏しいはずです。それなら、起こり得る地震のタイプを想定し、同タイプの地震の最大規模を調べてれば東北太平洋岸の日本海溝付近でも東日本太平洋沖地震と同規模のMw9程度の想定できたはずです。プレートテクトニクスを考えれば15.7メートルの津波は十分起こりえるものです。
福島第一原発事故では、旧経営陣3人が強制起訴されました。そして9月19日に判決がでました。判決は、3人が10メートルを超す津波の情報に接したのは08年6月〜09年2月ごろで、それから浸水対策や高台への施設移転などの工事を始めても東日本大震災までに完了したか明らかでないと指摘。事故を防ぐには11年3月初旬までに運転を止めるしかなかったが、生活・経済を支える原発の「有用性」を踏まえれば、その判断にはあくまで当時の安全基準に基づいた慎重な検討が必要、判決は15.7メートルの津波試算の元なった長期評価について「具体的な根拠がなく、専門家から疑問が示され、自治体の防災計画にも反映されないものだった」と指摘。予見可能性を生じさせる情報だったとはいえず、大きな影響を生じさせてまで運転を止める判断をするには相当の困難があったとした。3人全員が無罪になりました(1)。
旧経営陣3人の無罪を報じる福島県の地方紙・福島民報
※(25)を9月20日に閲覧
図−7 旧経営陣3人の無罪を報じる福島県の地方紙・福島民報
国家が個人に刑罰を科す以上、有罪の立証には厳密さが求められます。原発は巨大なシステムです(26)。安全には多くの方が係ります。その分だけ事故が起こった時の一人一人の責任は曖昧になります。今回の無罪判決が現行法では、原発が事故を起こしても個人の責任を問うことが出来ない事を示しました。責任を問われないなら、安全に手を抜く方が出て来ても不思議ではありません。これでは原発の安全は確保できません。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
今、福島や福島産は安全され、これを避ける行為は「風評被害」として批判されます(27)(28)(29)(30)。もし、後で安全でない事が分かっても、「安全」を主張された方は個人としての責任は問われません。これでは福島の皆様は不安だと思います。
福島を代表する農畜産物に牛肉があります(31)。郡山市の牛の飼育頭数は6,702頭で福島県随一です(32)。同市の牛肉はうねめ牛というブランド牛です(33)。福島県は福島産牛肉は「安全」だと主張しています(34)。でも、福島県郡山市のスーパーのチラシには福島産牛肉はありません。
他県産はあっても福島産牛肉が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
※(35)を引用
図―3 福島産牛肉が無い福島県郡山市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県郡山市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-3025.html
(1)東電会長ら旧経営陣3人に無罪判決 原発事故で強制起訴:朝日新聞デジタル
(2)地球の構造 - Wikipedia
(3)マントル対流説 - Wikipedia
(4)プレート - Wikipedia
(5)気象庁 | 地震発生のしくみ
(6)No.14-1
(7)プレートテクトニクス - Wikipedia
(8)大陸移動説 - Wikipedia
(9)マントル対流説 - Wikipedia
(10)プレートテクトニクスの話
(11)日本沈没 - Wikipedia
(12)映画「日本沈没」と地球科学に関するQ&Aコーナー(減災への取組) : 防災情報のページ - 内閣府
(13)東北地方太平洋沖地震 - Wikipedia
(14)地震 - Wikipedia
(15)モーメント・マグニチュード - Wikipedia
(16)超巨大地震 - Wikipedia
(17)カムチャツカ地震 - Wikipedia
(18)アリューシャン地震 (1957年) - Wikipedia
(19)チリ地震 (1960年) - Wikipedia
(20)アラスカ地震 - Wikipedia
(21)スマトラ島沖地震 (2004年) - Wikipedia
(22)スマトラ島沖地震 (2004年) - Wikipedia
(23)福島第一原子力発電所 - Wikipedia
(24)原発事故前の大津波予測可能性、「長期評価」の信頼性が鍵 東電旧経営陣に19日判決 | 河北新報オンラインニュース
(25)福島民報社
(26)巨大システムの危機
(27)安倍首相、福島産品の安全性強調=アラブ諸国大使に:時事ドット ...
(28)福島県風評・風化対策強化戦略について - 福島県ホームページ
(29)「安全なのに売れない」〜福島“風評被害“はいま〜 - NHK クローズアップ現代+
(30)風評被害に対する行動計画の策定について|プレスリリース|東京電力ホールディングス株式会社
(31)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(32)届出情報の統計-目的別索引-牛の個体識別情報検索サービス⇒【平成30年10月31日公表】 (毎年10月31日頃更新)⇒飼養施設数 牛の種別 市区町村別 平成30年9月末時点 ⇒Excel
(33)釆女(うねめ)牛を育てる会|こおりやまの物産品・特産品
(34)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(35)イトーヨーカドー 郡山店
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