http://www.asyura2.com/19/genpatu51/msg/899.html
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(回答先: 福島原発の処理水 日本が海洋放出を検討© REUTERS (汚染水処理は高価!?) 投稿者 戦争とはこういう物 日時 2019 年 9 月 17 日 22:25:45)
地デジなど大マスゴミでは「科学的に安全」云々と報じているようだが。はたして科学的に、何がどう証明されたというのだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(ここから)
はたして現状の原発処理水は希釈して放出可能なのか検証
https://blogos.com/article/404232/
原田環境相が原発処理水「海洋放出しかない」と発言して波紋を呼んでいます。
日経新聞記事から。
・原田環境相、原発処理水「海洋放出しかない」
2019/9/10 15:19
原田義昭環境相は10日の記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所の放射性物質トリチウムを含んだ処理水について「所管を外れるが、思い切って放出して希釈するしか方法がないと思っている」と述べた。汚染水処理後に残る処理水について政府は処分方針を正式に決めておらず、現職の閣僚の発言は異例で、波紋を広げる可能性がある。
11日の内閣改造を前に、就任後の所感の中で述べた。福島第1原発を視察した際に、貯蔵タンクに余裕がない状況を見たことなどを根拠とした。原田環境相は「極めて重要な話であり、しっかり説明し対策を取らなければならない」とも述べた。
福島第1原発の処理水の保管用タンクは既に900基を超え、2022年夏ごろに満杯になる見通し。薄めて海に放出することが、最も現実的な手段とみられているが、風評被害を懸念する漁業関係者らの反発は根強い。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49622460Q9A910C1CR8000/
放射性物質トリチウムを含んだ処理水について「所管を外れるが、思い切って放出して希釈するしか方法がないと思っている」、この原田義昭環境相の発言はまったく科学的に正しいと考えます。
放射性物質トリチウムを含んだ処理水の海洋放出は、カナダや韓国など世界の原発で今も行われており、まったくそこに環境に対する悪影響は発生していません。
ただしです。
東電のタンクに溜まった処理水は、残念ながらトリチウムを希釈すれば放出可能な綺麗なタンクだけではないことは留意が必要です。
本日は、はたして現状の原発処理水は希釈して放出可能なのか、この本質的問題を科学的に検証しておきます。
・・・
東京電力の公式ページに『多核種除去設備 (ALPS)』の図解入りの説明があります。
多核種除去設備 (ALPS)https://static.blogos.com/media/img/250061/raw.jpg
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/genkyo/fp_cc/fp_alps/index.html
説明文より。
”既に設置している水処理設備では、放射性物質のセシウム(※1)を主に除去しているが、セシウム以外の除去が困難であった。多核種除去設備(ALPS)ではセシウムを含む62種の放射性物質(トリチウム(※2)を除く)の除去が可能となっている。2013年6月現在、本格稼働を目指して試験(※3)を行っている。
※1.セシウム・・・アルカリ金属の一種。放射性セシウムは事故後、放射線ヨウ素とともに主に検出されている放射性物質のひとつで、ガンマ線を放出する。
※2.トリチウム・・・ベータ線を放出する放射性物質。主に水の形態で存在することから、ろ過などでは除去することができない。
※3.A系は2013年3月30日より開始(6月16日に停止)、B系は2013年6月13日より開始、C系は2013年9月27日より開始。
ここでポイントになるのは、汚染水処理の切り札ともいえるセシウムを含む62種の放射性物質(トリチウム(※2)を除く)の除去が可能なこの『多核種除去設備 (ALPS)』が、事故から2年3ヶ月たった「2013年6月現在、本格稼働を目指して試験(※3)を行っている」つまり正式稼動をしていなかったことです。
当時の当ブログは、多核種除去設備(ALPS)が廃棄物保管容器の強度不足で稼動に至っていないことを指摘しています。
”一方、62の放射性物質を除去する多核種除去設備(ALPS)は、1日約500トンの処理能力があり、汚染水浄化の切り札と言われていますが、12年秋に稼働を始める予定だったが、廃棄物保管容器の強度不足が判明し、今も稼働に至っていません。
2013-03-12
もっと注目されるべき福島第一原発の高濃度汚染水〜捨て場のない放射能汚染物質に対し備えがない日本 より
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/20130312/1363079403
まずこの事故後、多核種除去設備(ALPS)が正式稼動するまでの2年数ヶ月の間に汚染水を貯めたタンクは、現在に至っても高濃度の放射性物質が含まれていることを東京電力は認めています(東電の公式サイトの説明は後述)。
次に多核種除去設備(ALPS)が正式稼動しても高濃度の放射性物質がうまく処理されず含まれているケースがあることも判明しています。
図解を見て右側の吸着塔で吸着剤カートリッジに多核種を吸着させそれを除去しているのですが、運用に慣れていない東京電力による吸着材の交換が遅れたために、高濃度の放射性物質が残ってしまったのです。
これですがかなりの期間で交換遅れが周期的に発生していたことを東京電力は認めています。
もちろん現在、多核種除去設備(ALPS)は正常に稼動しています、したがってトリチウム以外の核種はほぼ除去されています。
だが上記事由(ALPSの稼動不具合)により、かなりの割合で処理水タンクにトリチウム以外の核種を含んだ高濃度の放射性物質の汚染水が含まれているのです。
ここに東京電力の処理水ポータルサイトがあります。
・処理水ポータルサイト
http://www.tepco.co.jp/decommission/progress/watertreatment/
ここで、「ただし、設備運用当初の不具合や処理時期の運用方針の違いなどにより、現在の告示濃度比総和別の貯蔵量は右図の通りになっています。」と、説明があります。
”多核種除去設備等の処理水 貯蔵量および放射能濃度
多核種除去設備等の処理水の貯蔵量(2019年6月30日現在)
1,010,900m3
*満水タンクのみをカウントした貯蔵量で、全体貯蔵量とは差があります
現在、多核種除去設備等の処理水は、トリチウムを除く大部分の放射性核種を取り除いた状態でタンクに貯蔵しています。
多核種除去設備は、汚染水に関する国の「規制基準」のうち、環境へ放出する場合の基準である「告示濃度」より低いレベルまで、放射性核種を取り除くことができる(トリチウムを除く)能力を持っています。ただし、設備運用当初の不具合や処理時期の運用方針の違いなどにより、現在の告示濃度比総和別の貯蔵量は右図の通りになっています。
http://www.tepco.co.jp/decommission/progress/watertreatment/
”告示濃度比総和別の貯蔵量https://static.blogos.com/media/img/250069/raw.jpg
http://www.tepco.co.jp/decommission/progress/watertreatment/
見やすいようにグラフ部分を拡大。
https://static.blogos.com/media/img/250070/raw.jpg
http://www.tepco.co.jp/decommission/progress/watertreatment/
ご覧のとおり、告示濃度1倍未満の正常の処理水が23%、5倍未満が34%、10倍未満が21%、100倍未満が16%、100倍以上が6%となっております。
この割合の分布がトリチウム以外の核種の含有にすべて依拠しているわけではないのですが、東京電力は「当社は、多核種除去設備等の処理水の処分にあたり、環境へ放出する場合は、その前の段階でもう一度浄化処理(二次処理)を行うことによって、トリチウム以外の放射性物質の量を可能な限り低減し、Aの基準値を満たすようにする方針」と、もう一度『多核種除去設備(ALPS)』に通す方針を示しています。
下記Q/Aの解答欄に明記されています。
”多核種除去設備」では福島第一原子力発電所で発生する汚染水に含まれる、すべての放射性核種を取り除くことができるのですか?
・汚染水に含まれる放射性核種のうち、トリチウム以外の大部分の核種を取り除くことができます。
「多核種除去設備」は、福島第一原子力発電所で発生する汚染水を浄化する設備のひとつです。この設備にある、吸着材が充てんされた吸着塔に汚染水を通すことによって、放射性物質を取り除く仕組みになっており、トリチウム以外の大部分の核種を取り除くことができます。
なお、汚染水に関する国の「規制基準」は
@タンクに貯蔵する場合の基準、
A環境へ放出する場合の基準の2つがあります。周辺環境への影響を第一に考え、まずは@の基準を優先し多核種除去設備等による浄化処理を進めてきました。そのため、現在、多核種除去設備等の処理水はそのすべてで@の基準を満たしていますが、Aの基準を満たしていないものが8割以上あります。
当社は、多核種除去設備等の処理水の処分にあたり、環境へ放出する場合は、その前の段階でもう一度浄化処理(二次処理)を行うことによって、トリチウム以外の放射性物質の量を可能な限り低減し、Aの基準値を満たすようにする方針です。
http://www.tepco.co.jp/decommission/progress/watertreatment/
実はこの事実、「福島原発のトリチウム残留水 他の放射性物質が除去しきれないまま残留」が公式に東京電力が認めたのは1年前の8月のことです。
”福島原発のトリチウム残留水 他の放射性物質が除去しきれないまま残留
https://news.livedoor.com/article/detail/15180082/
本日は、はたして現状の原発処理水は希釈して放出可能なのか、この本質的問題を科学的に検証してまいりました。
東京電力も認めるとおり、放出の前に、もう一度多核種除去設備 (ALPS)を通さなければならないタンクが一定の割合で存在しているのが実態です。
今回は当ブログの政治的主張より、科学的事実を重んじてエントリーいたしました。
(木走まさみず)
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