http://www.asyura2.com/19/genpatu51/msg/761.html
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「チェルノブイリ被害の真実 The true toll of the Chernobyl」
by Richard Gray (BBC 2019/7/26)
http://www.bbc.com/future/story/20190725-will-we-ever-know-chernobyls-true-death-toll
------(抄訳ここから)--------------------------------
* 公式発表では31人が即死、国連は50名が死亡、2005年に将来4千名が被ばくで死亡と予想したが、
MITの研究者ケイト・ブラウンの調査によれば、被害ははるかに大きいと言う。
* 事故から数ヶ月、数十万人のリクビダートルが鎮火と溶融燃料制御、汚染拡散防止に奮闘した。
60万人がリクビダートルとして登録され、特別な健康保険や手当ての対象になっている。
* ウクライナ・チェルノブイリ原発から50マイルのチェルニーヒウ羊毛工場の女性作業員は
事故直後、鼻血、めまい、吐き気を感じた。汚染は最大180mSv/h。1分で年間許容量を超えた。
羊毛は最大で30Sv/hの汚染。それでもここは汚染度が低いとして避難区域外になった。
* この工場の女性作業員298名には事故収拾に従事したリクビダートルと同じステータスを与えられた。
しかし現在も働いているのは10名のみ、みな健康問題を抱えていた。残り288名は亡くなったか、
障がい年金をもらっている。
* ロシア科学アカデミーの報告書では、チェルノブイリ収束作業を行なったのは83万人、その15%の
約12万人は2005年までにすでに死亡。これは議論の対象になっている。
* ウクライナの国立放射線医学研究センターの報告書によると、2003-2007年の間に
65万人のリクビダートルが被ばく検査の対象となった。
ベラルーシでは約10万、ロシアでは15万がリクビダートルとして登録されている。
* ウクライナでは、1988-2012年の間に、これらの勇敢な人たちの死亡率は急上昇し、
1000人当たり3.5 から17.5人。障がいも激増した。
* 1988年には68%が健康と診断されたが26年後はたったの5.5%。
63%は心血管および循環器疾患、13%は神経疾患を抱えていた。
* ベラルーシでは、2008年までにロシアからの2千8百人と4万のリクビダートルが
がん患者と登録されている。
* IAEAは、これらの研究を被ばくとがんや他の疾患との関連性を示していないと批判。
* 事故後、5万人が避難するまで1日半、さらに30キロ圏の80の集落から4万人、
最終的には20万人が移住した。
* 原発に一番近い居住者の甲状腺内部被ばくは最大3.9グレイ、胸部X線撮影の3万7千倍。
* 避難者の死亡率は徐々に上がり、2008-12年に1千人当たり18人に達した。
* モスクワに至る各地の病院は急性被ばく患者であふれ、少なくとも4万人以上が、
事故後の夏に入院。その多くは女性と子どもだった。
* ソ連政府は国際社会での信用を失わないように真実を隠蔽したが、ソ連の崩壊とともに
汚染地域で被ばくした人々の広範囲に及ぶ健康問題が明らかになった。
* キエフに本部がある国立放射線医学研究センターの次長はこう語る。
「チェルノブイリ事故は、人類史上最大の人為的災害である」
* このセンターではウクライナの300万人を含めて旧ソ連の500万人が被害を受けたと推定。
ベラルーシでは80万人が被ばく被害を受けたと登録されている。
* 現在でも、ウクライナ政府は配偶者を亡くした3万6千人の未亡人に福祉手当を払っている。
* 2018年1月現在、ウクライナでは37万7千人の子供を含む180万人が事故被害者とされている。
* 身体障がいを抱えた人は、1995年の4万人から2018年の10万人と急増している。
* チェルノブイリ被害者は2007年以来、26%に当たる65万8千人が減ったが、これは外国への
移住、犠牲者の再分類化、そして死亡が原因だと思われる。
* 汚染地域の死亡率は、ウクライナの他の地域とくらべ着実に増えている。
2007年には1千人当たり26人で、国平均の16人より高い。
* べラルーシ、ロシア、ウクライナの合計で15万平方キロが汚染され、ロンドンの2倍以上に
相当する4千平方キロが避難対象地域で未だに居住者はいない。
* 死の灰は北半球に広がり、爆発後2日以内に、スウェーデンで高レベルの放射能が検出された。
英国の植物や草原は汚染され、数年間、羊肉や羊の製品は出荷が制限された。
* 西ヨーロッパでは、悪性腫瘍を含む腫瘍の罹患率が汚染を免れた地域よりも高くなった。
* ソ連では肉や牛乳は汚染度に応じて3段階に分けられた。
高汚染のものは汚染レベルが下がるまで冷凍された。中・低汚染のものは、無汚染のものと
混ぜ合わせて売られた。"ノーマル"とラベルが貼られ、ソ連全域に送られた。
ただし「モスクワには送るな」と命じられた。
* ブルーベリーも同様に無汚染のものと混ぜて基準以下にして売られた。
ウクライナ以外の地域では、何も知らずにチェルノブイリ産ブルーベリーで朝食を取ったのだ。
* 研究者のブラウンは、こういった汚染食品の流通が被ばく被害をより拡大させたと考えている。
* 被ばくと長期の健康被害の関連性を見出すのは難しい。
発がんまで何年、いや何十年もにかかり、その原因を究明するのは困難だ。
* しかし最近の研究では、事故で被ばくした子ども、あるいは被ばくした親の子どものゲノムに
異常が見つかっている。ゲノム損傷と不安定性の増加が認められた。
遺伝毒性学専門家によれば、ゲノム不安定性は明らかにがんのリスクにつながる。
チェルノブイリでは時間による治癒はなく、時間はがん発生の潜伏期間でしかない。
* 他にも影響がある。事故の除染に従事した人の自殺率が、平均よりも高い。
汚染地域の居住者はアルコール依存症や精神疾患も多い。
* チェルノブイリ事故で亡くなった人を数えるのは不可能に近い。
* ただ希望もある。爆発後、3人のエンジニアが志願して、高汚染の水やガレキの中を進んで
バルブを開き、何百万ガロンもの水を原子炉直下のタンクから抜いた。
彼らの英雄的な活躍は、最近のHBOのドラマで描かれている。
驚くべきことに、ろくに防護もしなかったのにこの3人のうち2人は生き延びている。
もう1名は2005年まで生きた。
------(抄訳ここまで)--------------------------------
チェルノブイリとくらべ、福島原発事故は、
- 全く収束していない。放射性物質は封じ込められておらず、未だに放出し放題
- 全く汚染拡大防止対策がされておらず、汚染は拡大する一方
- むしろ汚染ガレキの焼却や再利用で積極的に汚染拡大させている
- 本来なら半永久的に立ち入り禁止にすべき高汚染地域に無理やり住民を住まわせている
- 食品の汚染基準、汚染検査が甘い。ザル同然。
- 日本の人口密度は桁違いに大きい (福島県はウクライナの2倍、東京は100倍)
と極めて悲惨な状況で、被害はチェルノブイリどころではなくなるでしょう。
「チェルノブイリ事故は、人類史上最大の人為的災害である」
これは、
「福島第一原発事故は、人類史上最大の人為的災害である」
と訂正しなければなりません。
(関連情報)
「チェルノブイリでは1500万人以上死亡 福島原発事故ではいったい何人亡くなるのか? 」
(拙稿 2015/9/26)
http://www.asyura2.com/15/genpatu43/msg/856.html
「チェルノブイリ事故7年後、ウクライナ、ベラルーシ、ロシアの人口は増加から減少に転じた」
(拙稿 2018/1/1)
http://www.asyura2.com/17/genpatu49/msg/293.html
「これから東欧を襲う激しい人口減少 チェルノブイリ原発事故の影響がはっきり
日本はさらにひどいだろう」 (拙稿 2018/5/9)
http://www.asyura2.com/17/genpatu49/msg/723.html
「チェルノブイリ事故では5年後に「放射能恐怖症」という言葉が消えた」
(拙稿 2014/2/26)
http://www.asyura2.com/14/genpatu36/msg/522.html
「22年前のNHKチェルノブイリ特集番組がすごい 内部被ばくにより脳の神経細胞が
破壊されることを解説していた」 (拙稿 2018/3/20)
http://www.asyura2.com/17/genpatu49/msg/544.html
「チェルノブイリ事故から31年 当時のお茶を検査しました【生活クラブ生協連合会】 (PR TIMES)」
(拙稿 2017/6/11)
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/266.html
「調査 - 事故30年後もチェルノブイリは牛乳を汚染している (RT)」 (拙稿 2018/6/11)
http://www.asyura2.com/17/genpatu49/msg/819.html
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