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「【参院選2019】ハコはできても人は戻らず 原発事故から8年、福島・飯舘村の現実」
(産経 2019/7/14)
https://www.sankei.com/life/news/190714/lif1907140034-n1.html
東京電力福島第1原発事故で多くの住民が避難生活を強いられた福島県。事故から8年が経過し、避難の対象区域は段階的に縮小されているが、住民の帰還は今も思うように進んでいない。国政選挙のたびに与野党の大物議員らが駆けつける参院選福島選挙区では、今回の選挙戦でも「復興」が連呼されているものの、今も影響が色濃く残る地域では無力感もただよっている。(大渡美咲、写真も)
「ハコモノは増えたけど、人間の復興という部分が見えてこない」
原発事故で全村避難となり、放射線量の高い帰還困難区域の一部を除いて避難指示が解除されている同県飯舘(いいたて)村に住む伊藤延由(のぶよし)さん(75)は、こう話す。
雑草だらけだった農地には稲や作物が植えられ、住民の帰還を促すために新しく建設された道の駅には、新鮮な夏野菜が並ぶようになった。村内には交流センターなど真新しい公共施設が設けられ、昨年4月には建物が改修された小中学校も再開。しかし、今月1日現在で住民登録者数5567人のうち村内居住者は1324人と、帰還率は2割にとどまる。
村内は巨額の費用をかけて住宅地などの除染が行われた。事故直後から村内の空間放射線量や食品の放射線量の測定を続けている伊藤さんによると、線量が低下した場所もあるものの、少し離れると数値が上がる場所もある。生活拠点から離れた山林は対象外のため、除染されたのは面積にすると村全体の4分の1ほど。野生のキノコや山菜などからは、今でも食品基準を超えた高い放射性物質が検出されることもある。
農地にはいまだに除染の際に出た汚染土などを積めたフレコンバックが山積みになっている。こうした放射能へのぬぐえぬ不安に加え、長期にわたる避難で、生活の基盤が避難先にできた人が多いことも帰還が進まない理由だ。
再開された小中学校に通う約100人のほとんどは、村外の避難先に住む。「政治家は原発事故は終わったこと、なかったことにしたいのだろうが、風評被害ではなく実害としていまだに村には原発事故の被害がある」(伊藤さん)
× × ×
「福島の復興なくして、東北の復興なし。東北の復興なくして日本の再生なし」。参院選が公示された4日、安倍晋三首相は福島市内で行った第一声でこう強調した。
安倍氏は今回を含めた震災以降に行われた6回全ての国政選挙の初日に福島入り。直前に熊本地震が発生した28年の参院選では、熊本市での第一声の後に福島へ移動して街頭演説に臨んだ。
今回福島選挙区に立候補した各候補者も、「復興の加速化」を強調。自民現職の森雅子氏は、政権与党としての実績を強調し、復興庁の後継組織を作るとした上で、「福島の復興に特化したものを作る。中身のある復興を目指したい」。野党統一候補の無所属新人、水野さち子氏は「いまだに多くの人が避難している。復興の光と影にスポットを当てて、助けて行かないといけない」と声を上げ、諸派新人の田山雅仁氏も「被災者への支援が行き渡っていない」と訴える。
だが、ある候補者の演説を聞いた村民の女性(63)は「復興と言うのは選挙のときだけ。最初は変わることも期待していたが何も変わらない。むしろ悪くなっている」とあきらめ顔だ。
来年の東京五輪・パラリンピックでは聖火リレーの出発点に同県が選ばれ、国は「復興五輪」を理念に掲げる。伊藤さんは聖火リレーで「原発事故を乗り越えた」福島だけが映されることを危惧する。「帰れない人も村民のはずだが、切り捨てられている。五輪開催時に仮設や避難、除染などのマイナスの言葉は使いたくないんだろう。原発事故を乗り越えて『復興した』と言いたいだけだ」と苦言を呈した。
-------(引用ここまで)--------------------------------
産経新聞にしては非常にまともな記事です。
産経ですら全く復興していないことを認めないわけにはいかない悲惨な状況だ
ということです。
除染をしたところで線量が高すぎて、とても健康な生活は送れないレベルですから、
元住民が被ばくを恐れて帰還しないのは当然であり、復興はあり得ません。
どんな豪華な施設を造ったところで、それに釣られて戻る人はいません。
高線量地域にガマンして住んでいる人も、ひとり、またひとりと被ばく被害で
倒れていくだけです。
政府、福島県はしっかりと現実を認めて愚かな復興政策を見直し、
避難民を支援する方向に一刻も早く路線変更すべきです。
(関連情報)
「除染もむなしく放棄されたウクライナ・ポレスコエ市が予言する福島の未来」 (拙稿 2014/8/12)
http://www.asyura2.com/14/genpatu39/msg/700.html
「福島県飯舘村 “子ども5人に57億円”の仰天施設に村民の怒り (女性自身)」
(拙稿 2016/10/15)
http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/610.html
「福島)浪江町で「にじいろこども園」が落成 来春開園へ (朝日新聞)」 (拙稿 2017/10/6)
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/772.html
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