韓国の原発のデタラメぶりには心胆寒くなるばかりだが、今月10日、韓国の西海岸にある霊光原発で、恐ろしい原子炉の暴走事故が起きていた。
幸いフクイチのような巨大事故には至らなかったが、情報を見る限り、あと数時間でメルトダウン原子炉崩壊を起こし、東アジア全域を大規模に放射能汚染していただろう。
【午前3時に始まった制御棒の制御能測定試験は、午前10時30分頃、異常現象が派生した。熱出力が1分間で0%から18%まで跳ね上がり、原子炉冷却材の温度が急上昇し、蒸気発生器水位も上がった。運営技術指針書上、熱出力制限値は5%だ。蒸気発生器の水位上昇で主給水ポンプが停止した後は、補助給水ポンプが自動起動された】
という報道(ハンギョレ新聞社=下にリンク)から、制御棒を引き抜いたとき核反応暴走が起きて、ECCSの作動が始まっていたということのようだ。
このような事故は、チェルノブイリ原発事故の原因に酷似していて、運転員が、原発核反応の特性を理解していなかったことを意味する。
この制御棒操作員は、原子炉運転に関するいかなる資格も持っていなかったということである。
日本の場合は、原子炉運転員は三種の神器免許ともいわれる@原子炉主任技術者 A核燃料取扱主任者 B第一種放射線取扱主任者 のうち、いずれかを所持しているのが普通で、いずれも試験の難易度は、「理系の司法試験」といわれるほどで、合格率も10%前後、国立大理学部卒業程度では歯が立たないほど苛酷な試験である。
韓国でも、当然、厳しい運転員資格が存在するが、実際に運転に携わっている者の多くが無資格で、核物理学の基礎知識さえ危ういとの噂がある。
日本の原子炉で、こんな事態を起こしたなら、即座に運転免許を取り消されるほどの重大事故で、類似事故としては、1978年に東京電力=福島第一原発で、恐ろしい臨界事故を起こしている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%AB
1978年11月2日 3号機事故
【日本で最初の臨界事故とされるが、公表されたのは事故発生から29年後の2007年3月22日になってからであった。
2007年頃、東京電力は当時相次いでいた不祥事の洗い出しをするため、過去の記録の再調査を行っていた。3月21日夜、東芝から東京電力に3号機炉心の中性子の計測記録に問題があった旨連絡が入った。
報告によると、1978年11月、同記録の計測限界を示す状態が約7時間半続いていたことが記されており、当時の3号機当直員(東京電力社員)は「朝出勤したら制御棒が抜けていたので入れなおすように指示した。中性子の数値が上がっていたように思う」と証言した。
原因は制御棒の水圧を調節する戻り弁の操作ミスで、1978年11月の事件の3ヵ月後に5号機、7ヶ月後には2号機で同様の制御棒脱落が起きていた。11月の事故が起きた時点で情報を水平展開していれば後の事故は防げた可能性を日本経済新聞は指摘している。】
引用以上=この事故を東京電力は30年近く隠蔽し続けたのだが、もし、隠蔽していなければ安全対策も厳しくなり、2011年のフクイチ巨大事故は起きずにすんだのではないか?
霊光原発での事故は、出力がいきなり0から18%に上がったということで、これは普通の静かな臨界ではなく核暴走というべきである。普通は、初期臨界だって、三日くらいかけてじわじわ上げてゆくのだ。
マニュアルとして、5%に上がった段階で、手動での運転切断が定められていたが、無資格運転員は、マニュアルの知識さえなく、無自覚に12時間も放置を続けて、メルトダウン寸前で、自動安全装置の作動が始まっていた。
これは見かけよりも、はるかに恐ろしい事故で、こんなに急激に熱出力が上がるということは、核燃料被覆管のジルカロイがダメージを受けて、おそらく被覆管に多数のピンホールを生じ、大量の放射性希ガスが噴出して、一次系冷却水が激しく放射能汚染された疑いがある。
また一次系の蒸気発生器(熱交換器)にも致命的なダメージを起こしたにちがいない。
また、熱暴走によって、制御棒が変形して入らなくなる可能性も小さくない。もしかしたら、制御棒ではなくECCSとホウ素投入によって臨界を止めたのかもしれない。
環境への放射能放出の疑いがあり、11日から14日あたりまでの環境放射能汚染記録を再検討しなければならないだろう。
日本列島も、西高東低の気圧配置の場合、韓半島からの放射能汚染をまともに受けることになる。
なお、最初に漏れるのは、通常の測定器では把握困難なキセノン133、クリプトン85、ヨウ素131などである。
セシウムが日本で検出されれば、文句のないレベル5以上の核事故ということになる。
欧米の原発関係者が、この事件を知ったなら、あんぐりと口を開けて、「オーマイガー」と叫び、韓国の原子力運営水準を全否定することになるだろう。
日本の運転員でも、5%に至る前に、必死の形相で、原子炉にホウ素やリチウムなど中性子吸収材を入れて、核暴走を止めることだろう。
そもそも、核燃料の反応熱は、詳細に計算尽くで定まるもので、18%もの熱暴走が起きるということ事態が、原発運転では、ありえないのである。
霊光原発の内容を見てみよう。
1号機 1986年8月25日 加圧軽水炉 (PWR) 94.7万
2号機 1987年6月10日 加圧軽水炉 (PWR) 95.3万
3号機 1995年3月31日 加圧軽水炉 (SYSTEM80) 98.8万
4号機 1996年1月1日 加圧軽水炉 (SYSTEM80) 99.4万
5号機 2002年5月21日 KSNP (OPR-1000) 99.6万
6号機 2002年12月24日 KSNP (OPR-1000)99.7万
今回事故を起こしたのは1号機ということなので、加圧水型軽水炉なのだが、韓国では原子炉用核燃料を濃縮する技術が弱いため、イエローケーキでも核反応を起こせるCANDY重水炉が新古里などに採用されているという噂は聞いていたものの、霊光は加圧水型で占められているようだ。
しかし、この炉型の特徴は、重水炉同様に極端にトリチウムを多量排出するので、周辺に発癌や遺伝子障害など健康被害が多発する疑いがある。
問題は1986年稼働といことで、33年間も稼働を行っている老朽原発であることだ。加圧水型は170気圧という超高圧の炉心なので、中性子劣化に加えて、定期点検に伴う繰り返し熱衝撃が非常に大きく、このため圧力容器の脆性劣化が起こりやすく、同型の1975年稼働、玄海原発1号機は廃炉処分となった。
加圧水型の寿命は、おそらく30年程度しかないだろうと予想している。
韓国原発で重大事故の恐れ 運営会社の安全軽視に批判(産経)
https://www.sankei.com/world/news/190521/wor1905210034-n1.html
韓国原子力安全委員会は21日までに、南西部の全羅南道・霊光にあるハンビッ原子力発電所1号機で原子炉の熱出力が制限値を超えて急上昇したのに、即時停止を定めた運営指針に反し、運営会社の韓国水力原子力(韓水原)が停止させたのは異常感知から約11時間半後だったと発表した。放射性物質漏えいはなかったが、同委員会は重大事故につながる恐れがあったとみている。
引用以上
「爆発の危険ある原発」止めず、12時間稼動した韓水原 2019-05-21(ハンギョレ新聞)
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/33507.html
韓国水力原子力(韓水原)が、熱出力制限値超過で直ちに手動停止しなければならない原子力発電所を、12時間近く稼働し続けたことが分かった。
原子炉操縦者免許のない人が原子炉の出力を制御する制御棒を操作した事実も明らかになった。原子力安全委員会(原安委)は、特別司法警察官(特司警)を投入し、捜査に乗り出した。
原安委は20日、報道資料を発表し、「今月10日、ハンビッ1号機で発生した原子炉手動停止事件について、16日から実施した特別点検過程で、韓水原の安全措置不足と原子力安全法違反状況を確認した」とし、「発電所を使用停止させ、特司警を投入するなど、特別調査を行う」と明らかにした。原発に特司警が投入されるのは、1978年、国内で原発(古里1号機)の商業運転の開始以来初めてだ。
事件は今月10日、ハンビッ1号機の制御棒の制御能測定試験中に発生した。制御棒とは、原子炉に挿入したり取り出すことで、出力を調整したり停止させる装置だ。午前3時に始まった制御棒の制御能測定試験は、午前10時30分頃、異常現象が派生した。熱出力が1分間で0%から18%まで跳ね上がり、原子炉冷却材の温度が急上昇し、蒸気発生器水位も上がった。運営技術指針書上、熱出力制限値は5%だ。蒸気発生器の水位上昇で主給水ポンプが停止した後は、補助給水ポンプが自動起動された。
韓水原は、熱出力が制限値を超過すれば「直ちに」原子炉を手動停止しなければならないと規定した運営技術指針書の規定に反し、同日夜10時2分に手動停止した。12時間近く原子炉が稼動され続けたのだ。韓水原の手動停止は「同日午後派遣された原子力安全技術院(KINS)所属の専門家らが現場点検を行った後、運営技術指針書が遵守されていないことを確認し、原子炉を停止するよう指示してから行われた。運営技術指針書の未順守は原子力安全法第26条違反だ。韓水原は同日、「熱出力制限値を超過した場合、直ちに停止しなければならないことを知らなかった」と明らかにした。
原安委は、制御棒測定試験当時、「原子炉操縦者免許の非保有者が制御棒を操作したという供述」を確保した。また、原子炉操縦監督免許所持者として現場監督の責任を持つ発電チーム長の指示と監督が不十分だった情況も確認した。
これは免許所持者が原発を操作したり、少なくとも監督免許所持者が監督しなければならないとした原子力安全法第84条違反であり、違反した場合、1年以下の懲役または1千万ウォン以下の罰金に処せられる。
原子力設備専門家らは、今回の事故が「原子炉の暴走」につながりかねない危険極まりない状況だったと指摘した。ハン・ビョンソプ原子力安全研究所長は「低電力条件で原子炉の暴走につながる危険性もあった事故だった」とし、「力が0から急速に上がるのはまさに原爆の原理」だと説明した。
日本松山大学のチャン・ジョンウク教授は「緊急停止しなかった韓水原の行動に悪寒が走ったほど」だとし、「一歩間違えれば重大事故につながった可能性もあるだけに、徹底した調査が必要だ」と述べた。
原安委は、現在はハンビッ1号機が安全に維持されていると説明した。また、施設内・外部へ放射能漏れはなかったと発表した。委員会はこの日から7月20日まで2カ月間、原発のハードウェア(設備)だけでなく、ソフトウェアに該当する安全文化(原発を扱う組織と個人の態度と実力を意味する国際原発業界標準用語)も点検する予定だ。
原安委関係者は「熱出力が急速に上昇したため、核燃料の健全性も確認しなければならない」とし、「現場で制御棒および核燃料などの安全性の有無を徹底的に確認した後、原子力関連法令に従って諸措置を取る」と明らかにした。
ハンビッ原発、熱出力急騰も12時間放置(中央日報)
https://japanese.joins.com/article/559/253559.html
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ここから本題といってもいい……。
霊光原発に限らず、韓国の原発群には、世にも恐ろしいデタラメ、欠陥が公然と放置されている。
しかも、ベトナム・ライタイハン大虐殺問題で分かるように、他人への批判は1000年経ても続けるが、自分たちに都合の悪い情報は、徹底的に隠蔽する歴史的な体質があり、今回もハンギョレ新聞社による告発がなければ、東電事故のように闇に葬られた可能性が強い。
ハンギョレの告発報道を見ていると、これまでフクイチのような巨大事故を起こして、日本列島を深刻に汚染しなかった方が奇跡なのだ。
ハンビッ原発4号機の防護壁に大きさ2メートルの超大型の穴
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/32086.html
ハンビッ4号機の格納建物のコンクリート壁から横2メートル、縦70センチの小さな“洞窟”が発見された。ハンビッ4号機は20年余り前の手抜き工事の跡が一つ二つと明らかになり、議論を起こしている。これまでコンクリートの内側の壁面に深さ6.5〜38センチの穴が空いた空隙(空間)が発見されてきたが、今回は新しい形の超大型の空隙が発見され、格納庫のコンクリートの壁が放射線物質を遮断する機能ができるどうかをめぐって議論が起こっている。
引用以上
これも、170気圧という巨大な圧力をもった加圧水型原子炉の格納容器に「2メートルもある巨大な欠陥が放置されていた」という報道である。
1996年に完工した霊光4号機は、23年の間、格納容器の洞窟を放置していた。
格納容器は、圧力容器が脆性劣化によって巨大爆発を起こしたとき、爆発を全面的に受け止める防護壁であるから、大きさも強度も、沸騰水型の数倍以上ある頑丈なPCコンクリート構造物である。
また、原子炉から出る中性子を遮蔽する大きな役割も担っているから、欠陥の場所は、殺人的な、もの凄い中性子濃度だっただろう。
こんな欠陥があれば、大爆発時に、当然、最初に破壊されて、巨大な放射能汚染爆風の通り道になるのは常識である。
普通は、レーダー検査を行えば空洞は容易に発見できるから、おそらく完工時には欠陥の存在が分かっていたはずだ。それを承知で、「臭いものにフタ」で検査機関も含めて見ないふりをしてきたのだろう。韓国のお家芸である買収工作があったにちがいない。
PCコンクリートとは、型枠段階で、ピアノ線を張って圧力をかけた状態で、固練りコンクリートを打ち込み、バイブレータで空隙を塞いでゆくのだが、非常に高い技術を必要とし、コンクリート打設のシロウトがやると、このような巨大な欠陥ができてしまう。つまり、韓国の原発建設は、PCコンクリートのプロではなく、ドシロウトが作っているということを意味している。
韓国には、格納容器を製造する技術が存在しないのである。
そして、その韓国技術水準で、外国に原発を作ったらどうなるか? 結果がこれだ。
韓国が建設したUAE原発に“亀裂”可能性…UAE側“調査中”
http://japan.hani.co.kr/arti/economy/32362.html
新古里や霊光原発と、まったく同じ欠陥を改善さえしないで、そのままUAEに持ち込んだ結果、同じ穴が開いていたわけだ。
これで、韓国原発建設企業体の利益は、完全に消し飛んだだけではすむまい。
以下のリンクは、韓国特有の、信じがたい手抜き工事の悪弊が、原発という超危険な構造物にまで及んでいて、むしろ、まともな工事が存在しないことすら窺わせるのであり、韓国には原発を建設する資格さえ存在しないと断言すべきである。
手抜き悪習まだ韓国に健在、原発隔壁にビル柱
https://news.yahoo.co.jp/byline/dandoyasuharu/20181222-00108568/
折れたり壊れたり…ハンビッ原発の内部鉄骨の“ボルト”でも問題
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/31962.html
韓国原発、「欠陥・事故」続出の恐ろしき実態…偽造部品納入は当たり前、放射能漏れ数値は18倍増に修正
https://www.sankei.com/west/news/141107/wst1411070063-n1.html
霊光3号機再稼働、承認会議を懇談会で…「辞める委員だけで」
http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/knews/00_2013/1371515847096Staff
もう、韓国原発で検索すると、出てくるのは悪いニュースばかりで、これで、これまで大事故を起こさずに日本列島を放射能汚染しなかったことが奇跡だと分かるだろう。
しかも、韓国の原発群は、霊光を除けば全部、日本海側にあって、普通は、コリオリの力=自転運動の性質から、大陸から日本列島に向かって気団が移動するために、もしも韓国の原発が大事故を起こせば、韓国内ではなく、日本列島だけを、まともに汚染することになる。
私は、この配置が意図的なものであるような疑いを持っている。
韓国には、原発を運営する能力はなく、製造する技術もない。ただ国家のメンツと見栄があるだけだ。
事故は必然であり、放射能は日本列島を直撃し、韓国自身は被害を受けない。
こんな現実が存在することを、我々はしっかりと理解しておく必要がある。