…
1997年、名古屋大学プラズマ研究所と、京大・広島大の核融合研が合同し、核融合科学研究所として土岐市下石地区に移転してきた。
なんで土岐市かといえば、ここには高品位のウラン鉱が発見され、かつては採掘精錬施設もあって、住民が放射能に馴染んでいるだろうとの勝手な思いこみが権力側にあったからだろう。
核融合技術というのは、かつて、「バラ色の未来を開く人類最先端の技術」などと、幼児がウルトラマンの仮面を被って、その気になってしまったような幼稚な興奮をもって語られた。
しかし、50年にわたる研究活動は失敗に次ぐ失敗、次々に予想外の問題が明らかになり、カネや時間をかけた割に、ろくな技術的進展もなく、もんじゅや六ヶ所村再処理工場同様、無用の長物、何一つ生み出さない、お荷物プラントで知られている。
…
これまでの放出トリチウムで、どれだけの白血病患者やダウン症児が誕生し、悲劇を招き続けたことか。いつまでも隠蔽できると思うな。
…
仮に核融合炉発電に成功したとしても、原発の数千倍ともいわれる巨大事故の恐怖、得られるメリットの数万倍の健康被害などデメリットと、手のつけられないほどのエネルギー浪費を引き起こすことは、すでに明らかである。
…
かつて行われた水爆実験や原子炉や再処理場が莫大なトリチウムを放出し、人類全体にガンや白血病、知的障害などの遺伝病を作り出してきたことが明らかになってきた。
エネルギーが極度に弱いため、測定さえ困難なトリチウムのベータ線は、核関係者の素朴な期待に応える無害クリーンな放射線どころか、有機化して体内に取り込まれると、深刻な遺伝子破壊を引き起こす悪魔の電子線であることが分かってきた。
トリチウムは、水と分離することが不可能であり、エントロピーの法則に従って、地球上で拡散し平均化する。
どんなに汚染されない水を選ぼうとしても絶対不可能である。環境に放出されたトリチウムは100%、「地球の水」となり、我々の肉体に侵入してくるのだ。
トリチウム水が体内に入ると、たちまち全身に均等に分布し、遺伝子の構成元素となる。
これが数年もすれば、核崩壊してヘリウムに変わってしまうのだから、遺伝子などバラバラに壊れてしまう。人体に取り込まれたトリチウムの量が増えるにしたがって、遺伝子は壊滅的ダメージを受け、白血病やダウン症などの遺伝障害を引き起こすことが明らかにされた。
例えば、トリチウムの放出量が桁違いに多い施設、フランスのラアーグ核燃再処理工場、イギリスのセラフィールド再処理工場、重水素を多用するCUNDI型原子炉として知られるカナダ、ピッカリング原発、そして日本の六ヶ所村再処理工場、さらに玄海原発なども、トリチウム放出施設として知られるが、このすべての施設で、周辺住民に恐ろしい被害をもたらしている。
ラアーグ・セラフィールドともに、周辺に居住する子供たちの白血病発症率が、トリチウムの少ない地域と比べて数十倍になっている。
ピッカリング原発では、稼働後、周辺地域でダウン症が80%増加したことをグリーンピースが明らかにした。
玄海原発の周辺では白血病発症率が10倍になっている。失敗続きでほとんど稼働していない六ヶ所村再処理工場でさえ、わずかな稼働期間の後、青森県の白血病発症率が激増している。
http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-4139
【土岐核融合研による重水素実験】
この核融合研究所は、数十年前から「重水素実験」の準備を進め、被曝の恐ろしさに無知蒙昧で、目先の発展だけに目を奪われ、住民の健康被害に一切目を向けようとしない、多治見市や土岐市の市長ら関係者を騙すことに成功し、今年、2016年度から、いよいよ実現することになった。
重水素実験とは、核融合炉の基礎技術として、1億度にのぼるプラズマで重水素が、どのような反応を示すか調べる実験と称している。
これは当初、1998年の計画では、一回10秒間の重水素プラズマ放射実験を年間、数千回も行うというものだった。
このとき、わずか10秒間に発生する中性子の量は50万シーベルトであって、1000兆ベクレルを超えるトリチウムを発生させるという。
なぜ中性子が発生するかといえば、プラズマに重水素が入ると核融合反応が起きるからである。これを持続させれば核融合炉ということになるが、半世紀以上の実験を経ても、持続的核融合炉は世界中の誰も成功していない。
だが、莫大な中性子は生成される。
人間一人の100%致死線量は7シーベルトであり、この10秒間の中性子量は7万人分の致死量にあたる。トリチウムの量も原子力発電所なみであった。
これに対し、槌田敦氏や小柴昌俊氏などの良心的学者から強い疑念が表明され、大きな反対運動の盛り上がりになったことで、融合研側は、あわてて実験計画の縮小を発表した。
しかし、その説明が、まったく子供だましのウソに満ちていて、反対派の強い怒りをかった。
核融合研の公表試料やパンフレットは虚偽に満ちている。
http://www.nifs.ac.jp/~j_plan_001.html
パンフレットには一回3秒の実験で、1億ベクレルのトリチウムが発生し、大半を回収すると書かれているが、3秒の実験を一日何回、年間何回やるのかについては、どこにも書かれていない。
これでは、パンフレットを見た読者は、3秒、1億ベクレルのトリチウムで、すべて終わりと勘違いしてしまう。
それどころか、当初、核融合研側は、この実験ではトリチウムは使わないと説明してきたが、これが真っ赤なウソであった。
市民団体側からの指摘で、渋々自白したのである。
実際には、3秒の実験は、他の資料によれば一日30回、週4回であり、年間555億ベクレルのトリチウム放出を予定しているのである。
日あたり30億ベクレルのトリチウム取り扱いは、研究所側の説明による放射線管理法にさえ抵触しない微量どころか、明確に法的規制対象を意味するものである。
年間の稼働日数によっては、さらに一桁以上大きくなる可能性もあり、これは通常の加圧水型原子炉の放出量と同じレベルである。
しかも、トリチウムの95%を回収すると説明しているが、そんな技術は、今のところ、世界中のどこにも実現しておらず、口先だけのごまかしにすぎない。
【恐怖の中性子】
中性子の放出量も、当初の一回あたり、50万シーベルトから減るとはいうが、一日、30回も14MeVという超高エネルギーで、10万シーベルト以上の中性子が環境に放出されるのである。
中性子は放射線のなかで、もっとも恐ろしい線質で、ガンマ線の20倍の生体細胞破壊効果があるとされる。
人体に当たると体内に放射能を作ってしまい、内部被曝を引き起こす。
東海村JCO臨界事故のとき、10キロ以上離れた地点の家屋内から、中性子の痕跡であるナトリウム24が発見されているので、飛距離も数十キロを考える必要がある。
一般に中性子の飛距離は数百メートルと説明されているが、実際には数十キロの飛程もありうることが証明されたのは、JCO事故が初めてであった。これは確率の問題なのだ。
ガンマ線も透過力が強いが、中性子の比ではない。理由は、中性子が電荷を持たないため、電気的干渉(クーロン力)の影響を受けないためである。
中性子の遮蔽は、唯一、水素原子の衝突、弾性散乱によって行われる。弾性散乱とは、ほぼ同じ質量の原子どうしがぶつかることで、相互にエネルギーを交換し、反対方向に散乱する減衰のメカニズムである。
陽子一個分の質量の中性子(核子)は、陽子一個だけを持つ水素原子と同じ質量で、この正面衝突によってエネルギーを失うことが遮蔽を意味する原理になる。
このため、遮蔽には、水や、水を含むコンクリートなどが使われる。
人体は70%以上が水分であるため、中性子の被曝をまともに受ける。
かつて、「中性子爆弾」が計画された理由も、中性子が水分の多い生物だけを破壊し、建物などを傷つけないと誤解されたからだが、実際には、人間を殺すほどの中性子放射があると、被曝したすべての物質が放射能に変わってしまい、人間は利用どころか、近づくことさえできなくなることが分かって愚かな妄想は終わった。
核融合研側は2mのコンクリート壁で1000万分の1まで減衰遮蔽すると主張するが、中性子エネルギーが14MeVと猛烈に強いことと、発生量が膨大であるため、必ず、遮蔽能力を超えて通過する確率が出てくる。
放出された中性子の、すべてが水素元素と衝突して減衰するわけでなく、一部は、すり抜けて外部に放射されるのである。
こんなのを一日30回、年間数千回もやられたのでは、周辺住民の健康はたまったものじゃない。
本当に安全な遮蔽は、おそらく数十億分の1以下に減衰可能な遮蔽能力が必要で、この場合、遮蔽には10m厚以上の水プールで覆うことが必要になるはずだ。
あまけに、中性子にはスカイシャインという散乱現象が存在し、遮蔽のない天井部分に放射された中性子は、空中の水素原子と弾性散乱を起こし、エネルギーを減衰させて反対側に戻って来るのである。
つまり、上空に向かった中性子の相当割合が、多治見・土岐市街地に放射されるのである。
JCO事故の際、数十キロの飛距離が確認された理由は、このスカイシャインによるものではないかと私は考えている。
この散乱によってエネルギーの弱まった中性子が、また実に厄介な代物で、高速中性子から熱中性子へと変化し、ぶつかった原子に容易に潜り込んで放射能化してしまう。
人体・生物への被曝影響が著しく大きい理由は、この熱中性子の核反応=放射化能力にある。
たとえ一回あたりの被曝量が微々たるものであっても、一日30回、年間数千回も浴び続ければ、必ず健康被害が出てくるであろうことは容易に想像できよう。
さらに、減衰した中性子が、周辺のあらゆる機器、建物、土壌に潜り込んで、これを放射能化することを忘れてはいけない。
この実験は、膨大な核廃棄物を作り出すことになるだろう。
鋭敏なスペクトル測定器を持参して、重水素実験中に施設の外側にいれば、中性子の生成したナトリウム24の1369KeVガンマ線を容易に検出できるはずだ。
市販の中性子シンチレータにも明瞭に反応するだろう。
…
こんなウソつき体質の核融合研であるから、中性子の遮蔽も、まったく信用できない。
たとえ1000万分の1以下の遮蔽力であっても、元の中性子が安全量の1000万倍あれば、それは遮蔽ではない。
私は、スカイシャイン効果による中性子反射被曝が、想像以上に大きい可能性を恐れている。
【重水素実験(DD実験)】 「東濃核融合科学研究もんだい」から引用
DD実験とは、5kev程度の温度をもつDプラズマに、250kev程度の高エネルギーの水素(H)ま たは重水素(D)のビームを入射して、Dプラズマの温度を高め(これを熱化という)、これにより核融合を起こさせることを目的としている。
このDとDとの衝突によるDD核融合反応は次の反応式群で示すように(i)と(ii)の2つの反応から なりたち、トリチウム(T)と中性子(n)を発生する。
(i) D+D → p +T
(ii) D+D → 3He+n(2.5Mev)
しかし、この反応はこの段階で止まらず、次の(iii)と(iv)の2つの反応がただちに起こることに なる。
(iii) D+ T → He + n(14.0 Mev)
(iv) D+3He → He + p(水素)
この2つの反応は、DとDの反応よりも容易に起こるので、核融合研究では最も重要な研究とされている。
(iii)の反応はDT反応と呼ばれ、トリチウムの使用と同時に、14Mevという超高エネルギーの中性子を発生することになるので、多くの市民運動の 反対にあい、相手方は「トリチウムは使用しない」と約束したのである。
そこで、相手方は (i)、(ii) の反応から直ちに (iii) の反応が生じるDD実験の実施をすることにより、(iii) の反応による実験を実施することを考え出したのである。
DD実験は実質的にはDT実験と言って良い。DD実験は明らかに「トリチウムは使用しない」という 約束に反する。
中性子の危険性
1) 重水素実験にあっては、高エネルギー中性子の発生は不可避である。本実験では大量に発生する中性子が遮蔽壁で守られているに過ぎない。遮蔽壁が何らかの理 由で崩壊すれば大量の中性子が外部に放散され被害が生じる。たとえば、LHD内には実験中、装置内には高いエネルギーが存在することになるが、炉に事故が 生じれば、行き場を失ったエネルギーによる爆発、さらには中性子漏れという事故が生じることになる。
2) 本件遮蔽壁は構造上天井部分が薄くならざるを得ず、その薄い部分を経て透過する中性子が漏れることになる。これらの漏れ出た中性子は外気中で反射し、地上 に降り注ぐことになる(スカイシャイン現象)。
3) 中性子は遮蔽壁と外部をつなぐパイプなどを通じて遮壁外部さらには施設外部に漏れ出す危険がある。
4) 本件炉から発生する中性子により炉本体はもちろん、外部装置は放射化し、放射性廃棄物となる。特に、炉で使用されるニオブの放射化が深刻である。こうして 放射化した物質により申請人らに健康被害が生じる危険性もある。
【現実問題として多治見・土岐市住民は、どのような被害を受ける可能性があるのか?】
計画の概要を見る限り、有毒有害なトリチウムの生成量は年間500〜1000億ベクレルにおよび、ほぼ加圧水型原発による放出量と同程度になる。
核融合研側の説明にあるトリチウム95%回収は、現実に成功例がなく、まったく信用できない。
これまで、このレベルのトリチウム排出を行ってきた、すべての原発の周辺自治体で白血病発症率の上昇が見られる。
@ 柏崎刈羽原発の周辺自治体では、女性の白血病発症率が全国平均の二倍になっている。
A 「玄海原発がある佐賀県玄海町では、子どもの白血病の発症率が全国平均に比べて10倍以上高い」
(2012年3月19日発行 肥田舜太郎著『内部被曝』より)
B カナダ・ピッカリング原発では、トリチウムの放出により、周辺住民新生児のダウン症発症率が80%上昇した。
C 青森県立中央病院のホームページによれば、青森県内の白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫は、東北地方最多である。
この原因として、六ヶ所村再処理工場の運用や過去の核漏洩事故頻発が強く疑われている。
D フランスのラアーグやイギリスのセラフィールド再処理工場の周辺でも、被曝影響を受けない地方の数十倍の白血病発症が確認されている。
2002年、国際的なガン研究の専門誌(International Journal of Cancer)に、セラフィールド再処理工場で働き被ばくした男性労働者の子どもたちは、他の地域の子どもたちに比べ、白血病、リンパ腫など血液のガンの 発生率が2倍近く高く、工場があるシースケール村においては、15倍も高いリスクがあった。
E フランスで、原発から5キロ圏内の子どもと一般の子どもの白血病発生率の比較を行った。15歳以下の子どもは、他地域の子どもに比べて白血病の発症率が1.9倍高く、5歳未満では2.2倍高い。
F ドイツ政府の調査では、原発から5km圏内の小児ガンは全国平均の1.61倍、小児白血病は2.19倍となっている。
G 「原発5キロ圏内で子どもの白血病が倍増」
フランス国立保健医学研究所が国際誌にて発表/ルモンド紙
(2012年1月14日 フランスねこのNews Watching)から抜粋
反論できない危険信号が発せられた。フランスにある原発の5キロ圏内に住む子どもたちは、通常の2倍の割合で白血病にかかる、という指摘だ。フランス国立保健医学研究所(INSERM)のジャクリーヌ・クラヴェル氏が率いるフ ランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)の科学者研究チームが『国際がんジャーナル』(International Journal of Cancer)に発表した。これは過去にイギリスのセラフィールド原発、スコットランドのドーンレイ原発、ドイツのクルーメル原発において実施された調査で、原発の近辺に住む子どもたちに通常より高い率で白血病が発生することが証明されたのに続く調査結果である。
これらの告発報告は、無数といえるほどあって、いずれも原発放射能と周辺に居住する子供たちの白血病ガン発生率との相関関係を示すものである。
ICRPはじめ国際原子力産業は、これらの報告を隠蔽し、無視し、矮小化して民衆の健康を犠牲にして原子力産業を守ることに専念してきた。
土岐市・多治見市における重水素実験も、まったく同じスタンスであって、トリチウムの有害性が、すでに立証されているにもかかわらず、半世紀前の無害論を持ち出して、健康被害への懸念を嘲笑するような姿勢に終始している。
土岐・多治見市長の無知蒙昧ぶりからも、このまま実験が続けば、白血病やダウン症児増加などの被害は避けられないだろう。
これまで、放射能被曝の意味を理解できる住民によって多くの啓発的市民運動が行われてきたが、社会全体の「拝金主義」風潮から、目先のカネのためなら未来の子供たちの健康など、どうでもいいと考える市民が増えているのも事実であって、被曝被害に関心を持つ市民は少ない。
こうした被曝被害が、人々の目に理解されるには、数十年という時間が必要である。残念ながら、我々は問題の解決を未来に委ねるしかなさそうだ。
この土岐核融合研による重水素実験は、トリチウム問題に加えて中性子問題が露見している。
中性子被曝については、過去にJCO(住友金属鉱山)によるウラン臨界事故のデータしかないが、このときも、数十キロ離れた地域にまで中性子の痕跡が残されていて、原因として中性子上空散乱=スカイシャインを強く疑っている。
核融合研側の中性子対策は2mのコンクリート壁だけであって、スカイシャインに対する対策は皆無のようだ。
したがって、実験開始後、周辺住民に中性子被曝の可能性が強く疑われる。
これは本当にそうなるのか、反対派側の技術を総動員して監視してゆくことになるだろう。
もし予測どうりスカイシャインによる周辺住民の中性子被曝が発生した場合、これは恐ろしい結果を招くことになるだろう。
住民は、中性子という、もっとも危険な放射線の生物学的効果のモルモットにされることになるだろう。
…