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福島・小児甲状腺がん221人、まだまだ増える
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2019/04/08(月) 19:44:24 めげ猫「タマ」の日記
今日(4月8日)、34回福島県「県民健康調査」検討委員会が開かれました(1)。そこで福島県甲状腺検査3、4順目の結果が発表になりました(2)(3)。これまでの資料を集計すると、悪性または悪性の疑いの方(以下罹患者とする)が前回(4)から5人増えて221になりました。(=^・^=)なりに集計すると2、3順目の悪性または悪性の疑いの割合(以下罹患率とする)は
避難区域等が設定された13市町村 0.064%(検査 34,558人 中22人)
避難区域外の中通り 0.022%(検査 32,208人 中 7人)
で(2)(6)、13市町村は避難区域外の中通の2倍の罹患率です。このような事が起こる確率を計算したら統計的の差があるとされる5%(7)を下回る0.9%でした。
チェルノブイリ原発事故で子供の甲状腺がんの多発が見つかりました(8)。これを受けて福島でも事故当時18歳以下だった子供を対象にした甲状せん検査が実施されています(9)。当初の想定は100万人当たり2,3人です(10)。これまでの発表(2)(6)(11)を集計すると累積で
約30万人の検査で221人
の悪性ないし悪性の疑いの方が見つりました。1万人当たりにして7人です。当初の想定に比べ極めて高い割合です。以下に推移を示します。
どんどん増える福島小児甲状腺がん
※(12)を集計
図―1 どんどん増える福島の甲状腺癌
これについて福島原発事故の為とも(13)、そうでないとも主張があります(14)。現時点の公式見解は
「事故当時5歳以下からの発見はないこと、地域別の発見率に大きな差がないことから、総合的に判断して、放射線の影響とは考えにくいと評価する。」
です(15)。
甲状腺がんはヨウ素131の被ばくによって生じる物とされていますが(15)、ヨウ素131は半減期(量が半分になるまでの時間)が8日です(16(17))。摂取制限などで、ヨウ素131による被ばくを抑制するには、半減期に比べ短い期間内に対策が実施されていなければ効果はありません。
以下に2011年3月15日に福島県林業公社から発信されたFAX を示します。
2011年3月15日にはヨウ素131で汚染されていた福島
※(18)を引用
図―2 2011 年3 月15 日のFAX
2011 年3月15 日,福島市内の原子力センター福島支所の屋上で採取された雨水および田村市の常磐自動車道阿武隈高原サービスエリア上り付近で採取された雑草中のヨウ素131,セシウム134,セシウム137 の量である。18 時30 分に採取された雨水からは1キログラム当たり10 万3000ベクレル のヨウ素131 が検出されていまし。また,同日の17 時に採取された雑草からは同じく13 万5000ベクレルのヨウ素131 が検出されています。雨水に含まれた大量のヨウ素131 が飲料水中に混入したことが予想さます。また,雑草に付着したヨウ素131 からは,屋外で栽培された野菜類も同様に汚染されていたことがうかがい知れます(18)。
以下に福島県県北地区産野菜と原乳の2011年3月中の検査結果を示します。
基準超のヨウ素131に汚染されていた福島産
※1(19)を集計
※2 基準値(当時)は(20)による。
※3 日付けは検査完了日
図―3 福島県県北地区産野菜と原乳の2011年3月中の検査結果
図示すように最初の検査結果が出るのに数日を要しました。福島産原乳の出荷制限が出たのは事故から10日後の3月21日(21)、野菜は12日後の3月23日です(22)。この間、高い濃度のヨウ素131に汚染された福島産が流通し、福島の子ども達が食べたかもしれません。
福島県二本松市放射線専門家チーム アドバイザーの木村真三氏(23)は
「飲料水や食べ物を通じて取り込まれたヨウ素131 による甲状腺への被ばくに関しては詳しいことがわかっていない。呼吸から取り込まれた分も考慮すると,少なくとも福島県中通り地方でのヨウ素131 の内部被ばくは,これまで予想されているものよりも高いと考えられる。」
と指摘しています(18)。
東京電力福島第一原発事故の直後、福島県双葉町にいた十一歳の少女の頸部に簡易的な放射線測定器であるGM管(24)を当てたら、1分間当たり5〜7万個の放射線が観測されたそうです。これを甲状腺被ばく線量に換算すると推計で100ミリシーベルトの被ばく線量になるそうです(25)。100ミリシーベル以上の被ばくでは、癌に罹患する割合が増加することが観測されています(26)。
一方で、福島医大特任教授坪倉正治(医師)さん(27)は、福島県の地方紙・福島民友に寄稿した記事で
「早期に避難や食品管理が行われた福島」
と述べています(28)。すでに述べている通り、出荷制限が行われたの事故後10日以上で。ヨウ素131の半減期(8日(17))に比べ長く、これを「早期」と言えるかは疑問です。
甲状腺は内部被ばくで生じるものです(29)。福島県の内部検査が開始されたのは事故から108日後の2011年6月27日です(30)。体内に取り込まれたヨウ素131は、成人の場合は約7日で半減します(31)。108日後では44,000分の1(0.5(108÷7))です。体内が汚染されても、その後になくなり見つけるこどができません。影響を後から調査するのが困難とされているようです。
以下に事故直後から継続して放射線量が測定されている6地点(福島市、白河市、会津若松市、南会津町、南相馬市、いわき市平)の事故後から2012年3月末までの放射線量の推移を示します。
事故直後は急に下がりその後は下がらなくなった福島県の放射線量
※(32)にて作成
図―4 福島県6地点の放射線量
図に示す様に事故直後は急激に下がり、その後は下がり方が緩慢になっています。事故直後はヨウ素131等の半減期が日単位で比較的短い(直ぐに無くなる)放射性物質からに放射線が主流で、事故から1年以上を経過すればセシウム134や137等の半減期が年単位(1年では無くらなない)放射性物からの放射線が主流をしめます。事故1年後と事故直後の放射線量に関係性がみられれば、半減期の短いヨウ素131の影響の相対的な大小をその後の放射線量で評価できます。以下に事故直後の2011年3月17日と事故1年後の2012年3月11日の放射線量の相関を示します。
事故直後と1年後で高い相関がある放射線量
※(32)を集計
図―5 2011年3月17日と2012年3月11日の放射線量の相関
図に示す様に綺麗に直線に並んでいます。ヨウ素131は半減期は短いので事故直後影響しますが、事故から1年も経てば影響は無くなります。事故直後と1年後の放射線量に高い相関があることは、ヨウ素131の影響はセシウム等の影響で評価できることを意味します。絶対的な評価は困難でも放射性セシウムの影響が強い場所はヨウ素131の影響も強かったと言えますし、弱い場所ではヨウ素131の影響も弱いと言えます。セシウムの影響の強弱と甲状腺がんの発生状況を比較すれば影響を把握できます。
放射線の身体的影響には、早期効果と晩発効果の二つに分けられます。早期効果は、一度に大量の放射線を被曝した後数週間以内に現れてくる障害です。晩発効果は、被曝後しばらく症状の現れない潜伏期間があるものをいいます。発癌も晩発効果に含まれます(33)。甲状腺癌も直ぐに現れる訳ではありません。以下にチェルノブイリでの甲状腺がんの発症率の推移を示します。
1990年位から増えたチェルノブイリの甲状腺癌
※1(8)にて作成
※2 年齢は発症時の年齢
※3 チェルノブイリ原発事故は1986年(34)
図―6 チェルノブイリ原発事故での甲状腺癌発生率
図に示す通りチェルノブイリ原発事故では事故の4年目以降から増加が見られます。
福島県の甲状腺検査は2011〜13年度に開始された1順目(先行検査)、2014、15年度開始の2順目(本格調査1回目)(11)、2016、17年度開始ないし開始予定の3順目(本格調査2回目)(2)(6)が実施されます。甲状腺検査は1次検査と詳細な2次検査に分かれています。2次検査が完了して検査が終わったことになります。以下に検査完了者÷二次検査対象者を現時点(4月8日)までの発表で集計した2次検査完了率を示します。
ほぼ完了した3順目までの二次検査
※1(12)を集計
※2 3順目の()内は実施年度
図―7 2次検査完了率
図に示すように1順目の検査では図―6との比較においてチェルノブイリでは発祥が増加する以前の事故後4年以内の2014年3月末に概ね終わっています。2、3順目の検査は同じくチェルノブイリでは増加がみられた4年目以降に確定しています。チェルノブイリの例を習うなら1順目の検査に比べ、2順目以降の検査は事故の影響を強く受けた結果が出ます。
以上の議論を纏めれば、
@福島で摂取制限が行われたのは、ヨウ素131の半減期より長い事故後10日後で、その間に福島の子ども達は内部被ばくした可能性がある。
Aヨウ素131の影響を絶対値として評価できなくとも、セシウム等で相対的な評価が可能である。
Bチェルノブイリの例の習えば事故3年以内にほぼ終わった1順目の検査に比べ、4年目以降に結果が確定した2順目以降の検査は事故の影響を強く受けた結果が出る。
になります。2順目以降の検査でセシウム汚染が酷い場所や人とそうでない場所や人を比較すれば事故の影響が分かりそうな気がします。
今は消えましたが、福島県の放射線リスクアドバイザーの高村昇氏は
「県民健康調査で行われている『甲状腺検査』のうち先行検査で甲状腺がんあるいはその疑いと診断された方の発症頻度を地域別に比較したところ、避難区域等の13市町村(田村市や伊達市、川俣町含む)で10万人当たり33.5人、中通りで38.4人、浜通り(避難区域以外のいわき市、相馬市、新地町)で43.0人、会津地方で35.6人と甲状腺がんの頻度はほぼ同じであり、少なくとも事故当時に東京電力福島第一原発の近くにいらっしゃった方に甲状腺がんが多いということはありません。」
との寄稿文を福島県地方紙の福島民報に寄せています(35)。以下に当該分における地域分けを記載します。
福島でも汚染が酷い13市町村、相対的にはマシな会津
※1(36)のデータを元に(37)に示す手法で4月1日に換算
※2 避難地域等の13市町村は避難勧奨地点が設定された伊達市および緊急時避難準備区域のみの広野町を含む(38)
※3 福島県の区域分けは(39)による。
※4 浜通り、中通りは13市町村以外
図―8 福島民報での甲状腺の区域分け
4月8日に34回福島県「県民健康調査」検討委員会が開かれましたが開かれました(1)。そこで福島を4地域に分けての検査の集計結果が発表になりました(2)。「悪性ないし悪性疑い者数」を「罹患者」、「悪性ないし悪性疑いの割合」を罹患率とすると、2,3順目(本格調査)の罹患率は
13市町村 検査 34,558人中 罹患者 22人 罹患率 0.064%
13市町村以外の中通り 検査152,697人中 罹患者 47人 罹患率 0.031%
13市町村以外の浜通り 検査 51,053人中 罹患者 16人 罹患率 0.031%
会津 検査 32,208人中 罹患者 7人 罹患率 0.022%
合計(福島県全体) 検査270,516人中 罹患者 89人 罹患率 0.033%
で、地域によって大きな差があります。
会津地方の13市町村も検査受診者は共に3万人を超える程度ですが、罹患者は13市町村22人、会津7人で3倍以上の開きがあります。このような事が偶然に起こる確率を計算したら、統計的に差があるとされる5%(7)を下回る0.6%でした。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
表―1 偶然に起こる確率の計算結果(対会津)
※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(40)による。
有意差検定表(対会津)
甲状腺検査は概ね以下の3スッテプで行われます。
@超音波検査(1次検査)
A詳細な超音波検査、血液検査、尿検査(2次検査、@で疑いがある方が対象)
B細胞診(2次検査、Aで疑いが残った方が対象)
そして、甲状腺検査を実際に実施している福島県立医科大学(41)は、2018年10月29日に開催された福島県県民健康管理調査・第11回甲状腺検査評価部会に(42)(43)(44)、会津地方は細胞診の受診率が低いとの資料が出しました(45)。すなわち
13市町村 2次検査受診 293人中 細胞診受診 38人 受診率13.0%
13市町村以外の中通り 2次検査受診 967人中 細胞診受診127人 受診率13.1%
13市町村以外の浜通り 2次検査受診 340人中 細胞診受診 31人 受診率 9.1%
会津 2次検査受診 188人中 細胞診受診 10人 受診率 5.1%
合計(福島県全体) 2次検査受診1,788人中 細胞診受診206人 受診率11.5%
でした(46)。
会津地方では最終段の「細胞診」の受診率が低く、甲状腺がんが見つかりにくいような主張です。ただし、何故に低いかは説明していません。
甲状腺検査は地域ごとに「年」を分けて実施されます。2順目検査は13市町村や中通りは2014年度から1次検査を実施したのに対し、会津地方は2015年度で1年遅れて始まりまりした。1次検査が終わった瞬間に結果が確定するわけではありません。2016年4月から3順目の検査(2016年度実施)(6)は、2年以上経た2018年4月になっても、2次検査の結果が確定していません。「細胞診」は最終段の検査であり、1次検査が終了してからそれなりの時間経過が必要です。以下に検査間隔と細胞診実施率の関係を示します。
時間と共に上昇する細胞診受診率
※1(45)集計
※2 細胞診実施率は、2次検査対象者に対する細胞診実施者の割合
図―9 検査間隔と細胞診実施率
図に示す様に検査間隔(1回目の検査からの経過年月)が長いほど細胞診実施率は向上しています。概ね、1年過ぎぐらいからは始まり、順次確定していきます。会津地方の細胞診実施率が低い理由の一つに、1次検査の開始が遅く、検査が完了していないことが考えられます。二順目の甲状腺検査結果の最終版は2018年3月31日までの集計ですが(6)、細胞診受診のデータは2017年6月30日までの集計でした(44)。2月22日に開催られた「第12回甲状腺検査評価部会」にも同様の資料がだされましたが(47)、集計は同じく2017年6月30日までです。時間が進めば、細胞診の受診率はあがるはずであり、事実を正確にに把握するには最新のデータが必要です。でも、1年以上も更新されていません。
また13市町村と13市町村以外の中通りの2次検査受診率はそれぞれ13.0%と13.1%で、ほぼ同じですが罹患率は0.064%と0.031%で倍以上の差があります。このような事が起こる確率を計算したら統計的の差があるとされる5%(7)を下回る0.4%でした。以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
表―1 偶然に起こる確率の計算結果(対中通り)
※計算方法は(=^・^=)の過去の記事(40)による。
有意差検定表(対中通り)
以下に0−19歳の方の事故後4ヶ月間の被ばく線量分布を示します。
1ミリシーベルト以上が少数の全体の被ばく線量
※1(46)を集計
※2 年齢は事故時
図―10 事故後4ヶ月間の0−19歳の被ばく線量分布
図に示す様に0−9歳と10−19歳の分布に大きな差はありません。0−19歳の被ばく線量分布はほぼ同一であり、これを甲状腺検査の対象である0−18歳にも適応できます。数値を記載すると
1ミリシーベルト未満の方 92,874人
1ミリシーベルト以上の方 50,960人
で(41)、被ばく線量1ミリシーベルト以上は38%で1ミリシーベルト以下が大半です。以下に1順目の検査で、罹患者と判定された方の事故から4ヵ月間の放射線量分布を示します。
1mSv未満が多い1順目の悪性または疑いの方
※1(11)を集計
※2 被ばく線量は事故から4ヶ月間
図―11 1順目(先行検査)罹患者の被ばく線量分布
図に示す通り1順目(先行検査)で見つかった罹患者の被ばく線量分布は図ー7と比較して全体の分布と大きな差はりません。数値を記載すると
1ミリシーベルト未満 47人(全体の71%)
1ミリシーベルト以上 19人(全体の29%)
です。
以下に2,3順目(本格調査)で見つかった罹患者の被ばく線量分布を示します。
1mSv以上の被ばくしたかが多い甲状腺がん罹患者
※(2)(6)を集計
図―12 2、3順目(本格調査)罹患者の被ばく線量分布
図に示す様に全体の分布(図−10)や1順目(図―11)に比べ、高線量側にずれています。数値を記載すると
1ミリシーベルト未満の方 18人
1ミリシーベルト以上の方 25人
で(2)(5)、被ばく線量1ミリシーベルト以上は約60%で1ミリシーベルト以上が多くなっており、数字が逆です。このような事が偶然に起こる確率を計算したら
全体の放射線量分布 0.6%
1順目と2,3順目の比較 2.5%
で共に、統計的な差が統計的の差があるとされる5%(7)を下回っています。
以下に偶然に起こる確率の計算結果を示します。
表―3 偶然に起こる確率の計算結果(基本調査との比較)
※ 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(40)による
有意差検定法(対基本調査)
表―4 偶然に起こる確率の計算結果(1順目検査との比較)
※1 計算方法は(=^・^=)の過去の記事(40)による
※2 黄色部分は計算による。期待値は1順目、2順目とも1ミリシーベルト未満の割合が同じとして、計算式は以下の通で計算
B=@(観測値)+A(観測値)
E=C(観測値)+D(観測地)
F=@(観測値)+C(観測値)
G=A(観測値)+D(観測値)
H=F+G
I=F÷H
@(期待値)=B×I
A(期待値)=B×(1−I)
C(期待値)=E×I
D(期待値)=E×(1−I)
Jはχ2の合計(I)と自由度3で計算
有意差検定表(対先行検査)
以上をまめると
@13市町村と13市町村にくらべれば汚染が少ない中通り(13市町村以外)を比較すると、13市町村の罹患率は倍以上である。
A全体の被ばく線量と2,3順目の検査を比較すると2,3順目の罹患者は高線量側にずれている。
Bチェルノブイリの例から事故影響が少ないであろうと思われる1順目検査と2,3順目検査で見つかった罹患者の被ばく線量を比較すると、2,3順目の罹患者の被ばく線量が高い。
との特徴が見受けられます。「県民健康調査」検討委員会の議論(49)を聞いていると結論は出ていませんが、限りなく黒に近いグレーです。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
公式には福島原発事故での直接の健康被害はなかった事になっています(50)。もし、直接の健康被害が確認されれば、安倍出戻り内閣が進める原発の再稼働(51)、福島県が主張する福島は「安全」(52)との主張が揺らぐと思います。そして東京電力はさらなる賠償の支払いを余儀なくされると思います。安倍出戻り内閣、福島県、東京電力にとって、福島の小児甲状腺がんは原発事故で引き起こされたものではあってはならないと思います。
御用学者なることがありますが(53)、福島県立医大は小児甲状腺がんと原発事故因果関係の否定することに熱心なようです。
2014年に1順目の検査で
「チェルノブイリ原発事故の後、当地における小児甲状腺がんの遺伝子変異のパターンはRET/PTC3 が多数を占めた。今回の(1順目で見つかった甲状腺がんの)解析では、この RET/PTC3 は確認されていない。ただし、この差異のみをもって、放射線影響の有無を判断するのは早計である。」
と、チェルノブイリと福島の甲状腺がんの「遺伝子変異のパターン」を比較して別物であるとしています(54)。だったら2順目以降の検査でも、同じ事をすればようと思うのですが、いまのところ実施していません。
昨年末に福島県立医大の先生が
「Incidence of Thyroid Cancer Among Children and Young Adults in Fukushima, Japan, Screened With 2 Rounds of Ultrasonography Within 5 Years of the 2011 Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Accident」
((=^・^=)訳「2011年の福島第一事故から5年間に子供や若者を対象に実施された甲状腺検査で見つかった、甲状腺がんの方の割合」
なる論文を発表しましました(55)。冒頭に
「Large-scale mass screening resulted in the diagnosis of many thyroid cancers even in young age; to avoid overdiagnosis, an improvement in screening strategy based on the understanding of the natural history of thyroid cancer will be urgently needed」
なんて記述があります。(=^・^=)訳では
「大規模な検査で若年者の多くが甲状腺がん診断されました。過剰診断を避ける為、甲状腺がんの自然経過を理解に基づけば、検査の改善が緊急に必要となった」
で、検査の見直しを求めています。一順目と二順目はおなじように年齢が上がると罹患率が上昇するので、1順目と2順目は同じ物であり、事故の影響は考えられないとしています。そして、現状の甲状腺検査は「過剰診療」であり、見直しが必要としています(55)(56)。ただし、1順目には認められなかった罹患率の地域差が2順めでは出たこと。1順目にくらべ2順目の罹患者の被ばく線量分布が高線量側にシフトしていることは記載されていません。
これを受けてと思いますが、福島県立医大の坪倉正治医師は(24)は
「一般的に放射線を浴びることで引き起こされる甲状腺がんは、年齢が低いほどリスクが高い。チェルノブイリでは事故時の年齢がより低いほど、多くの甲状腺がんが見つかりました。福島はその逆です。」
と、寄稿しています(57)。
原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)(58)は、福島事故での甲状腺被ばく線量の推計値を出しています(60)。以下に示します。
※(60)にて作成
図―13 甲状腺被ばく線量推定値
市町村別の患者数は2順(本格調査1回)目までしか、公表されていません(60)。以下に市町村別の罹患率を示します。
三春町では見つからい2順目の罹患者
※(61)を集計
図―14 2順目(本格調査1回)での甲状腺罹患率
(=^・^=)には似たように見えます。ところが福島県立医大の結論は
「震災時年齢が 6-14 歳の対象者および 15 歳以上の対象者において,線量依存性の悪性あるいは悪性疑い発見の性・年齢調整オッズ比の上昇傾向は認められなかった。」
です(62)。
4分割して統計的な差ナシと主張する福島県立医大
※(62)を引用
図―15 罹患率は甲状腺被ばく線量には関係ないとする甲状腺検査評価部会資料
よく見ると4分割で評価しています。統計はサンプル数が多いほど精度が上がります(63)。そこでサンプル数を稼ぐ為に2分割で評価してみました。すると
被ばく線量20mGy未満 検査 86,679人中14人が悪性ないしう疑い(罹患率0.016%)
被ばく線量20mGy以上 検査183,837人中57人が悪性ないしう疑い(罹患率0.031%)
で、罹患率に倍近い差がありました。このような事が偶然に起こる確率を計算したら、統計的な差がある5%(7)を下回る2.5%でした(64)。福島県立医大の解析はサンプルを細分化され、有意差が見えなくなっています。
福島の皆様の健康を守るべき福島県立医大が国、県、東京電力の意向を優先しているように見えます。これでは、福島の皆様は不安だと思います。
福島を代表する野菜にアスパラガスがあります(65)。4月に入りシーズンです。福島のアスパラガスはおいしいそうです(66)。福島県伊達市辺りもアスパラガスの産地です(67)。福島県は福島産アスパラガスは「安全」だと主張しています(68)。でも、福島県伊達市のスーパーのチラシには福島産アスパラすはありません。
他県産はあっても福島産アスパラガスが無い福島県伊達市のスーパーのチラシ
※(69)を引用
図―16 福島産が無い福島県のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2858.html
(1)第34回「県民健康調査」検討委員会(平成31年4月8日)の開催について - 福島県ホームページ
(2)(1)中の 資料3-1 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査3回目)】」実施状況 [PDFファイル/1.1MB]
(3)(1)中の 資料3-2 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査4回目)】」実施状況 [PDFファイル/1.05MB]
(4)第33回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成30年12月27日)の開催について - 福島県ホームページ中の 資料2-1 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査3回目)】」実施状況 [PDFファイル/992KB]
(5)第31回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成30年6月18日)の開催について - 福島県ホームページ
(6)(5)中の資料3-2 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査2回目)】」結果概要<平成29年度追補版> [PDFファイル/8.77MB]
(7)有意水準とは - 統計学用語 Weblio辞書
(8)放射線被曝とがんとの関連性3 | トピックス | 日本臨床検査薬協会
(9)県民健康調査について - 福島県ホームページ
(10)第3回「県民健康調査」検討委員会(平成23年7月24日開催) - 福島県ホームページ中の当日配布資料
(11)(5)中の 資料3-1 県民健康調査「甲状腺検査(先行検査)」結果概要 [PDFファイル/969KB]
(12)「県民健康調査」検討委員会 - 福島県ホームページ
(13)「福島の子供の甲状腺がん発症率は20〜50倍」 津田敏秀氏ら論文で指摘
(14)福島県における小児甲状腺超音波検査について
(15)県民健康調査における中間取りまとめ - 福島県ホームページ
(16)ヨウ素131 - Wikipedia
(17)半減期 - Wikipedia
(18)新潟県:新潟県原子力発電所事故による健康と生活への影響に関する検証委員会中の・会議資料(PDF形式 2015 キロバイト)
(19)報道発表資料 |厚生労働省
(20)放射能汚染された食品の取り扱いについて |報道発表資料|厚生労働省
(21)食品の出荷制限について |報道発表資料|厚生労働省
(22)食品の摂取制限及び出荷制限について(福島県及び茨城県) |報道発表資料|厚生労働省
(23)放射線学習会を開催します | 二本松市公式ウェブサイト
(24)GM管 - ATOMICA -
(25)東京新聞:11歳少女、100ミリシーベルト被ばく 福島事故直後 放医研で報告:社会(TOKYO Web)
(26)一般社団法人 日本臨床検査薬協会 | 臨床検査からわかるトピックス | 放射線被曝・がん | Q2
(27)坪倉先生の放射線教室:福島民友新聞社 みんゆうNet
(28)甲状腺の被ばく量に違い :坪倉先生の放射線教室:福島民友新聞社 みんゆうNet
(29)内部被曝(ないぶひばく)とは - コトバンク
(30)ホールボディカウンターによる内部被ばく検査 検査の結果について(平成30年10月分掲載) - 福島県ホームページ中の平成23年8月実施分
(31)「物理学的半減期」と 「生物学的半減期 - 環境省
(32)平成22・23・24年度 県内7方部環境放射能測定結果 - 福島県ホームページ
(33)放射線診療技術研修支援システム -社団法人 日本獣医師会-
(34)チェルノブイリ原子力発電所事故 - Wikipedia
(35)めげ猫「タマ」の日記 福島・小児甲状腺がん214人、まだまだ増える
(36)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成30年9月6日〜11月15日測定) 平成31年03月08日 (KMZ, CSV)」
(37)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2018年)
(38)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(39)福島県 - Wikipedia
(40)めげ猫「タマ」の日記 偶然に起こる確率の計算方法について
(41)甲状腺検査について - 福島県ホームページ
(42)第11回甲状腺検査評価部会(平成30年10月29日)の資料について - 福島県ホームページ
(43)第11回 甲状腺検査評価部会 - YouTube
(44)記者会見?第11回 甲状腺検査評価部会 - YouTube
(45)(42)中の資料1 本格検査(検査2回目)結果について [PDFファイル/356KB]
(46)第31回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成30年6月18日)の開催について - 福島県ホームページ中の 資料1 県民健康調査「基本調査」の実施状況について [PDFファイル/674KB]
(47)第12回甲状腺検査評価部会(平成31年2月22日)の資料について - 福島県ホームページ
(48)(47)中の 資料1-1 本格検査(検査2回目)の細胞診実施に関する分析結果 [PDFファイル/1.39MB]
(49)【ライブ配信】8日13時30分〜 第 34 回「県民健康調査」検討委員会 | OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
(50)朝日新聞デジタル:高市氏、原発発言を撤回 自民福島県連は党本部に抗議文 - ニュース特集
(51)再稼動を推し進める安倍政権 | ビジネスジャーナル
(52)福島県風評・風化対策強化戦略について - 福島県ホームページ
(53)御用学者 - Wikipedia
(54)第17 回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成26年12月25日開催) - 福島県ホームページ中の 「第57回 日本甲状腺学会学術集会」抄録より [PDFファイル/235KB]
(55)Incidence of Thyroid Cancer Among Children and Young Adults in Fukushima, Japan, Screened With 2 Rounds of Ultrasonography Within 5 Years of the 2011 Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Accident | Adolescent Medicine | JAMA Otolaryngology?Head & Neck Surgery | JAMA Network
(56)めげ猫「タマ」の日記 福島甲状腺検査の見直しが必要と福島県立医大
(57)甲状腺がんの世代に違い:坪倉先生の放射線教室:福島民友新聞社 みんゆうNet
(58)原子放射線の影響に関する国連科学委員会 - Wikipedia
(59)第12回甲状腺検査評価部会(平成31年2月22日)の資料について - 福島県ホームページ
(60)(59)中の参考資料5 UNSCEAR2013年報告書【抜粋】 [PDFファイル/1.47MB]
(61)第28回福島県「県民健康調査」検討委員会(平成29年10月23日)の開催について - 福島県ホームページ中の「資料2−1 県民健康調査「甲状腺検査【本格検査(検査2回目)】」結果概要 [PDFファイル/1017KB]」
(62)(59)中の 資料1-2 市町村別UNSCEAR推計甲状腺吸収線量と悪性あるいは悪性疑い発見率との関係性 [PDFファイル/9.35MB]
(63)大数の法則 - Wikipedia
(64)めげ猫「タマ」の日記 福島甲状腺、データを細分化し統計的な差を消した福島県立医大
(65)ふくしまイレブンエッセイ - 福島県ホームページ
(66)【あいづ食の陣】 こんにちは、会津アスパラです。 | 会津若松市>
(67)特産品情報 | 地区別くらし情報 伊達地区 | JAふくしま未来
(68)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(69)保原店|店舗・チラシ情報|リオン・ドール
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