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デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂―電力消費地と原発立地地域は協力関係、福島は大迷惑―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2823.html
2019/03/12(火) 19:42:43 めげ猫「タマ」の日記
昨年10月に改定された「放射線副読本」は、
「原子力発電については、大都市で使われる電気を、遠く離れた原子力発電所の立地地域で発電するという需給をめぐる協力関係があります。」
と記述し(1)、あたかも、電力消費地と原発立地地域は協力関係にあるように記述しています。でも、福島は原発で大変な迷惑を受けました。
発電所の役割は電気を作ることです。その電気で私たちの生活は維持できると思います。ところが、東京電力は福島、新潟、長野にも発電所を所有していますが、福島、新潟、長野には電気を供給していません(2)。それでも受け入れています。電気を供給しなくても、地元にメリットがある仕組みがあります。一つは電源三法交付金です。これによって発電所立地地域の産業基盤や社会基盤を整備する上で大きな役割を果たしています。例えば、道路や公園、上下水道、学校、病院など文化や福祉の向上を図る公共施設、商工業や農林水産業、観光などの地場産業の施設整備や人材育成など地域社会の発展を推進する礎を、地域に暮らす住民の方々と相談しながら築いていきます。さらに、発電所の運転開始後は、固定資産税をはじめとする事業税などの税収が、長期間にわたって税収として入ることになります(3)。ただし、主に恩恵があるのは発電所が立地する市町村です。たとえば福島第一が立地する大熊町(4)は約21億円を受け取っていますが(5)、隣接する浪江町(4)は約8500万円です(5)。固定資産税は市町村が課税するので(6)、隣接市町村には一切の恩恵はありません。
それでも、隣接自治体から発電所を止めろとの声はそれ程には上がらなかったともいます。東京電力は事故前には原子力発電所の放射能は五重の壁に守られており、外に出ることはないと主張していました。
5重の壁を喧伝していた東京電力
※(7)を引用
図―1 五重の壁で安全を主張する東京電力の2010年7月14日付資料
ところが福島原発事故で五重の壁はもろくも壊れ、放射能が福島を中心に各地に飛散しました。
※(8)の数値データを元に(9)に示す手法で3月1日時点に換算
図−2 事故から8年を経て、汚染されている福島
図に示す通り国が除染が必要だとする毎時0.23マイクロシーベルト(10)を超えた地域が福島では広がっています。事故から8年ですが福島は汚染されたままです。
事故による避難で亡くなったがいます(11)。自殺をした方もいます(12)(13)(14)。
そして多くの方が避難しました。
なかなか減らない福島の県外避難者
※(15)を集計
図―3 福島からの県外避難者数
食べものからセシウムが見つかるようになりました。
事故から8シーズン連続でセシウムが見つかる福島産米
※1(16)(17)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す。
※3 日付けは検査日
図―4 福島産米の詳細検査結果
事故8シーズン目もセシウムが見つかる福島市産リンゴ
※1 (17)を集計
※2 NDは検出限界未満(みつからない事)を示す
図―5 福島県福島市産リンゴの検査結果
当然ながら福島の皆さんは福島産を避けざるを得なくなったと思います。
福島県二本松市産米の全量全袋検査数が27万件を超えました(18)。同市は人口約5万人のしなので(19)、市民が食べるには充分な量です。同市辺りのお米は良食味・高品質です(20)。福島県は福島産米は安全だと主張しています(21)。でも、福島県二本松市のスーパーのチラシには福島産米はありません。
※(22)を引用
図―6 福島産米が無い福島県二本松市のスーパーのチラシ
福島県浪江町は事故で汚染され全域に避難指示がだされたのですが(23)、ほぼ2年前の2017年月に主要部分の避難指示が解除されました(23)(24)。
帰還が進まない浪江町
※1 帰還者は(25)による。
※2 新規移住者は浪江町在住者(26)(27)―帰還者(25)で計算
図―7 浪江町在住者
図に示す様になかなか住民が戻りません。あるお笑いたれとは、2月11日に自身のツイッターに
「自分の町がなくなることへの話が聞きたい。」
と投稿しました(28)。そして浪江町の皆さんも無くなるとおもっているようです。
「(町が)なくなってしまうと思うけど」話す浪江町民
※3月8日22時からのNHKの番組をキャプチャー
図―8 「(町が)なくなってしまうと思うけど」話す浪江町民
他にも色々な事が起こっています(29)。公式には福島原発事故の直接的影響は出ていないことになっていす(30)。ただし、事故後に被災3県のなかで、福島だけが合計特殊出生率をさげました。事故後に福島の女性は赤ちゃんが産み難くなりました。妊娠途中で自然死産をしてしまい元気な赤ちゃんを産めなかったお母さんが増えました(29)。
福島県飯舘村全域や葛尾村大部分への避難指示は事故から一ヶ月以上も後のの2011年4月22日に出されました。さらに避難指示が出た後も家畜の持ち出しが認められました。通常は男の子が多く生まれるのですが、この2村では女の子が多く生まれるようになりました(29)。
福島県二本松市は避難しなかった市町村のなかでは最も汚染が酷い市です。事故後に同市の女性の死者数が急増し、平均寿命が短くなりました(31)。
福島には地元には電気を供給しない東京電力の発電所の立地しています(2)。そして大事故を起こし、福島を大変な目にあわせました。ところが、昨年10月に改定された「放射線副読本」は、16ページの「原子力発電所の事故が、日本全国の電気の使用に影響を与えたのはなぜだろう。」との表題のコラムで
「原子力発電については、大都市で使われる電気を、遠く離れた原子力発電所の立地地域で発電するという需給をめぐる協力関係があります。例えば、原子力発電所の事故が起こる前は、関東地方で使う電気の約3割は福島県などに立地した原子力発電所で作られていました。」
と記述し(1)、あたかも、電力消費地と原発立地地域は協力関係にあるように記述しています。協力関係とは「お互いに補い合う間柄のこと」です(32)。でも、東京電力と福島の関係は「安全」でなかった原発を「安全」と嘘をつき、福島に立地しました。そして大事故を起こし、福島に大変な被害を出しました。どう見ても協力関係でなく、加害者と被害者の関係です。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
この副読本を通しての(=^・^=)の感想ですが、福島原発事故で福島が直面した問題をスルーしている気がします。もし、まじめに取り上げれば原子力発電所の再稼働に疑問をもつ子供が増えると思います。
原発立地で消費地と協力関係にあるのは、電源3法の交付金や固定資産税が入る立地市町村であって、立地地域ではありません。周辺の市町村にとっては迷惑施設です。2007年7月の中越沖地震(33)の時には火災(34)や放射能漏れ事故(35)をお越し、立地している柏崎市や刈羽村以外でも新潟県の観光客が減る等(36)の被害を出しました。
2007年の柏崎刈羽原発火災映像を放送したBSN
※(37)を転載
図−9 煙もくもく柏崎刈羽原子力発電所
この副読本では
「原子力発電については、大都市で使われる電気を、遠く離れた原子力発電所の立地地域で発電するという需給をめぐる協力関係があります。」
と、あたかも立地地域全体で協力関係ができるようなデマを書いています。
原発の立地地域全体で協力関係ができると多く方が誤解すれば、再稼働に反対する原発地域は「エゴ」なんて声が出て来て、原発再稼働がしやすくなると思います。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-2823.html
(1)放射線副読本(平成30年10月改訂):文部科学省
(2)東京電力ホールディングス - Wikipedia
(3)電源三法交付金制度 − 原子力と地域社会 | 電気事業連合会
(4)大熊町 - Wikipedia
(5)電源立地地域対策交付金 - 福島県ホームページ中の福島県における電源立地地域対策交付金に関する資料 [PDFファイル/1.91MB]
(6)固定資産税 - Wikipedia
(7)エネルギー館リニューアルオープン - 東京電力
(8)航空機モニタリングによる空間線量率の測定結果 | 原子力規制委員会中の「福島県及びその近隣県における航空機モニタリング(平成29年9月9日〜11月16日測定) 平成30年02月20日 (KMZ, CSV)」
(9)めげ猫「タマ」の日記 半減期でしか下がらない福島の放射線(2017年)
(10)国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠|東京都環境局 その他について
(11)双葉病院 - Wikipedia
(12)asahi.com(朝日新聞社):福島の野菜農家が自殺 摂取制限指示に「もうだめだ」 - 東日本大震災
(13)「原発の避難生活で自殺」 福島の遺族、東電を提訴 - 東日本大震災:朝日新聞デジタル
(14)<飯舘村102歳自殺訴訟>「じいちゃんの思い通じた」遺族ら安堵 | 河北新報オンラインニュース
(15)県外への避難者数の状況 - 福島県ホームページ
(16)全量全袋検査の検査結果 - 福島県ホームページ
(17)報道発表資料 |厚生労働省
(18)ふくしまの恵み
(19)トップページ | 二本松市公式ウェブサイト
(20)特産品情報 | 地区別くらし情報 安達地区 | JAふくしま未来
(21)全量全袋検査に関するよくある質問 - 福島県ホームページ
(22)安達店 | ベイシア
(23)避難区域見直し等について - 福島県ホームページ
(24)めげ猫「タマ」の日記 福島県浪江町、なくなるかも
(25)町民の避難状況 - 震災・原発事故からの復興 - 浪江町ホームページ
(26)広報なみえ - 浪江町ホームページ
(27)浪江町ホームページ トップページ
(28)村本大輔、浪江町巡る発言を謝罪 - エンタメ - 朝日新聞デジタル&w
(29)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、放射線副読本(平成30年10月改訂)―その21「福島は事故の影響を受けていない」
(30)高市早苗 - Wikipedia
(31)めげ猫「タマ」の日記 福島県二本松市女性の葬式が27%増
(32)「ウィンウィンの関係」の類義語や言い換え | 持ちつ持たれつの関係・共存関係など-Weblio類語辞典
(33)新潟県中越沖地震 - Wikipedia
(34)柏崎刈羽原子力発電所 - Wikipedia
(35)柏崎刈羽原子力発電所6号機の放射性物質の漏えいについて|TEPCOニュース|東京電力
(36)[PDF]PDF形式 858 キロバイト - 新潟県
(37)めげ猫「タマ」の日記 トラブルいっぱい東電原発(3月1週)―柏崎刈羽・安全審査の申請書を再提出―
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