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曾ては100万人に一人といわれた甲状腺がん。福一原発事故後の一斉検査で千人に一人程度の癌疑いが検出されて以後、なぜか「実際は千人に一人は見つかる物だが殆ど自然に治る」という「過剰診断説」が喧伝されるようになった。
チェルノブイリと傾向が異なるのは、汚染牛乳を与えるか避けるか、など条件が違う事にもよる。検査を辞めれば良い、とはどういう事か。
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「原発事故後の甲状腺検査のあり方は」IARC報告書を受けシンポ
投稿者: ourplanet 投稿日時: 金, 03/08/2019 - 06:01
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2379
環境省は7日、「原子力事故後の甲状腺 健康 モニタリングの在り方について 〜WHO国際がん研究機関の報告より」と題するシンポジウムを都内で開催した。報告書の提言は、次に原発事故が起きたい際、「全住民に対する甲状腺検査は推奨しない」というもの。シンポジウムのコーディネータは、2年前、福島県知事に面会し、甲状腺検査の縮小や国際的な機関の関与を求めた福島医大の山下俊一副学長が務めた。
●原子力事故後の甲状腺集団スクリーニングは推奨せず
シンポジウムではまず、IARCの環境・放射線部門のヨアキム・シュッツ部門長が講演。一般的ながんのスクリーニングに関する利益・不利益などについて説明したのち、甲状腺検査に言及。甲状腺がんでは生存率が高いため、検査が死亡率の低下には結びつかないとして、全住民に対する積極的なスクリーニング検査は推奨しないと述べた。また、100ミリ〜500ミリ以上の甲状腺被曝をした小児や胎児などには、検査プログラムを検討するよう提言した。
またシュッツ氏は、甲状腺ガンの罹患率を低下させるためにはガイドラインが必要と指摘。甲状腺検査以外にも、がん登録の整備や事故後の線量モニタリングの実施、安定ヨウ素剤の配布、事故前からの地域住民へのコミュニケーションが必要であるとの考えを示した。
・シュルツ氏が発表したスライド
http://tmnuc.iarc.fr/public/docs/TM-NUC_lay_summary_final2.pdf
・原子力事故後の甲状腺健康モニタリングの長期戦略:IARC 専門家グループによる提言(邦訳版)
http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/303719.pdf
●事故初期の線量計測に関心集まる
この後のシンポジウムでは、国際機関の関与を提言した山下氏本人が、コーディネーターとして登場した。
*(画像)シンポジウムのコーディネータを努めた山下俊一氏。http://www.ourplanet-tv.org/files/2019030702.jpg
最初に登壇したのは、ロシア・ブルナシヤン連邦医学生物物理学センター産業放射線衛生部のセルゲイ・シンカレフ部長。事故直後の放射性ヨウ素等のモニタリング方法について説明し、チェルノブイリ原発事故時には、1日100〜150人計測できるチームを100チーム編成し、約50万人の線量モニタリングを実施したと報告。事前の準備や計画が重要であると強調した。
続いて、イムス三芳総合病院貴田岡正史内分泌・代謝センター長と福島県立医科大学原子力災害医療・総合支援センターの長谷川有史 センター長が登壇。臨床上のリスク評価の重要性や事故後の混乱期の実情をそれぞれ紹介。報告書やガイドラインが充実していても、実際に運用する医療従事者の知識や経験が状況を左右するとの認識を示した。
参加者の関心が高かったのが、事故後の線量モニタリング。日本では、福島原発事故後、甲状腺の線量がほとんど計測できなかった実情を受け、使用する機器や計測場所などにについて質問が飛んだ。
*(画像)シンポジウム終了後の記者会見
同報告書を受けて、福島県でも甲状腺検査を中止すべきだとする意見が強まっていることに関し、シンポジウム終了後の記者会見で、記者が質問。福島県の検査について聞いたところ、シュッツ氏は、「これは福島県の検査には使えない」と強調。「福島県の経験は重要で、それを学ぶことで、この報告書ができた。この報告書は、これから原発事故が起きた時に備えるものだ」と、同報告書と福島県の甲状腺検査は切り離して考えるよう求めた。
今回のシンポジウムは、報告書作成の資金を提供した環境省の主催。その国内での初の成果発表だったはずだが、マスコミの撮影は冒頭だけ。また終了後の記者会見も一人一問に限られた。
国際がん研究機関 甲状腺検査特設サイト
http://tmnuc.iarc.fr/en/
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