韓国は中露側に寝返ったようですが、次の焦点は台湾ですね。 第二次世界大戦後に起こった中国大陸での国共内戦で、アメリカから膨大な軍事援助を得ていたにも関わらず中国共産党に敗れて蒋介石率いる中国国民党は台湾に逃れた。それ以降、「大陸反攻」を呼号し続けましたが、1975年に蒋介石総統は亡くなりました。 大陸の中華人民共和国は国力をつけて国交樹立国が増え、それをバックに1971年の国連総会で中国代表権は中華人民共和国にあるとの決議で、中華民国は国連から去りました。その時に中華民国を支持した日本の佐藤内閣が大打撃を受け、翌年退陣。その後は話が早い。田中内閣発足後、田中角栄首相、大平正芳氏らが中国を訪問し、国交を回復しました。 この後オーストラリアも1974年に中華人民共和国と国交を樹立。ますます国際的に孤立するようになった中華民国ですが、1980年にアメリカが中華人民共和国と国交を樹立。しかし、隠し玉があったんだな。 アメリカ議会は、中華民国を見捨てるのかと言う意見が強く、同年に台湾関係法を制定。この法律はアメリカの国内法なのがミソです。これによりアメリカは中華民国に兵器を売り続けることが可能となりました。これに中華人民共和国は当然反発します。 ●さて1980年代、中華民国では国民党の一党独裁を外し民主化が進みましたが、これは台湾関係法によるもので、言い換えればアメリカから内政干渉していたんですね。そして日本に留学経験を持つ李登輝氏が総統になりましたが、この頃から国号を中華民国から台湾に変更しようとする国号変更運動が盛んになります。 中国と台湾の間では、この頃に92年コンセンサスと言うのが決められました。これは、一つの中国を原則とする。但し、各自解釈とする。つまり、中華人民共和国から見れば、台湾も中華人民共和国だと。一方の中華民国側から見れば、大陸も中華民国なのだと。これが各自解釈の内容です。つまり、中国はひとつなんだと認めればよろしいと言うものです。 これを決めたのは、大陸側の中国共産党と、台湾側の中国国民党なのですが、李登輝氏の国号変更運動は、台湾は中国ではないと主張するもので、中華人民共和国のみならず、台湾の中国国民党から見ても敵対するものとなっています。 それで台湾の中は大きく割れてしまっている。現在の蔡英文総統の前の馬英九総統は、中華人民共和国の習近平国家主席とシンガポールで会談し、太いパイプができた。その成果をもとに2016年総統選挙に臨んだが、民進党の蔡英文候補に敗れてしまいました。 民進党が急速に勢力を拡大した背景には、CSISとCIAによる巨額の援助があると言われています。日本の岸信介、佐藤栄作、アベニヤフもCSIS、CIA勢力ですよね。つまり、蔡英文総統とつながっているわけだ。 ●もう2か月先に迫った台湾の総統選挙。これで現在のCSIS民進党・蔡英文が勝つか、国民党が勝つかで今後の東アジア情勢も変わってきます。国民党が勝てば、念願の中国統一に向けて大きく踏み出します。この場合、香港と同じように一国二制度で話がついています。 さてロシアですが、中露善隣友好協力条約によれば、ロシアは中国の台湾政策に協力するとありますので、2020年1月の台湾総統選挙が極めて重要なことが分かるでしょう。ロシア製の安くて性能の良い兵器を買うか、アメリカ製の高くて性能の悪い兵器を買うか、運命の分かれ道です。
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