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2024.08.06(国沢光宏)
https://engineweb.jp/article/detail/3350878
話題のクルマ、BYDのシールに試乗!
アット3、ドルフィンに続く、BYD第3のモデルとして登場したシールは、日本でも人気を博すテスラ3対抗のDセグメント・サイズのEVセダンだ。デザイン、性能、そして価格など、その出来は申し分ないものだったが……。モータージャーナリストの国沢光宏がリポートする。
500万円でフル装備のDセグが買える
いろんな意味で評価が難しいクルマかもしれない。一般的な輸入車と同じ基準で試乗した車両の印象を表現するなら、積極的に「良く出来ている。コストパフォーマンスが素晴らしい」となる。けれど「信頼性や耐久性まで含めたらどうか?」となれば未知数。どうなるか予想しづらい。100歩譲って200万円くらいで買えるクルマだとすればダメモトで乗ってみようかとも思うけれど、500万円近い金額を考えたらためらう。以下、そんな状況を考えながら参考にして頂ければ、と。
まずスペックだけれど、申し分なし。先着1000台は(当面売り切れないだろう)495万円〜という導入記念キャンペーン価格になっている。WLTCモードで航続距離640km(後輪駆動モデル)という実用上全く不満のない性能を持つ。3000回以上の充放電回数(フル充電とフル放電サイクル)かつ、燃えないリン酸鉄リチウム電池を使っているため、100万km以上走っても電池のヘタリを考えてなくていいというエンジン車を凌ぐ実用性を持つ。
装備は「付いてないものなどない!」と言い切ってしまえるほど充実している。フルスペックのADAS(運転支援装置)を始め、パノラマルーフ、ボタン操作で縦にも横にもなる15.6インチ液晶。車内にレーダーを装備し、幼児の置き去りを検知する機能まで付く。AVも775Wのディナウディオ12スピーカー・システムとなり、良い音で鳴る。495万円(国からの補助金は35万円。東京都なら別途45万円)でフル装備のDセグメントが買えると思えば、普通ならお買い得感でお腹いっぱいだ。
シートはモデルを問わず、ナッパレザー表皮が標準。運転席、助手席共に電動調整機能が備わる。後席の背もたれは6:4分割の可倒式。後席はけっこう広い。
乗るとどうか? 今回試乗したのは装備的に同じながら、前輪にも217馬力のモーターを持つAWDモデル。後輪駆動モデルの5.9秒ですら公道だと使い切れないくらい速い。後輪の312馬力と合わせ529馬力となり、0-100km /h加速3.8秒! ポルシェ911カレラが4.1秒である。第二東名の流入で40km /hから120km /hまで加速してみたが、これまたお腹いっぱい。ワインディング・ロードでも試乗したけれど、もはやスポーツカーのジャンルに含めていいほど。
実はこのクルマ、中国のミニサーキットで全開試乗した経験を持つ。コーナーの立ち上がりでアクセレレーターを床まで踏み込んだ時の前後バランスや、コントロール性、ブレーキ性能まで含め、よく仕上がっていると感心させられた。中国車とはいえ、クルマの開発に携わっているのは欧州や日本などの自動車メーカーからヘッドハンティングされた人ばかりという。欧州や日本だとお金を掛けられない部分までキッチリ仕上げているように思う。けっこう感心した。「そんなに良いなら自分で買わないのか?」と聞かれたら、答えに窮す。500万円などモノともしないお金持ちなら違うクルマを選ぶし、500万円が予算一杯であれば確実性のあるブランドにするだろう。「足」としての価格以上のクルマを選ぶときは、趣味性が重要。ゴルフクラブでも自転車でも、良いだけの道具など選ばない。自動車は人気タレントを起用するくらいじゃブランドを作れないと思う。日本でBYDを売りたいなら戦略が必要かと。
文=国沢光宏 写真=茂呂幸正
―――以上引用
500万円の車なんて、そこらじゅうあるんじゃないの?
横浜だけのお話かもしれないが?
今、売れている車は、いくらぐらいなのかね。
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