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2023年6月7日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/255015?rct=world
中国政府の電気自動車(EV)支援策で急拡大した自動車市場で、新興EVメーカーの淘汰とうたが進みつつある。購入補助金が終了すると大手各社が値下げに走り、収益環境が悪化したためだ。一方、世界のEV販売の約6割を占める中国で競争力を付けたメーカーは、海外市場に活路を求めている。今後、中国の苛烈なEV競争が世界に波及する可能性もある。(北京・白山泉、写真も)
◆政府の支援策でEVバブル
「実力のない新興勢力は存続の危機に直面している」。世界の自動車メーカーがEVの最新車種を出展した上海モーターショーから約1カ月。5月23日、中国経済専門紙は「新興EVメーカーの淘汰が始まっている」と報じた。2015年創業の「威馬汽車」が、資金繰りの悪化で従業員の減給や生産停止に追い込まれているほか、破産申請や給与の遅延をするメーカーが相次いでいるという。
渋滞対策のためのナンバープレート規制も使ってEV購入を促すなど政府の支援策が奏功し、22年のEV販売台数は前年比8割増の約540万台。経営危機に陥る不動産大手の恒大や、スマホのシャオミなど異業種の参入も相次ぎ、中国メディアによるとEVブランド数は70種類以上に上った。
◆「EVで世界の主導権を握ろうとしている」
政府は、EV普及の課題となっていた地方への充電スタンドの設置拡大などを進める方針を掲げる。EV産業の振興を加速する背景には、「ゼロコロナ」政策で落ち込んだ景気回復を図る狙いもある。欧州連合(EU)と米国がEV市場での競争力を向上させる産業政策を展開する中、「EVで世界の主導権を握ろうとしている」(日系企業関係者)との見方は根強い。
ただ、今年に入り、新エネルギー車の購入補助金が打ち切られると、米テスラなど大手が値下げ攻勢を展開。NIOや理想汽車、小鵬汽車(シャオペン)など、販売が増えている新興メーカーでも22年度決算は赤字となった。
NIOは、自社オリジナルのTシャツなどグッズ販売にも手を出すが、「市場シェアが多いBYDとテスラ以外は、収益化が難しい」と業界関係者。トヨタやホンダなど日本勢も中国でEV事業を加速する方針で、市場はより厳しくなると予想される。
◆将来、各国が中国車に関税をかけたら…
国内メーカーは厳しい競争にさらされており、シンクタンクの安邦は「国内の競争に巻き込まれた中国のEVメーカーにとって、海外市場が一筋の活路になる」と指摘する。中国自動車工業協会によると、今年1〜3月期の中国の自動車輸出は前年同期比58%増の107万台。日本の約95万台(日本自動車工業会より)を超えて世界トップとなった。
企業別で輸出が最も多いのは大手の上海汽車で、今年4月は前年同月比2.6倍の8万2000台。BYDは8位の1万5000台だが、同16.5倍と急伸する。1〜3月期のEV輸出先上位3カ国はベルギー、オーストラリア、タイとなっている。
輸出の急増が貿易摩擦を招く懸念も指摘されており、中国自動車工業協会の幹部は中国の自動車業界紙の取材に「将来的に各国が中国からの輸入車に関税をかけた場合、多くの中国企業はこうした事態への備えがない」と答えた。
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