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バルクル・カザフ自治県のキョルヤカ遺跡で発見された約3300年前の大型住居跡。(資料写真、バルクル=新華社配信)
https://news.livedoor.com/article/detail/19499156/
2021年1月7日 17時58分
新華社通信
【新華社ウルムチ1月7日】中国の新疆東天山考古調査隊はこのほど、新疆ウイグル自治区哈密(ハミ)市バルクル・カザフ自治県にあるキョルヤカ(海子沿)遺跡の中心部で、約3300年前の大型住居跡を発見したと発表した。東天山地区でこれまでに発掘された中で最も規模が大きく、構造も整った単体建築遺構だという。
調査隊の責任者の1人、西北大学文化遺産学院考古学部の任萌(じん・ほう)副主任は住居跡について、紀元前約1300〜同約900年の間に2度使用され、構造もほぼ変わっていないと指摘。東西約45メートル、南北約40メートルで、内壁と外壁からなる複数の壁体と10余りの部屋が残されており、部屋同士は複数の通路でつながっていたとし「複雑な構造と広大な面積を持ち、北のバルクル湖からわずか800メートルしか離れていないことから、われわれは『デラックス・レイクビュールーム』と呼んでいる」と語った。
発掘調査では、紀元前約900〜同約800年の3回目の使用時に元の壁体を埋めて土台を造り、その上に平らなスペースを設けていたことが分かった。人工土台の上からは、破損した土器やかまど跡、大麦、火を使った痕跡などが見つかった。調査隊は、当時の人々がこの時すでに壁に囲まれた家ではなく、土台の上に設置したテントに住んでいたと推測する。
調査隊はまた、人工土台が廃棄された後も同地に人が活動していたことを示す紀元前800〜同400年ごろの墓10基余りを発見した。これらの墓は遊牧化の特徴を色濃く備えていた。
調査隊が西北大学地質学部と協力して実施したバルクル湖の湖面変化の調査では、紀元前1000年以前の水位が現在よりもはるかに高く、気候も比較的温暖湿潤だったことが分かった。その後、水位が下がり始めると気候は乾燥して冷涼となり、干ばつに強い草原植物が大量に出現した。
任氏は「気候変動の過程で、定住による農業や牧畜業が維持できなくなり、生活様式が集住型から分散型、遊牧型へ移行したのではないか」と推測。この時代の考古学的発見を詳細に研究することで、遊牧経済の起源など重要な問題を理解する有力な手掛かりが得られるとの見方を示した。(記者/張暁竜、周曄)
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