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中国の人権弾圧を黙認する公明党の罪
創価学会・池田大作と周恩来の縁がそんなに大事か
2021年4月12日 デイリー新潮
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/04121146/
4月6日、「人権外交を超党派で考える議員連盟」が発足した。新疆ウイグル自治区や香港では中国当局による弾圧が今も行われている。日本でも制裁の法整備が可能か、国会議員が超党派で議論するという。この議連と公明党の“距離感”が永田町で注目を集めている。
設立総会ではウイグル、ミャンマー、香港の在日関係者が、現地の実情を報告。制裁措置を科す「人権侵害制裁法案」などを検討するとした決議もまとめた。
手元に議員連盟の「結束の呼びかけ」がある。3月31日付となっており、発起人代表は、自民党の中谷元・元防衛相(63)と、国民民主党の山尾志桜里・衆議院議員(46)だ。
中谷・山尾両議員も含め、「発起人」は全部で11人。表にしてまとめてみたので、ご覧いただきたい。
“人権外交”議連の発起人一覧 【上】
下】の表は野党議員が中心で、まさに超党派だと一目瞭然だ。
ところが、ある政党名が、表から抜け落ちているのに気づかれた方はおられるだろうか。そう、発起人に公明党の国会議員の名前だけがないのだ。
共産が公明を批判
これに反応したのが、共産党の志位和夫委員長(66)だ。
産経新聞は4月2日、「共産・志位氏『毛沢東を一番礼賛したのは公明』 人権議連めぐり皮肉」という記事を配信した。
志位委員長は1日に会見を開いたが、公明党の議員が議連に参加しなかったことに言及したのだ。
《志位氏は、不参加の理由を「私は知らない」と断りつつ、「公明党で思い出すのは、文化大革命のときだ。一番、毛沢東を礼賛したのは公明党だったというのを今、思い出した。それとこれが関係あるかどうか知りませんけど」と付け加えるように語った》
念のため、産経新聞も記事で「公明党は参加していない」と指摘した部分も引用させていただく。
《議連の発起人には自民、立憲民主、国民民主、共産、日本維新の会の各党に加え、無所属の議員が名を連ねている。当初、発起人に加わる予定だった公明党の議員は、3月24日の発起人会の当日になって参加を取りやめた》
“竹入メモ”の衝撃
なぜ公明党と議員は、中国の横暴に対処しようとしないのか。謎を解く鍵は、創価学会の公式サイトにある。
1974年12月、現在は創価学会の名誉会長を務める池田大作氏(93)は、滞在中の北京で、首相だった周恩来(1898〜1976)と面会を果たした。
公式サイトには《池田大作先生の足跡》というコーナーがあり、周恩来のページには、彼が言ったとされる《「よくいらっしゃいました。池田先生とは、どうしてもお会いしたいと思っていました」》との言葉が大きく記されている。
創価学会の取材経験がある記者が言う。
「池田氏が当時、日中国交回復に意欲を見せていました。1972年には、衆議院議員で公明党の委員長だった竹入義勝氏(95)が中国に飛び、日中国交正常化の極秘交渉を行います。日米安保容認などの“言質”を取った『竹入メモ』は、当時の首相だった田中角栄(1918〜1993)や外務省に衝撃を与え、日中国交正常化につながります」
創価学会・公明党が考えていた以上の厚遇を、中国共産党は行う。
「マグニツキー法」
両者の間には、たちまち太いパイプが構築された。
「池田氏が海外の国や機関などから送られた350の称号のうち、半分は中国からのもの、という記事が月刊誌に掲載されたこともありました。習近平(67)は2012年に総書記に就任しましたが、初めて会見に応じた日本人は、公明党の山口那津男代表(68)だったことも記憶に新しいですね」(同)
2019年8月、周恩来と池田氏の会談から45周年を記念して制作された日本画を、山口代表が自ら天津市に飛び、現地にある周恩来の記念館に寄贈した。
AFP通信は「周恩来総理と池田大作氏の会見45周年 天津で記念絵画の寄贈式典」との記事を配信し、以下のように指摘した。
《1974年12月5日、重病を患っていた周恩来総理は、北京の305病院の病室で池田氏と歴史的な会見を行った。両氏は中日の平和友好事業に共に力を注ぐ中で深い友情を築いた》
これほどまで親中派なら、確かに公明党は議連と距離を置く必要があるのかもしれない。
日本国憲法の精神
議連の発起人代表を務める中谷元防衛相に取材を依頼した。
「アメリカで2012年、人権を侵害した個人や組織に対し、資産凍結やビザ発給制限の制裁を科す通称『マグニツキー法』が制定しました。その後、世界中の先進国が同じ法整備を行ってきたのですが、日本は出遅れています」
日本国憲法は前文に《専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ》と記している。
中谷元防衛相は「日本版マグニツキー法は、まさに日本国憲法の精神にかなうものだと考えています」と語る。
公明党の議員は当初、議連に参加する動きもあったという。
「もともと『対中政策に関する国会議員連盟(JPAC)』があり、私と山尾さんが共同代表を務めています。国会議員は新しい議連の必要性を感じると、阿吽の呼吸で事を進めていくんですね。あっという間に話し合いがついて1月27日に議連の発起人会を開きましたが、その時には公明党の遠山清彦さん(51)も参加していました。ところが2月1日に議員を辞職されました」
慎重な山口代表
1月26日、文春オンラインは「公明党のホープ・遠山清彦前財務副大臣『深夜に銀座高級クラブ』で党から厳重注意」の記事を配信。週刊文春でも記事が掲載され、清山氏は議員を辞職した。
すると日本経済新聞や産経新聞は3月30日、山口代表が「マグニツキー法」の制定に慎重な態度を示したと報じた。
ここでは産経の記事「公明・山口代表『根拠なければ』 ウイグル対中制裁に慎重姿勢」から引用させていただく。
《日本が対中制裁に踏み切る欧米諸国と足並みをそろえるべきかについて慎重な考えを示した。「わが国が制裁措置を発動するとすれば、(中国当局の)人権侵害を根拠を持って認定できるという基礎がなければ、いたずらに外交問題を招きかねない」と述べた》
《山口氏は中国が日本にとって最大の貿易相手国であり、幅広い日中の交流の歴史があることを指摘し、「国際的な緊張の高まりや衝突を回避し、(緊張を)収められるような積極的な対話を日本こそ主導すべきではないか」と強調した》
公明党の本音は?
このような経緯を経て、4月6日を迎えた。結論を先に言えば、公明党の三浦信祐参議院議員(46)が出席し、「人権外交は極めて重要。しっかりと議論に参画させてもらいたい」と挨拶した。
だが、同じ日、公明党の山口代表は記者会見で「個々の議員の自主的な判断で対応するものだ」と慎重な姿勢を崩さなかった。
更に産経新聞は、この4日前の4月2日、「対中非難決議、首相訪米後に採択延期へ」の記事を掲載した。
超党派の日本ウイグル国会議員連盟など6団体は、中国の深刻な人権侵害行為を非難する国会決議を、4月初旬に行うことを目指していた。
ところが産経新聞の報道によると、《公明党幹部が時期に関しては慎重な姿勢を示した》という。記事には《6団体は改めて今国会中の決議を目指す》とある。
これでは、三浦参議院議員は、“形ばかりの出席”と言われても仕方あるまい。
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