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シリア進攻のエルドアン大統領、停戦を拒否 米政府の要請に応じず
2019/10/16
BBC News
シリア北部への進攻を続けるトルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領は15日、即時停戦はしないと述べ、アメリカのドナルド・トランプ大統領による働きかけに応じない姿勢を示した。
エルドアン氏はこの日、記者団に対し、「アメリカは『停戦を宣言しろ』と言っているが、我々は決して停戦宣言などしない」と述べた。
「アメリカは我々に軍事作戦を止めさせるために圧力をかけ、経済制裁を課した。我々の目的は明らかだ。我々はいかなる経済制裁にも不安はない」
16日に直接交渉
米政府はトルコ側に直接、即時停戦を求めるため、16日からマイク・ペンス副大統領とマイク・ポンペオ国務長官を派遣する予定だが、エルドアン氏は2人の訪問を前に釘を刺した。
米財務省は14日、シリア進攻を受け、トルコの2省庁と政府高官3人に対し、経済制裁を課すと発表。ペンス副大統領は、トルコが「即時停戦を受け入れない限り、そして受け入れるまで」トルコへの経済制裁は強化されるだろうと警告していた。
トランプ大統領が6日にシリア北東部からの米軍撤退を発表すると、トルコは9日、クルド人民兵組織「人民防衛部隊(YPG)」を完全排除するため、YPGが支配するシリア北部への進攻を開始した。
米軍撤退をめぐっては、トルコのYPGへの攻撃を「承認」することになると批判が殺到した。
「目的達成まで」軍事行動を継続
シリア政府が、YPG支援のために北部への部隊派遣に合意したことが13日に明らかになったものの、トルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領は、「目的が達成される」まで軍事行動を続けると強調している。
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トルコとシリアの衝突は「容認しない」
一方、シリアにとって軍事上重要な同盟国のロシアは15日、トルコ軍とシリア政府軍の衝突は認めないと述べた。
アラブ首長国連邦(UAE)を訪問中のロシアのアレクサンドル・ラブレンチェフ、シリア特使は15日、トルコ軍とシリア政府軍の争いは「まったく容認できない。(中略)我々はそんなことはもちろん認めないだろう」と述べた。
トルコは、シリア国境から約30キロにわたる一帯を「安全地帯」として確保したい考え。しかし、ラブレンチェフ氏は、これまでの合意内容では、トルコはシリア国境から5〜10キロの距離までしか前進できないほか、永続的にシリア国内に軍を配備する権限はないと主張。衝突を避けるため、シリアがトルコ側と接触していると明かした。
ロシアがクルドとシリアを仲介
ラブレンチェフ氏はまた、クルド人部隊が軍事援助の見返りにシリア政府軍に領土を譲渡するという取引を、ロシア側が仲介したことを認めた。
ロシア国防省は、2015年からシリア国内に駐留するロシア軍が、バシャール・アル・アサド政権とクルド人部隊の「停戦ライン」周辺を巡回していると述べた。
アメリカが戦闘機を配備
米国防総省は15日、シリア北部アインイッサ近くに駐留する米軍の地上部隊に、トルコが支援する親トルコ勢力が接近したため、これを威嚇するため、F-15戦闘機とアパッチ攻撃型ヘリコプター数機を配備したと明らかにした。
トルコ支援勢力は米軍部隊に脅威を与えてはならないという合意に違反したためだと、同省幹部は説明している。
民族浄化への懸念
トルコ政府は、YPGをテロ組織と認定。クルド人地域のトルコからの独立を訴えているクルド労働者党(PKK)も、YPGと関係していると考えている。
安全地帯からYPGの戦闘員を完全に排除したいトルコは9日、シリア北部への侵攻を開始した。トルコは、シリア内戦などでトルコ領内に避難してきたシリア難民360万人のうち、最大200万人をこの安全地帯に移住させたいとしている。
こうした難民の多くはクルド人ではないため、北部地域のクルド人の民族浄化につながると懸念する声が上がっている。
国連によると、トルコ軍の進攻により、これまでに民間人数十人が死亡し、少なくとも16万人が避難を余儀なくされたという。
米軍撤退は「裏切り」と批判
アメリカを中心とした連合国がシリアで過激派勢力「イスラム国」(IS)を破ることができたのは、クルド人勢力の協力によるところが大きい。
YPGは、トルコ南部と国境を接するシリアで活動している。YPGはシリア民主軍(SDF)の大部分を占めており、SDFはアメリカ軍の支援を受けてイスラム過激派組織IS掃討に貢献した。
クルド人部隊は、米軍撤退を「裏切り」と呼び、IS復活を促進し、トルコからの攻撃にクルド人部隊をさらすことになると批判した。
トルコ軍の進攻による混乱に乗じて、シリア北部で拘束されている数千人のIS元戦闘員や家族が結集する可能性が不安視されている。すでにIS戦闘員の家族数百人が逃走したとされる。
シリア北東部の現状は?
クルド人部隊との合意の一環として、シリア政府軍は14日、国境地域への進軍を開始した。
アサド政権の部隊がシリア北部に進攻するのは2012年以来で初めて。シリア政府は当時、他地域で反政府組織との戦いに注力するため、この地域から撤退した経緯がある。
その後、シリア北東部はクルド人の勢力下に入った。アサド大統領はクルド人が求めていた自治は認めなかったものの、特にクルド人がIS掃討作戦でアメリカと協力し始めてからは、この地域を取り戻すことはしなかった。
アメリカにとってはIS掃討作戦のほかにも、ロシアやイランをこの地域から引き離すためにもクルド人の存在は重要だったと言われている。
シリア政府軍は、戦略上重要な、クルド勢力が支配するシリア北部の町マンビジへ進軍した。マンビジはトルコが安全地帯を想定しているエリア内に位置する。一方で、トルコ軍が制圧したとしているタル・アブヤドとラス・アルアインへの配備は、現時点では予定されていない。
なぜマンビジが重要なのか
クルド人部隊は2016年、ISからマンビジを奪還した。以降、トルコは国境に近いこの都市に圧力をかけ続けてきた。トルコはシリア領内のクルド人武装勢力を、テロ組織とみなしている。
過去2年の間、数百人もの米兵がその存在を明示しながら、市内を巡回してきた。2017年3月には、米国防総省が同地域に米兵を配備。トルコによる軍事行動をあからさまに阻止し、双方を安心させるため、目立つ形で星条旗を車両に取り付けた。
このような光景は、シリアのほかの地域では見られない。こうした警戒が続く中、今年1月には自爆テロが発生し、米兵4人が死亡した。
そうやって続いた米軍の駐留が、ここへきていきなり終わることになった。米軍報道官はツイッターで、「連合軍は、シリア北東部からの計画的に撤退している。我々はマンビジを後にした」と明らかにした。
マンビジ周辺を制圧
米軍が出ると、シリア政府軍とロシア軍はただちにマンビジに入った。
ロシア国防省によると、シリア政府軍は、マンビジ周辺の1000平方キロメートル以上を制圧したという。
同地域で撮影された写真には、シリア国旗とロシア国旗を付けた軍事車両が市内へ移動する様子が写っている。
トランプ大統領による米軍撤退の発表から1週間余りで、シリア内戦の状況が劇的に変化した。
ツイッターには、ロシアの軍事記者が米軍基地だった場所に入った際の映像が投稿された。急いで撤退した際に、置き去りにされたとみられる備品などが残されていた。
人道支援の状況は
国際医療NGO「国境なき医師団(MSF)」は、シリア北東部での活動と、職員の撤収を発表した。
「直近の状況によって人道支援の必要性が高まってはいるものの、現在の危険な状態の中で支援を続けるのは不可能だ」と、MSFの緊急対応責任者ロバート・オヌス氏は述べた。
「きわめて遺憾ながら、MFSは活動の大部分を中断し、シリア北東部から国際スタッフを退避させるという厳しい判断を下した」
(英語記事 Russia vows to prevent Turkey-Syria clashes/Turkey rejects US call for Syria ceasefire)
提供元:https://www.bbc.com/japanese/50065023
シリア・トルコ国境で交戦続く 米軍撤収の空白にロシア部隊
2019年10月16日 6:53
発信地:ラスアルアイン/シリア [ シリア 中東・北アフリカ ロシア ロシア・CIS 米国 北米 ]
シリアのラスアルアインから立ち上る煙。トルコ側の国境の町シャンルウルファから撮影(2019年10月15日撮影)。 (c)Ozan KOSE / AFP
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【10月16日 AFP】トルコが越境軍事作戦を展開しているシリア北部では15日、クルド人勢力が国境沿いの要衝の町ラスアルアイン(Ras al-Ain)をトルコ側部隊から防衛するための戦いを繰り広げた。一方、ロシアは米軍の撤収に乗じ、新たな地域に自国軍の部隊を派遣した。
米国とクルド人勢力はイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」掃討作戦で数年間にわたり協力してきたが、米軍の撤収により見捨てられた形となったクルド人勢力はシリア政府に支援を要請。シリア政権軍は14日夜、対トルコ国境に近い要衝都市マンビジ(Manbij)に入った。一方、トルコ側の部隊は計画されている攻勢に先立ち西方に集結している。
クルド人を主体とする民兵組織「シリア民主軍(SDF)」はシリア北東部の各地でトルコ軍やトルコ側につくシリア武装勢力と交戦。マンビジの東方に位置するラスアルアインでは、クルド人勢力が地下道や狭道、塹壕(ざんごう)で必死の抵抗を試みている。トルコ政府は周辺地域を掌握したと主張しているが、現地のAFP特派員によれば周辺では15日も衝突が続いた。
一方、ロシア国防省は、米軍がマンビジ周辺の基地から撤収し、シリア政権軍が同市を「完全に掌握」したと発表した。米主導の有志連合も撤収を認め、「われわれはマンビジから離れた」と述べている。米軍は、2016年にクルド人勢力によるISからのマンビジ奪還を支援して以降、同市に駐留していた。
ロシア政府によれば、同国憲兵隊はトルコ政府と協力し、シリア政権軍とトルコ軍を隔てる地域で巡回を続けている。ロシアのシリア特使アレクサンドル・ラブレンチェフ(Alexander Lavrentyev)氏によると、トルコとシリアの両当局は両国軍の衝突を避けるために連絡を取り合っているという。(c)AFP/Nazeer al-Khatib with Delil Souleiman in Tal Tamr
https://www.afpbb.com/articles/-/3249674
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