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ワシントンが対サウジアラビア攻撃でイランを非難しなければならない理由 アメリカによる防衛の失敗
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2019年9月19日 マスコミに載らない海外記事
Finian Cunningham
RT
公開日時:2019年9月16日16時06分
編集日時:2019年9月16日16時16分
サウジアラビア石油産業に対する衝撃的電撃作戦は、イランのせいにするアメリカ当局者による相次ぐ非難を招いた。責任転嫁の理由は単純だ。同盟国サウジアラビアを防衛する上での、ワシントンの壮大な失敗だ。
フーシ派反抗者が、石油王国の中枢地域に対するこのような大胆な襲撃を実行したのを認めれば、アメリカの力不足を認めることになるので、サウジアラビアに対する最近の軍事襲撃に対して、トランプ政権はイランを身代わりにする必要があるのだ。
近年サウジアラビアは、アメリカ・パトリオット・ミサイル防衛システムや、おそらく最先端のレーダー技術を国防総省から購入するのに、何十億ドルも費やしている。もしイエメン反抗者が、サウジアラビア領域内に最長1,000キロも無人戦闘機を飛ばし、王国の石油産業最重要の精油所を破壊できるなら、それは「保護者」アメリカにとって、大いに当惑する問題のはずだ。
アメリカによるサウジアラビア防衛は、両国の歴史的関係に深く関連している。ドルで貿易される地球最大のサウジアラビア石油輸出は、オイルダラー国際市場を維持・管理する上で極めて重要であり、また経済大国アメリカにとっても極めて重要だ。引き換えに、アメリカはサウジアラビア君主国家の保護者であることを義務づけられており、それには毎年何十億ドルもの武器を王国に売れるという儲かる追加利益が伴っている。
ストックホルム国際平和研究所によれば、サウジアラビアの軍事予算は、アメリカと中国に続き、世界で三番目に大きい。年間、約680億ドルの金を使っており、国内総生産(8.8パーセント)の比率に関し世界ナンバー1だ。パトリオット・ミサイルシステムが特に値のはる物で、サウジアラビアの兵器の大部分がアメリカから購入されている。
ところがその全ての財政的な気前の良さや、最高のアメリカ軍事技術にもかかわらず、石油王国は、その肝要な石油産業に対する損害の可能性が大きな空爆の波に会っている。首都リヤドの東205マイル(330キロ)、アブカイク巨大精油コンプレックスへの空爆に続き、炎に巻き込まれた後、サウジアラビア石油生産は50パーセント減った。東部の州のフライスにあるサウジアラビア最大油田の一つも部分的に閉鎖された。
サウジアラビア当局が認めているより損害はずっと重大だという信用できる報告がある。これら重要な工業サイトは修復するのに何週間も要するかもしれない。
「イランは世界のエネルギー供給に対する未曾有の攻撃を開始した」と主張したとき、マイク・ポンペオ国務長官は半分正しかった。
そう、それは未曾有だ。だがポンペオや他のアメリカ当局者がイランのせいにしたのは、間違っている可能性が高い。
トランプ政府の一部高官が、アメリカ・メディアで、サウジアラビアの石油施設で見られた巨大な火の玉は「巡航ミサイル」によるものだと言った。一人は匿名発言が引用されている。「イランがこれに対する責任があることには疑いようがない。逃げようがない。他に、やりそうな者はいない。」
イランに対する非難を実証しようとするあわただしい取り組みで、アブカイク精油コンプレックスに対する空襲後と思える衛星画像が発表された。爆発の位置は兵器が南のイエメンからでなく、イランかイラクから来たことを示すとアメリカ当局は主張している。
通常は忠実なニューヨーク・タイムズさえ記事でコメントして、この主張に疑いを表明した。「日曜に発表された衛星写真は、当局が言うほど明快ではなく、一部は、イランあるいはイラク方向からではない、施設の西側で損害を示しているように見える。」
ポンペオや他の連中による非難は実証された主張ではなく、断定だ。
ドナルド・トランプ大統領が、名指しでイランを公然と非難するのを思いとどまり、可能性をほのめかしただけだったのは注目すべきだ。イランを名指す上で、ポンペオがそれほど強固なのに、トランプはなぜそうしなかったのだろう? 「彼らが誰が攻撃の原因だと信じるかについて」サウジアラビアの「検証を待って」いると言って、大統領は示唆的な発言をした。アメリカ当局が明示的にイランを非難しているのに、トランプは、なぜサウジアラビアからの「検証」が欲しいと言っているのだろう?
イランは、ポンペオ発言は「見る目のない」、対立を仕組むのも同然だと言って、イランが何らかの関与をしていたという申し立てを、きっぱり切り捨てた。
イラクのアデル・アブドルマハディ首相も、イラク領土がイラン擁護のシーア派過激派闘士により空爆するために使われた可能性があるという主張を否定した。
イエメンのフーシ派反抗者はサウジアラビアの石油設備爆撃実行を主張する明確な声明を発表した。彼らは具体的に、兵器はミサイルではなく、無人飛行機で、10機の無人機(UAV)を使用したと付け加えた。
大半のアメリカ・メディアが、当初攻撃はイエメンから飛ばされた無人機によるものだと報じたのも注目に値する。他のUAVが空爆を実行する前に、最初アメリカのパトリオット・レーダーシステムを停止させるの無人機を使った攻撃の精巧さをAP通信は報じた。
従ってアメリカ当局は、イランを非難して説明を切り換えようと試みているように思われる。論理的結果は、イランに対する軍事攻撃実行ということになり、その場合、テヘランは戦争準備ができていると警告しているので、これは無謀な責任転嫁だ。
イランを非難する理論的根拠は(イランが政治的に支援している)イエメン反政府派がサウジアラビア石油産業に対し、このように劇的に成功するほど活用できないと言い続けているだけだ。犯人はイランに違いないと論拠は言うのだ。これはこの夏早々ペルシャ湾での石油タンカーに対するイランによる破壊工作とされているものの続きだ。
しかしながら、予定がフーシ派が永久に強力な弾道ミサイルともっと深い鋭い無人飛行機をサウジアラビア領に向かって発射することができるという程度を越えていることを示す。反抗者はアメリカに支援されるサウジアラビア・UAE連合がアラビア南部の国に2015年3月に開始した戦争の初めから、ドローンを使っていた。
これまでの四年にわたり、フーシ派の空爆能力は次第に向上してきた。かつて、サウジアラビアは、アメリカ防衛システムで、イエメンからの無人飛行機やミサイルを途中で迎撃することが可能だった。だが去年、反政府派は、首都リヤドを含めサウジアラビア内部の標的に命中する成功率を上げた。
今年5月、フーシ派ドローンがサウジアラビアの重要な東西パイプラインに命中した。8月、無人飛行機と弾道ミサイルが、アラブ首長国連邦(UAE)国境近くのシャイバ油田と、サウジアラビア東部の州のダンマーム輸出コンプレックスに命中したと報じられた。
ほぼ90,000人もの死をもたらした彼らの国に対する何年もの容赦ない空襲の後、サウジアラビアとUAEに戦争を持ちこむとイエメン人は主張している。最近、国連報告が、サウジアラビア連合に対する彼らの軍事支援を通した戦争犯罪となり得る共謀のかどで、アメリカとイギリスとフランスを非難した。
サウジアラビアとUAEの君主の中には、戦争で荒廃し、餓死しそうなイエメンの反政府派が今、彼らの石油経済を破壊できるドローンを持ってやって来るという恐怖があるに違いない。その上、大言壮語していた保護者アメリカは、何十億ドルもの国防総省兵器にもかかわらず、戦略上の約束を果たすことできずにいるのだ。それが、イランに悪党の役を振り当てて、ワシントンが口実を見いださなければならない理由だ。
Finian Cunninghamは国際問題について広範囲に書いている、受賞ジャーナリスト。
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記事原文のurl:https://www.rt.com/op-ed/468935-saudi-oil-field-drone-attack/
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