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米国による占領に政府や議会が反発を強めているイラクで米軍は各部族の武装強化
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2019.05.20 櫻井ジャーナル
イギリスを拠点とするアラビア語のメディア「新アラブ」によると、イラク西部のアル・アンバールにあるアメリカ軍の空軍基地で、同軍の司令官たちが地域の部族リーダーたちと会議を開いた。その際、アメリカ側は部族リーダーに対し、各部族へ武器を供給すると約束したという。 現在、イラクの政府や議会はアメリカ軍に対し、国外へ出て行くように求めはじめている。アメリカ政府、特にマイク・ペンス副大統領、マイク・ポンペオ国務長官、そしてジョン・ボルトン国家安全保障補佐官はイランを攻撃する姿勢を見せているが、これに対する反発で反米感情が高まっている。部族を武装集団かするのは、そうしたイラク政府などの力を弱めるためだと考えるべきだろう。 アル・アンバールはシリア、ヨルダン、サウジアラビアに接する地域で、アメリカ軍は少なくともふたつの軍事基地を建設済み。今回、会議が開かれた基地はイギリス軍も使用しているとされている。 ここからシリアへ入った地域は油田地帯。アメリカ軍がクルドを使って占領、ここに近づくシリア政府軍やロシア軍の顧問を攻撃してきた。そのシリア側の地域へダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)の戦闘部隊が安全に移動できるようなルートをアメリカ軍は建設しようとしているのではないかとアル・アンバールの役人たちは疑っている。 またイラクでの報道によると、同国の治安を担っているハシド・アル・シャービ(人民動員軍)の現地司令官は、アメリカ軍がシリアとの国境周辺を偵察して入手した情報、あるいはハシド・アル・シャービから入手した情報をシリア東部にいるダーイッシュへ渡しているという。 シリアからイラクへかけての地域は一時期、ダーイッシュに支配されていた。彼らは2014年1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にモスルを制圧している。 モスル制圧の際にトヨタ製小型トラック「ハイラックス」の新車を連ねた「パレード」が行われ、その様子を撮影した写真が世界に伝えられてダーイッシュの存在は広く知られるようになった。 このパレードが行われたことで疑惑の目がアメリカの軍や情報機関に向けられる。本ブログでも繰り返し書いてきたが、偵察衛星、無人機、通信傍受、人間による情報活動などでアメリカの軍や情報機関は武装集団の動きを知っていたはずで、容易に攻撃できたからだ。 ダーイッシュが売り出されたわけだが、その直後に彼らは残虐性をアピール、西側では報復の雰囲気が作られ、アメリカ主導軍がシリアで勝手に空爆を始めた。その空爆でシリアのインフラは破壊され、市民が殺され、その一方で武装勢力へは「誤投下」で物資を提供することになった。ダーイッシュの占領地域は拡大、ダマスカスへ迫る。 ダーイッシュ的な集団の登場をアメリカ軍の情報機関DIAは2014年8月の時点で警告していた。ホワイトハウスに提出された報告書の中で、反シリア政府軍の主力はサラフ主義者やムスリム同胞団だと指摘、戦闘集団としてアル・ヌスラ(AQIと実態は同じだと指摘)の名前を挙げている。それだけでなく、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフ主義者の支配国が作られる可能性があると警告していた。 この警告をした当時のDIAを指揮していたのはマイケル・フリン中将。ダーイッシュが売り出された2014年にホワイトハウスの内部で中東政策を巡って激しいやりとりがあったようで、この年の8月にフリンは解任され、退役を強いられる。 退役後の2015年8月にフリンはアル・ジャジーラの番組へ出演、その際に司会者からダーイッシュの出現を見通していたにもかかわらず阻止しなかった責任を問わる。 それに対し、フリンは自分たちの任務はできる限り正確な情報を提出することにあり、その情報に基づいて政策を決定するのは大統領の役目だと答えている。当時の大統領はバラク・オバマ。つまり、オバマ大統領の「穏健派支援」がダーイッシュを生み出し、勢力を拡大させたというわけだ。 DIAの警告通りにダーイッシュが出現、支配していた地域をアメリカ軍が占領している。2015年9月にロシア軍がシリア政府の要請で介入してからダーイッシュを含むジハード傭兵の支配地域が急速に縮小していくが、そこへシリア政府軍が入る前にアメリカ、イギリス、フランスなどが軍隊を入れたのだ。あからさまな侵略だ。 1991年12月にソ連が消滅して以来、こうした侵略をアメリカの好戦派は世界規模で続けている。ユーゴスラビアからはじまり、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、イラン等々。アフリカのサハラ砂漠以南でも傭兵を使った侵略を始めた。東南アジアでもそうした兆候が見られる。 侵略を正当化するためにアメリカの支配層はさまざまなタグを作った。例えば、民主化、人道、テロとの戦争、大量破壊兵器、R2P(保護する責任)等々。こうしたタグをもっともらしく見せるため、偽旗作戦も行われてきた。 アメリカによる支配を肯定したい人はこうしたタグを信じたいだろうが、アメリカ支配層のこうしたやり方に辟易している人が増えている。買収、恫喝、暗殺、クーデター、侵略戦争という従前通りの手法で世界を支配しようとしているが、通じなくなりつつある。中には全面核戦争も辞さないという勢力も存在するようだが、支配層の内部にもそれにはついて行けないという人が少なくないだろう。 |
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