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2002年から続く米の軍拡政策はINF条約破棄に到達、露大統領は反撃の警告
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2019.02.21 櫻井ジャーナル
ドナルド・トランプ米大統領は2月1日にINF(中距離核戦力)全廃条約の破棄をロシアへ通告、それを受けてロシアは条約義務履行の停止を宣言した。アメリカはロシアの開発した弾道ミサイル、イスカンダル(9M729)が条約に違反していると主張している。 条約では射程距離が500から5500キロメートルの地上発射型核ミサイルの開発を禁止しているのだが、イスカンダルは280から400キロメートルで、禁止の対象外。その程度のことはアメリカ側も承知しているだろう。 アメリカ支配層が軍拡の方向へ舵を切ったのは遅くとも2002年のこと。ジョージ・W・ブッシュ政権が一方的にABM(弾道弾迎撃ミサイル)から離脱したのだ。 バラク・オバマ大統領もこの決定に逆らっていない。2014年当時、核兵器関連でアメリカは30年間に1兆1000億ドルを投入するとしている。 21世紀に入ってウラジミル・プーチンがロシアを再独立させたとはいうものの、ボリス・エリツィン時代にロシアは疲弊、アメリカに対抗できる軍事力は存在しないと考えられていた可能性が高い。 例えば、アメリカ支配層の機関誌的な存在であるフォーリン・アフェアーズ誌が2006年3/4月号に掲載したキール・リーバーとダリル・プレスの論文は、アメリカ軍の先制第1撃でロシアと中国の長距離核兵器を破壊できるようになる日は近いとしている。つまりアメリカはロシアと中国との核戦争で一方的に勝てるというわけだ。そうした判断に基づき、アメリカ支配層はABMから離脱したのだろう。 しかし、イスラエルやアメリカを後ろ盾とするジョージア軍が2008年8月に南オセチアを奇襲攻撃した際、ロシア軍の反撃で侵略軍は粉砕されてしまった。つまり、アメリカやイスラエルの軍隊はロシア軍と同じような規模で衝突すると負けるということだ。シリアでの戦争でロシア製兵器の性能は高いことが確認されている。 アメリカは2010年7月にポーランドとイージス・アショアの設置で合意、ルーマニアが続いた。日本も購入することになっているこのシステムが使用するランチャーは攻撃型の巡航ミサイルであるトマホークと同じで、ソフトウェアーを変更すれば攻撃用の兵器になるとされている。アメリカ軍は韓国へTHAAD(終末高高度地域防衛)を強引に配備した。 そしてINF条約の廃棄。プーチンは2月20日に行って演説でアメリカ側がこの条約で禁止されていたようなミサイルをヨーロッパへ配備した場合、配備された国だけでなくアメリカもターゲットにすると釘を刺している。その意味を戦争で自国が戦場になることを想定していないアメリカの支配層は理解できるのだろうか? |
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