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https://jp.sputniknews.com/opinion/201901255847422/
海自、宇宙の有事に備える
© AP Photo / Gemunu Amarasinghe
オピニオン
2019年01月25日 22:33
ドミトリー ヴェルホトゥロフ
日本版全地球測位システム(GPS)として機能するみちびき(準天頂衛星システム)が2021年度にも陸上自衛隊や海上自衛隊で本格的に運用される方針だ。読売新聞が報じるところ、防衛省はGPS衛星の破壊や信号の妨害を懸念している。防衛省筋は、GPS衛星が攻撃された場合、自衛隊の運用が麻痺するおそれがあると述べた。
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GPSは米国と日本を始めとする同盟国の装備システム、兵器、部隊に非常に深く統合されている。各隊員がナビゲーション機器を所有しているほどだ。火砲やミサイルの使用、海軍の運用は今や、GPSなしには不可能に近い。GPS衛星が撃墜されるか信号が妨害された場合、米軍や同盟国軍は正常な運用が不可能になる。さらに、アフガニスタンやシリアで起きたように、GPS信号は敵に傍受され、諜報データ収集に用いられている。
© 写真: Ministry of the Environment Government of Japan
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米国は長年GPSの代替システム開発に取り組んでいる。だが今のところ、ぜい弱性が改良された代替システムは登場していない。だが日本の「みちびき」などを予備システムとして用いることは可能だ。
「みちびき」は昨年11月1日から4機体制で本格的に稼働している。4機は静止軌道で日本、インドネシア、オーストラリアあたりの上空を常に移動している。茨城県つくば市に運用センターがあり、さらに追跡センターが数個存在する。「みちびき」は政府との契約に基づき、NEC傘下の準天頂衛星システムサービス株式会社が開発・運用している。
現在、「みちびき」は緯度・経度・標高の3点でGPSの誤差を修正し、高精度な位置情報を提供する。だが自衛隊が関心を持っているのは、GPSが戦争開始で使用できなくなった場合でさえ、「みちびき」が少なくとも太平洋西部ではGPSと置換可能であることだ。防衛省は、2021年度には護衛艦に受信機を配備し、運用を本格化する方針だ。
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ここで最も興味深いことは、2021年度の導入が、自衛隊の将来の計画に関してかなりはっきりと示していることだ。少なくとも21年度までに日米軍司令部は太平洋地域で大規模な戦争を想定していないか、可能性が低いと考えているとかなりの確信を持って言える。
そうでなければ、「みちびき」の本格運用は急ピッチで進められただろう。位置情報システムは今、部隊と兵器の管理における最重要要素だ。これなしには飛行も航行も射撃もできない。
2024年度には「みちびき」を7機体制にする計画もある。衛星追加は位置情報の正確さと信頼性を高める。脅威が大きければ、新たな衛星はスケジュールを予め定めずに打ち上げられていただろう。
2021年の本格運用開始は、そのあとに緊張の度が大幅に高まり、衝突が起きる可能性に備えて日本が準備を進めていることを示す。衝突は近い将来、宇宙空間でも展開しかねない。これは衛星を使用不可にできる諸国との衝突だ。
© 写真: JMSDF
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これらの措置すべてが、宇宙を含む空間で軍事力を急速に伸ばす中国抑制に向けられていると仮定できる。2007年1月、中国は古くなった自国の人工衛星を撃墜するとともに、衛星攻撃ミサイルとその弾頭を宇宙でテストした。
他方では、「みちびき」の位置する軌道は最良の方法では黄海、東シナ海、南シナ海の海域をカバーする。この海域は緊張の度が高まる可能性が最も高い。そしてそもそも、「みちびき」は東インドとハワイ諸島の間の箇所を覆っている。
このように、海自は1年以内に新たな戦場である宇宙で起きかねない有事に備えている。
タグ 宇宙, 衛星, 軍事, 海上自衛隊, 米国, 日本
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