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海上自衛隊が画策する「空母保有計画」その全貌がついに判明 日米中のバランスが大きく変わる可能性
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57907
2018.10.11 半田 滋 現代ビジネス
「空母」兼「護衛艦」に
海上自衛隊が検討を進める空母保有計画の全容が明らかになった。ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」型をほぼ原型のまま活用し、垂直離着陸戦闘機「F35B」を搭載する。任務に応じて、F35Bと対潜水艦(対潜)ヘリコプター「SH60」を積み替える。
これにより、1隻で「空母」と対潜水艦戦が主目的の「護衛艦」という2つの機能を併せ持つ多用途艦となり、新たに空母を建造するコストを節約できる利点がある。ただ、政府はこれまで「攻撃型空母は保有できない」との見解を示しており、論議を呼ぶのは必至だ。
2017年7月のスリランカ親善訪問のようす。右下が「いずも」(海上自衛隊公式サイトより)
空母は「洋上の航空基地」にあたり、戦闘機や爆撃機が発進する敵基地や敵艦隊への攻撃を主任務とする。海上自衛隊は創隊以来、空母保有を検討してきたが、「専守防衛」の制約や世論の反発を考慮して保有を見合わせてきた。
しかし、1990年代に輸送艦「おおすみ」を建造する際、空母のように甲板が平らな全通甲板とし、艦橋を右舷に寄せて操縦性などを確認した。次には全通甲板を持つヘリコプター搭載護衛艦「ひゅうが」を建造。さらに「ひゅうが」の甲板を51メートルも延長して、全長248メートルの広大な全通甲板を持つ「いずも」を建造した。
「いずも」は対潜ヘリ3機を運用するヘリコプター搭載護衛艦「しらね」の後継艦のため、その主任務は対潜水艦戦にある。最大で14機のSH60を搭載し、そのうち5機を同時に離発着させることができる。
護衛艦とはいえ、構造上の「空母らしさ」は随所にみられる。
甲板上を歩かなくても移動できる「キャットウォーク」を左右の艦舷に持ち、甲板を自由に使えるよう工夫する一方、自らを守るためのミサイルも魚雷も搭載していない。最初から他の護衛艦に守られる「空母のような艦艇」(海上自衛隊幹部)として誕生したのである。同型に「かが」がある。
防衛省は2016年12月12日、「DDH(ヘリコプター搭載護衛艦)の航空運用能力向上に係る調査研究」と称して、自衛隊が保有していない新種航空機を、「いずも」型を活用してどのように運用できるかアイデアを公募。防衛産業でもある造船会社のジャパンマリンユナイテッドが受注した。
今年4月に公表された調査報告書によると、調査対象の新種航空機はF35Bに加え、いずれも米国製の固定翼無人機「RQ21」、回転翼無人機「MQ8C」の3機種。これらの運用について「いずも」型が「高い潜在能力を有している」と評価する一方、艦の改修などが必要とした。ただ、報告書は大半が黒塗りで、詳細は知りようがない。
この報告書とこれまでの海上自衛隊の検討内容を重ね合わせて見えてきたのが、「いずも」をほとんど改修せずに「空母兼護衛艦」として活用する案だ。
海上自衛隊関係者は「海上自衛隊として対潜水艦戦機能を維持する必要があり、『いずも』から護衛艦の役割を削るわけにはいかない。同時に空母機能を持たせるには、改修を最小限にして多用途艦として生まれ変わるほかない」と説明する。
F35Bは垂直に離着艦する際、高温の噴射熱を出すことから甲板の補強が必要という。一部には「『いずも』はF35Bの使用を前提に建造されている」との説もあるが、同関係者は「(垂直離着陸輸送機の)オスプレイの噴射熱に耐えられる程度。より高温となるF35Bの離発着は想定していない」と説明する。
中国海軍の空母「遼寧」のようなスキージャンプ型の甲板に改修すれば、発進する航空機に燃料やミサイルを多く積める利点があるものの、「いずも」の構造上、難しいばかりでなく、ヘリコプター運用の支障となるおそれがあり、行わない。
甲板がジャンプ台のように湾曲している中国海軍の空母「遼寧」(CC BY-SA 2.5, Photo by Baycrest)
「日米共同運用」も可能になる?
海上自衛隊が注目するのは、米海軍の強襲揚陸艦「ワスプ」の新たな運用方法だ。「ワスプ」は今年1月、米海軍佐世保基地に配備された。沖縄の米海兵隊の遠征部隊「第31海兵遠征隊」を輸送する役割があり、その際、F35B、オスプレイなどを搭載する。
米海軍は、空母、巡洋艦、駆逐艦などを組み合わせて編制する重厚長大な空母打撃群は「小規模作戦に対応するにはコストがかかり過ぎる」として、強襲揚陸艦を空母がわりに使い、駆逐艦に護衛させる遠征打撃群の活用を始めた。
また、英海軍は最新空母「クイーン・エリザベス」に英軍の戦闘機ではなく、米海兵隊のF35Bを搭載する米英共同運用を始めている。
こうした米英両海軍の最近の動向は、海上自衛隊の空母保有計画に確信を与えている。「いずも」と「ワスプ」は全長、全幅ともほぼ同サイズ。そして在日米海兵隊はF35Bを岩国基地に配備している。
海上自衛隊としては (1)自衛隊がF35Bを調達して「いずも」に搭載する、(2)必要に応じて米海兵隊のF35Bを「いずも」に搭載する、といった「自衛隊単独」「日米共同運用」という二種類の使い方を選択できる。
対潜水艦戦に活用する場合は、これまで通り、SH60を搭載する。任務によってはF35B、SH60、オスプレイを混載することも可能だ。
一方、航空自衛隊は米空軍と同じタイプのF35Aを42機導入するものの、今のところ、F35Bを採用する計画はない。自衛隊が空母艦載機部隊を持つとすれば、(1)航空自衛隊がF35Bを導入して「いずも」にパイロットごと送り込む、(2)海上自衛隊がF35Bを調達して初めて戦闘機パイロットを養成する、のどちらかとなり、今後の検討課題だろう。
米海軍のF35B(Photo by gettyimages)
目的は「離島防衛」だけではない
ところでなぜ、今、空母が必要なのか。
最大の理由は、中国の軍事力強化に対抗して沖縄の離島防衛を強化するためである。
安倍晋三政権下の2015年4月、「日米防衛協力のため指針」(ガイドライン)が改定され、地球規模での日米連携を約束する一方で、1997年改定の前ガイドラインと比べ、日本防衛をめぐる米軍の関与は大幅に後退した。
ガイドラインには、米軍は「自衛隊の作戦を支援し及び補完するための作戦を実施する」とあり、「支援と補完」程度の関わりにとどまることになった。
日本政府が米政府にガイドライン改定を持ちかけた狙いは、自衛隊を米国の世界戦略に積極的に差し出すことにより、尖閣諸島をめぐる中国との対立に米国を日本側に引き込むことにあった。しかし、その思惑は外れ、「見返りなき日米同盟の強化」だけが進み、自前で離島防衛を強化するほかなくなったのである。
離島防衛を想定するならば、あえて空母を保有しなくても既存の航空自衛隊基地や民間空港を出撃基地として活用すればよいので、現状でも十分ということになる。むしろ潜水艦や航空機の餌食になりかねない空母は、護衛が必要となるため、自衛隊の戦力が分散されるマイナスもある。
だが、空母保有の狙いは離島防衛だけではない。海上自衛隊には、米海軍との結びつきをさらに強める材料とする思惑がある。
現在、海上自衛隊は「かが」など護衛艦3隻をインド太平洋に派遣して、インドなどを親善訪問している。その途中、潜水艦「くろしお」と合流し、初めて南シナ海で対潜水艦戦訓練を行った。
中国が内海化を図る南シナ海に海上自衛隊の潜水艦が潜む可能性を示しただけでも十分、中国政府を刺激した。将来、空母に改修された「いずも」や「かが」が南シナ海に現れたとすれば、どうだろうか。
中国に対抗して、艦艇を差し向け、「航行の自由作戦」を展開する米国は大いに歓迎することだろう。その一方で、南シナ海の緊張を高める懸念材料になるのは間違いない。
現在、海上自衛隊は「かが」など護衛艦3隻をインド太平洋に派遣して、インドなどを親善訪問している。その途中、潜水艦「くろしお」と合流し、初めて南シナ海で対潜水艦戦訓練を行った。
中国が内海化を図る南シナ海に海上自衛隊の潜水艦が潜む可能性を示しただけでも十分、中国政府を刺激した。将来、空母に改修された「いずも」や「かが」が南シナ海に現れたとすれば、どうだろうか。
中国に対抗して、艦艇を差し向け、「航行の自由作戦」を展開する米国は大いに歓迎することだろう。その一方で、南シナ海の緊張を高める懸念材料になるのは間違いない。
昨年6月、南シナ海で行われた日米豪加共同巡航訓練。中央が「いずも」(海上自衛隊公式サイトより)
「攻撃的兵器」はわが国にふさわしいか
とはいえ、安倍首相が旗振り役を務める「積極的平和主義」は自衛隊の軍事力の積極活用を意味し、自民党国防部会も今年5月、「多用途運用母艦」という名称の空母の保有を提言した。
来年度、改定される「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」に「空母保有」ととれる表現が書き込まれるのは確実だろう。
問題は憲法との整合性である。憲法9条に基づく「専守防衛」のもと、政府は「性能上もっぱら相手国の国土の壊滅的な破壊のためのみに用いられる攻撃的兵器」の保有を禁じてきた。
空母保有をめぐる議論は古くから国会で続いていたが、瓦力防衛庁長官が「攻撃型空母を保有することは許されない」(1988年3月11日参院予算委)と明言する一方、「憲法上保有しうる空母はある」(88年4月12日衆院決算委)とも述べ、このとき「防御型空母を保有できる」とする政府見解が示された。
その例として政府は、対潜ヘリコプターを積んだ対潜空母を示し、シーレーン(海上航路)防衛を念頭に置いた答弁を繰り返した。これに対し、野党側は「攻撃型空母と防御型空母をどこで区別するのか」と追及したが、政府は一貫して空母の保有計画について否定し続け、論争が下火になったいきさつがある。
その後30年が経ち、海上自衛隊の「願望」に近い空母保有計画は、安倍政権の軍事力強化の政策と共鳴し、現実のものとなりつつある。
日本防衛の視点、対米協調のあり方からの検討が欠かせないものの、空母という「攻撃的兵器の保有」が平和国家・日本に相応しいのか否かがもっとも重要な論点ではないだろうか。
海上自衛隊が画策する「空母保有計画」その全貌がついに判明 : https://t.co/jZmalxOwKN #現代ビジネス
— 現代ビジネス (@gendai_biz) 2018年10月10日
海上自衛隊が画策する「空母保有計画」その全貌がついに判明 日米中のバランスが大きく変わる可能性 #SmartNews
— カズ (@303306momo) 2018年10月11日
新しいのを造る方が早い😓 https://t.co/AAHMFpMHMz
安倍は単純に南シナ海を飛ぶ自衛隊戦闘機が見たいだけだろう。根拠や合理性など後付でなんとでもなることは、この6年で充分学習したはず。 / “海上自衛隊が画策する「空母保有計画」その全貌がついに判明(半田 滋) | 現代ビジネス |…” https://t.co/g70ysnRRJO
— questiontime (@questiontime_bm) 2018年10月11日
海上自衛隊が画策する「空母保有計画」その全貌がついに判明>>>どうせ高額なら、中途半端な事をせずに、本格的に全長300m以上・船幅70m以上の新しい艦船を、空母を4隻、建造すべき。あと防衛力上げるなら、各海峡に、対艦・対空のミサイルの配備が効果的。
— 乾坤一擲。 (@wakoutamahagane) 2018年10月11日
現代ビジネスの記事だけどヒステリックに批判するわけじゃなく現実に基づいた冷静な分析。こういうのが読みたいんですよ…海上自衛隊が画策する「空母保有計画」その全貌がついに判明(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース https://t.co/Vh0S72eGHw
— 吉田親司 (@yoshidachikashi) 2018年10月12日
➡画策したのは「日本政府」
— オリオンの風 (@orion1223star) 2018年10月11日
海上自衛隊が画策する「空母保有計画」その全貌がついに判明 日米中のバランスが大きく変わる可能性
ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」型をほぼ原型のまま活用し、垂直離着陸戦闘機「F35B」を搭載する。
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— 八目 (@MSubpost) 2018年10月12日
口で言うのは簡単だけど、アメリカがF35Bを日本に売ると言った訳じゃないのだよ。まさに翼なき空母w
海上自衛隊が画策する「空母保有計画」その全貌がついに判明(現代ビジネス) https://t.co/dWTQJcnnPs
— たっちゃんero (@tachannotinpo) 2018年10月11日
垂直離着陸戦闘機が、すでに存在する事は分かっていた。建造する時点から言われている。安倍政権得意の手法だ。詐欺師安倍政権は、日本を危機に導く!
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