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シリア政府のイドリブ奪還を防ぐため、米政府は軍事的な恫喝を続ける(その2)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201809050001/
2018.09.05 櫻井ジャーナル
ロシア軍はシリアへ武器/兵器を運び込んでいるだけでなく、地中海には最新鋭のフリゲート艦2隻、つまりグリゴロヴィチ提督とエッセン提督を含む15隻が配備された。ロシア軍がカスピ海からシリアのターゲットを攻撃できる巡航ミサイルを持っていることもすでに証明済み。シリアを占領しているアメリカ、イギリス、フランスなどの部隊はそのターゲットになってしまう。
それに対し、アメリカはUAV(無人機)を含む高性能兵器をジハード傭兵へ供給、シリア軍やロシア軍と戦わせようともしている。すでにUAVを使った攻撃は何度か実行されているが、ロシアのメディアによると、トルコから200機のUAVが運び込まれた。トルコ人とチェチェン人の専門家も一緒だ。
NATO軍が1999年にユーゴスラビアを空爆する前には人権侵害、イラクを攻撃する前には大量破壊兵器といった作り話が流され、リビアやシリアでは民主化運動という偽情報が宣伝された。当然、西側の有力メディアもこうした嘘を熟知していたはず。そして化学兵器話。この嘘を使う理由は、今のところ、そのストーリーが最も効果的だと考えているからだろう。
西側で生活している人びとにとってアメリカは支配者であり、アメリカに逆らうと不利益を被る。目先の利益を考えれば、「賢い人」はアメリカに従う。そこで、アメリカに従うことを正当化する理由を求め、そうしたものがあれば飛びつく。そのひとつが化学兵器話だ。
もしアメリカの支配層が敗北を認め、世界制覇プランを放棄した場合、自分たちが戦争犯罪人として処罰されると恐れている可能性はある。
ロバート・マクナマラとカーティス・ルメイは第2次世界大戦の終盤、日本の67都市を焼夷弾で焼き尽くした作戦を作成した空軍の中心メンバー。マクナマラは大戦後、フォード自動車の社長を経て1961年から68年にかけてアメリカの国務長官を務めた。ルメイはSAC(戦略空軍総司令部)を経て1961年から65年にかけて空軍参謀長を務めている。マクナマラによると、ルメイは自分たちが行った空爆について、戦争に負けたなら戦争犯罪人として処罰されると語っていた。
1991年12月にソ連が消滅すると、ネオコンをはじめとするアメリカの好戦派は自国が冷戦に勝利し、唯一の超大国になったと認識して侵略戦争を始めた。冷戦の終結で平和な時代になると考えた人びとは冷戦の本質を見誤っていたのだ。
ユーゴスラビアから始まり、アフガニスタンやイラクを軍事侵攻、リビア、シリア、ウクライナはアル・カイダ系武装集団やネオ・ナチを傭兵として使ってアメリカは侵略してきた。ジョージアによる南オセチアへの奇襲攻撃はアメリカとイスラエルが黒幕だ。
こうした侵略を正当化するため、有力メディアを使って偽情報を流してきたが、本ブログでも説明してきたように、その嘘は見え見え。アメリカの好戦派はマクナマラやルメイと同じことを考えているだろう。つまり、負けるわけにはいかない。負けるなら人類も道連れだと考えている可能性は小さくない。(了)
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