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2023年5月1日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/247265
家族や隣人への愛を説く宗教が、なぜ子どもや親族を奪うのか—。親がキリスト教系の宗教団体「エホバの証人」の信者である宗教2世の女性(39)=千葉県=は、15年前に脱会してから、信仰を続ける親族に交流を断たれる「忌避」の状態が続いている。身に覚えのない虐待通報をされ、シングルマザーとして育ててきた子ども3人も親族に引き取られた。女性は「家族がそろって過ごす当たり前の日常を返してほしい」と訴える。(太田理英子)
◆むち打ちを受け、ランドセルには「輸血拒否」
女性は母親が熱心な信者で、姉弟と教義に沿って暮らしてきた。家族や隣人への愛の大切さを教えられる一方、幼少期から多くの苦痛と制約を強いられた。むち打ちなどの体罰を日常的に受け、ランドセルには「輸血拒否」のカードを掲示させられた。
学童保育で働いていた2008年、信者ではない男性との恋愛を理由に、教団から破門にあたる「排斥」処分を受けた。それで教団を離れた途端、親族から関係を拒絶され、実家に行くと「警察を呼ぶ」と言われた。
子どもたちだけは実家との交流が許されたが、16年6月、警察から突然、呼び出された。「長男と長女があなたから暴力を受けたと親族が言っている」。暴行が指摘された時間帯は別行動をしていたことが証明できたが、2人は「お母さんのところにいると滅びる」と話しているとされた。中学生の長男は姉の家、小学生の長女は実家にそれぞれ引き取られた。
約2年後、今度は一緒に暮らしていた小学生の次男についても姉が「ネグレクトの可能性がある」と警察に訴え、一時保護された。児童相談所が申し立てた家事審判で家裁は21年、虐待は認めなかったが「次男が母に強い不信感、拒否感を示している」として姉への里親委託を承認した。
女性は支援団体の力も借りながら、実家側に何度も子どもを返すことなどを求めてきたが、応じてもらえない。「みんなと仲良くなるためにはエホバの元に帰ってくることしか方法はない」と、母親から手紙が届いたこともある。女性は「子どもたちがまるで人質のよう」と嘆く。
会えない間に、長男は成人し、長女は高校生、次男は中学生になった。「子どもたちの成長を見たかった。愛情を伝えられない苦しさ、思春期にそばで支えられなかった罪悪感ばかり」と声を絞り出した。親族に対しては「仕打ちは許せないが、家族として大好きな気持ちは変わらない」と関係改善を願う。
◆識者「家族関係破壊を恐れ、脱会をとどまらせる面も」
「エホバの証人」の脱会者が、信仰を続ける家族ら身近な人から接触を拒絶されることを、教団による人権侵害問題に取り組む関係者らは「忌避」と呼び、問題視している。
「エホバの証人問題支援弁護団」によると、忌避の被害者は、教義に違反して排斥処分を受けた人や自ら脱会手続きをとった人だ。教団側はホームページ上で、脱会者について「避けることはしない。むしろその人を訪ね、信仰を再び強めるよう励ます」と説明。家族が信仰を続けている場合も「家族としてのきずなは変わらない」とするが、弁護団には、家族との交流を望んでも長年拒否されているという証言が相次ぎ寄せられている。
田中広太郎弁護士は「『忌避』は徹底的に家族関係を破壊する。その恐れのために脱会をとどまらせている面もあり、教団の問題が表に出にくい要因になっている」と話す。
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