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2022/07/10
http://www.zenseiren.net/osirase/news/2022/2606/2606.html
控訴せず直ちに減額分を支払え
全国で闘われている生活保護基準引き下げ違憲訴訟で東京地方裁判所(清水知恵子裁判長)は6月24日、「基準引き下げは違法」とし、引き下げ処分を取り消す判決を言い渡しました。取り消しは昨年2月の大阪、今年5月の熊本両地裁での判決に続く3例目です。これを受け27日、参議院議員会館で原告団、弁護団、支援者らは厚生労働省に対し控訴しないよう要請を行いました。(齊藤 豊)
「デフレ調整」合理性なし
裁量権逸脱・濫用で違法
今回判決が出された訴訟は、東京都内の生活保護利用者32人(うち1人は死亡)が、国および各自治体に2013年〜15年の間に3回にわたり行われた保護費減額処分の取り消しを求めた集団訴訟(※通称「はっさく訴訟」)です。(※東京には同様の訴訟で別に、原告の多くが生活と健康を守る会会員の「新生存権裁判東京」があります)
今回の判決で東京地裁は、被告側が基準引き下げの理由とした「デフレ調整」について、その必要性・相当性の両面で厚労大臣の判断は合理性を欠き、正当ではなく、引き下げの影響は重大だとしました。そして、厚労大臣の判断過程には過誤、欠落があり、その裁量権の逸脱、濫用(らんよう)があったとし、生活保護法違反と裁定しました。
被害回復は急務
積極的利用促せ
6月27日の原告団らの要請で、原告弁護団長の宇都宮健児弁護士は厚労省に対し「本判決は、裁判所が厚労大臣の恣意(しい)的な判断を許さないとの態度を示したもので、憲法で保障された健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を具体的に保障する点で極めて重要で、被害回復は急務」と述べました。その上で、国は本判決を真摯(しんし)に受け止め、(1)被告各自治体に控訴しないよう指導し、引き下げ前の生活保護基準に直ちに戻すとともに保護利用者に謝罪すること、(2)保護基準見直しの際には透明性がある再検証可能な方法で、保護利用者の意見を反映させる措置を講じること、(3)生活保護制度の広報、申請権保障、扶養照会の廃止などを通じ、その積極的利用を促すこと、を要請しました。
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