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それでも森氏の首に鈴をつけられない自民党の醜態/JBプレス・msnニュース
筆坂 秀世 2021/02/09 06:00
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e3%81%9d%e3%82%8c%e3%81%a7%e3%82%82%e6%a3%ae%e6%b0%8f%e3%81%ae%e9%a6%96%e3%81%ab%e9%88%b4%e3%82%92%e3%81%a4%e3%81%91%e3%82%89%e3%82%8c%e3%81%aa%e3%81%84%e8%87%aa%e6%b0%91%e5%85%9a%e3%81%ae%e9%86%9c%e6%85%8b/ar-BB1dvAiH
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(写真はイメージです/Pixabay)© JBpress 提供 (写真はイメージです/Pixabay)
中身がない挨拶で女性差別発言
森喜朗氏と言えば、受け狙いで失言を繰り返す政治家として有名だった。短い首相在任中も何度も失言によって批判された。
2月3日の日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会で、森氏は会合の最後に挨拶した。出席者が約40分間聞かされたのは、あきれるくらい中身のない話だった。
その内容はまず、「こないだまで悪口は山下さん(JOC会長)ばかりだったんだけど、最近は私か菅さん(首相)とどっちが多いかというぐらい悪者になってますね」「結局オリンピックをさせたくないんですよ」などマスコミへの恨み節。
次は、「私は体協もラグビー協会も本当は、前代未聞のラグビーワールドカップをやったんですから、皆さんがもうちょっと残ってやったらどうかと言ってくれるかなと思っていたが、誰もそうは言ってくれなかった。それでしゃくに障ったんで、九州にいる森(重隆)さんを会長にしたんです」というラグビー協会への恨み節。
そして問題の発言である。
「女性理事を4割というのは、女性がたくさん入っている理事会、理事会は時間がかかります。これもうちの恥を言います。ラグビー協会は倍の時間がかかる。女性がいま5人か。女性は競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分もやらなきゃいけないと思うんでしょうね、それでみんな発言されるんです。結局、女性はそういう、あまり私が言うと、これはまた悪口を言ったと書かれるが、必ずしも数で増やす場合は、時間も規制しないとなかなか終わらないと困る」
「私どもの組織委にも、女性は何人いますか。7人くらいおられるが、みんなわきまえておられる」
こんな話を40分間も聞かされた評議委員は、腹が立たないのだろうか。女性のところでは笑い声も上がったというのだから、評議委員会にもろくでもない人間が入っているようだ。
田村淳さんの聖火ランナー辞退は当然
失言はこれだけではない。2月2日に自民党本部で行われたスポーツ立国調査会・オリパラ東京大会実施本部の合同役員幹部会に出席した際、聖火ランナーについて「人気のあるタレントはあまり人が集まらないところを走ったらいいじゃないか。田んぼで走ったらいい」などと発言したと言うのだ。お粗末としか言いようがない。
この発言を受け、TBS「グッとラック」のコメンテーターを務めているお笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳氏が、決まっていた聖火ランナーを辞退すると番組内で表明した。私は思わず「偉い!」と声を上げた。
同番組の司会者立川志らく氏も、「(森会長は)自分で東京五輪は無理だって言ってるんですよ。だって、聖火ランナーで人気者が走ったら密になる、これがダメなら、無観客でやるって言ったって、本番のマラソンはいくら無観客にしたって人が集まってくる。マラソンも田んぼで走れって言うのか」と指摘。「言ってることが矛盾だらけ。タレントを小バカにして。お願いしておいて、いくら何でも失礼ですよね」と厳しく批判した。
なかなか立派だった若い記者たち
森氏が釈明の記者会見をやった際の記者の質問もなかなか鋭いものだった。
女性記者が森氏に対して、「(会長職を)辞任をしなければならないと考えたことはあったか」と聞くと、森氏は「ちょっと僕はね、そのマスクをされているとよく聞き取れないので」とマスクを外すよう要求、その後も森氏は別の記者に対してもマスク外しを求めたそうである。このコロナ禍でマスクを外せと要求すること自体、常識外れという他ない。
男性記者の質問もなかなか鋭かった。男性が「いくつかうかがわせてください」と切り出すと、森氏は「1つにしてください」と要求。自身が組織委員会の会長をするのが適任なのかと問われると「さあ? あなたはどう思いますか?」と逆に質問し返した。男性は間髪入れずに「私は適任じゃないと思うんですが」と返答した。恐らく森氏はこう率直に返されるとは思っていなかったはずだ。いろいろな会合で誰も森氏には逆らわないという環境に悪慣れしているからだ。結局、森氏は悔しそうな表情で「そういうふうに承っておきます」というしかなかった。
その後も男性記者は質問をたたみかけたが、森氏は最終的に「面白おかしくしたいから聞いてんだろ?」と遮って退出した。謝罪会見どころか、森という人物の傲慢さ、世間の常識からかけ離れた姿をさらしただけであった。
組織に「余人をもって代え難い」人などいない
だらしないのは山下泰裕JOC会長だ。森氏の女性差別発言はJOCの評議委員会で起きたことだ。森氏は山下会長に臨時評議員会の席上で挨拶をするよう頼まれたと問題発言の中で述べている。山下氏にとって他人事ではない。
山下会長は、「(笑いが起きたのは)女性差別のところではない」と否定したそうだが、評議員会を取材した記者は、その場で笑いが起きたことを確認している。森会長をたしなめる動きがなかった点については、「『ん?』と思った部分もあるが、指摘する機を逸してしまったのが正直な感想」と回答した。森氏に対して指摘する勇気など持ち合わせていないと思う。
山下会長が森氏に逆らうことなど到底できなかったはずだ。そこまで森氏の存在を大きくしてしまったのは、政界やスポーツ界、あるいは財界の責任でもある。政官財、スポーツ関係者が森氏について「余人をもって代え難い」と口を揃えるそうだ。
しかし「余人をもって代え難い」ということなどあり得ない。この言葉が使われるときは、人事が硬直し、無理矢理、誰かを居座らせようとしている時である。
私がかつて在籍していた日本共産党でも使われたことがある。それは1994年、第20回党大会の時だった。当時、宮本顕治氏は85歳の高齢だった。党内でも「引退すべき」という声があった。そこで中央委員会議長に居座るために持ち出されたのが、「余人をもって代え難い」という屁理屈であった。
昨年(2020年)、安倍内閣が黒川弘務前東京高検検事長を検察庁法の規定に違反してまで、定年延長させ、検事総長に就けようとした。この時には、昨年の緊急事態宣言発令中に黒川氏が新聞記者と賭け麻雀をしていたことが発覚して、この人事は成功しなかった。この時、当時の安倍首相は、「検察庁の業務遂行上、黒川氏が必要だった」という趣旨の答弁をしていた。要するに「余人をもって代え難い」ということである。だがそんなことはまったくなかった。
森氏の場合も同様だ。挨拶といっても与太話しかしない森氏の代わりなどいくらでもいる。
森氏の首に鈴を付けられない自民党
驚いたのは、国際オリンピック委員会(IOC)の森発言への対応である。2月4日、「森会長は本日、発言を謝罪した。これをもってIOCは問題が終わったと考えている」と声明を出し、問題視しない姿勢を示した。IOCは「あらゆる差別を認めない」という五輪憲章の根本原則をどう考えているのか。
森氏は政界にも依然として大きな力を持っている。自民党時代の森派は、いまは自民党最大派閥の細田派になっている。2年程前にその細田派の議員の1人に話を聞いたことがあるが、その当時でも森氏が細田派の会合に出席すると緊張感が走るというのである。自民党も菅政権も森氏の首に鈴を付けられないのだ。
いま五輪組織委員会の「定款」には、「会長、副会長、専務理事及び常務理事の選定及び解職」という項目があり、その34条には理事会が「利害関係を有する理事」、つまり森会長本人を除く過半数出席のもと決議を行い、半数以上が賛同すれば解任となる」という規定がある。だが、組織委員会のメンバーにそんな勇気があるとは思えない。「森辞めろ」の声を国民があげるしかない。
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