★阿修羅♪ > 社会問題10 > 299.html
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ ★阿修羅♪
20世紀後半に見つかった不思議なネットワーク/日経ビジネス
http://www.asyura2.com/18/social10/msg/299.html
投稿者 仁王像 日時 2021 年 1 月 05 日 10:03:49: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 

20世紀後半に見つかった不思議なネットワーク/日経ビジネス
島田 太郎 他 1名
東芝執行役上席常務・最高デジタル責任者
2021年1月5日
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00232/122400002/

スケールフリーネットワークはなぜ必要か

 なぜDXを起こすためにスケールフリーネットワークが必要なのか。順を追って説明します。まず前提となるのが「未来は予測できない」ということです。

 未来は決まっているのか、我々はそれを正確に予測できるのか。これは人類が昔から追及してきた問題です。「この世の中のすべてのモノの状態を知ることができ、それを分析する能力を持つ知性があれば、未来は正確に予測できる」と考えたのは、18世紀のフランスの数学者、ピエール=シモン・ラプラス。科学の発達により、様々な現象のルールやメカニズムが解明されつつあった時代のことでした。

 このまま科学が発展し続け、いずれ自然界の法則がすべて分かれば、世界で起こるすべての事象を予測できるようになるはずだ、とラプラスは考えました。未来を予測する人間を超越した知性は「ラプラスの悪魔」と呼ばれ、この考え方は当時広く信じられていました。

 ところが20世紀初頭、量子力学が生まれると、状況が変わります。不確定性原理によって、原子の位置と運動量を同時に観測することはできないことが明らかになったのです。いくらラプラスの悪魔のような超越的な知性ができたとしても、世界の状態を正確に把握することは原理的に不可能なのです。

 さらに1960年、米国の気象学者、エドワード・ローレンツが従来の常識を覆すような発見をしました。ローレンツは当時登場したばかりのコンピューターを使って、気象予測を試みていました。コンピューターの処理能力がまだまだ低かった時代、ローレンツは気象に影響を与える数多くの変数の中から、わずか3つだけを取り入れた簡易な計算モデルを作り、シミュレーションを行いました。

 変数に少しずつ違う数値を代入してグラフ化すると、驚くべき結果が現れました。たった3つしか変数がないシンプルな方程式なのに、ほんのわずか数値を変えるだけで、計算結果がまったく違う値となったのです。計算結果をグラフ化した複雑な図形は、後に「ローレンツ・アトラクタ」と呼ばれ、カオス現象のひとつとしてよく知られることになります。

 ローレンツは、初期値のほんのわずかな違いが大きな結果の違いにつながることを発見しました。変数がわずか3つしかない単純な方程式ですら結果を予測できないのに、無数に変数が存在する現実世界の予測ができるわけがありません。ローレンツはこのことを、「ブラジルで1匹の蝶(ちょう)が羽ばたくとテキサスで竜巻が起こる」という劇的な言葉で説明しました。これがいわゆる「バタフライ効果」です。

樹形図という考え方の限界

 このように世の中は予測不可能なカオスの世界ですが、人間は複雑な状況に対応するのが苦手なので、つい分類したがる性質があります。

 例えば世の中の企業組織に目を向けてみましょう。ほとんどの組織は、社長をトップとした樹形図型の組織構造になっています。ところが現実の世の中はこのように整然と構造化されていません。このため、組織というのは、できたときから古くなっていきます。そして、現実に合わせて組織を変えていかないと、すぐに現実にそぐわなくなってしまいます。

 生物進化の系統樹も樹形図として描かれます。この系統樹を見ると、ひとつの原始的な生物から様々な種が枝分かれし、現在の多様な生物群を形作っているように見えるでしょう。ところが、実際は生物はこのように整然と進化してきたわけではありません。新たな生物が生まれては淘汰され、その中で環境に偶然適応したごく一部の生物だけが生き残りました。現在の生物の多様性は、生き延びられなかった多くの種がいたからこそできあがったものなのです。

 このように、未来は予測不可能で、整然と分類することもできません。これはビジネス環境も同じです。特にインターネットの登場とデジタル化により、ビジネス環境の変化は加速しており、ますます正確な予測が難しくなっています。10年、20年の精密な長期計画を作ったとしても、あっという間に前提条件が崩れて通用しなくなるかもしれません。

 では、私たちはそんな世の中で、一体どのように行動すればいいのでしょうか。事業計画を作るのは諦めた方がいいのでしょうか。そんな問題を解決するヒントが、20世紀の終わりに見つかりました。それがスケールフリーネットワークです。

 (以下、略)  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
1. 2021年1月16日 01:38:39 : jXbiWWJBCA : Rm5WWGpiTzAwU2c=[570] 報告

別に世界はランダムではなく、完全なカオスでもなければQM的不確定性に支配されているわけでもない

マクロでは決定論的に振る舞うケースが圧倒的


資産の分布や変動においてもべき乗則が出現するから既に有名な話ではあるが

ネットワークもランダムではなく、階層性などの構造(べき乗則性)をもつのだから

多重階層性があればスケールフリーなネットワーク構造が出現するのも不思議ではない

ただし、それをどう生かすかは、また別の話ではある

2. 2022年5月02日 18:54:51 : MG5cB16vjY : QnEwM2hPMGRrWkU=[2] 報告
バイオデジタル論 (ばいおでじたるろん 英:Biodigital Theory) とはスペキュレイティブ・リアリズムとニューロ・キャピタリズムの理論を思想的基盤に様々に細分化された非物質的本性としてのモナドの生成と相互主観性論の内在性を考察するデジタル以降の社会における概念である。

ポストデジタルの解釈を起点としクリティカル・ポストヒューマニズム、トランスヒューマン、非平衡科学の自己組織化 (Self-organization) にもとずくアクターネットワーク論 (ANT) の概念をも視野にいれたマルチレイヤーの理論として展開される。バイオデジタルはデジタル以降の様々な内観的 (Introspektion) な現象学の概念、バイオ・コンピュテーション、インタラクティブ・ネットワーク、生命体の形成過程における複雑系、生成の偶発性をデジタルメディアにとりいれた根源的再考に準拠している。

テネシー州立大学教授のサラ・ヘイズ (Sarah Hayes) とプリマス大学トランスアート・インスティチュートのディレクターの松本良多 (Ryota Matsumoto) がアンソロポセン (Anthropocene) の階層的体系におけるデジタル以降のディスクールとしての思想としてディファインした。松本良多 (Ryota Matsumoto) はバイオテクノロジー、トランスヒューマン、分子生物学、生命体のみならず総合的なアクタントの有機合成の過程との類似性を視野に生命と流動性とその潜在的対象からバイオデジタルを生命の受動的自我のメタ科学として解釈している。

▲上へ      ★阿修羅♪ > 社会問題10掲示板 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
最新投稿・コメント全文リスト  コメント投稿はメルマガで即時配信  スレ建て依頼スレ

▲上へ      ★阿修羅♪ > 社会問題10掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
社会問題10掲示板  
次へ