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革命浪人・宮崎滔天が邂逅した人物のなかに無名の英雄と言われた宮崎元という怪人がいた
この時宮崎は、尋常一様ならざる人物に出会った。短躯で頭も薄くなっているが、その眼光の鋭さは比類がない。
「あれは誰ですか」と彼は田尻にたずねた。
「渡辺元という、長崎の人だ」
「アポジ(金玉均)とはどいう関係にあったのかな」
アポジが来日してから物心両面ともにずいぶん面倒をみた人だ。しかし、あの人は、それを一言も口にしない。じつに偉い人だ。無名の英雄といってもいいだろう」
「紹介してくれ」
「いいだとも」
宮崎が渡辺に挨拶すると、渡辺は腰を低くして、
「銀座の伊勢幸に泊まっておりますから、ぜひ遊びにお出で下さい」といった。
(その後も宮崎は渡辺に接触し、有益な助言を受けた)
【出展】
「革命浪人、渓天と孫文」三好徹/中央公論者 S54年
- この時代、同時多発的に日中韓に「四海同根」という考え方が発生〜やがて「大アジア主義」に発展… 仁王像 2020/12/12 09:09:54
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