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出世によって職場の友人を失う時 人間関係の急激な変化を乗り切るコツ 日本の100万人が抱える吃音、死さえ選んでしまう悩み
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投稿者 うまき 日時 2019 年 3 月 01 日 14:59:48: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 


2019年3月1日 The Wall Street Journal
出世によって職場の友人を失う時 人間関係の急激な変化を乗り切るコツ
窓から外を覗く男性
Photo:iStock/gettyimages
 昇進には歓迎すべきメリットがある。給料が上がり、立場に応じた特典が与えられるといったことだ。だが祝福の声が一段落すると、多くの人がもっと微妙な変化を意識し始める。なぜ職場に仲のよい友達がいなくなったのか?

 ティム・トーラン氏が初めてそれに気づいたのは、以前の勤め先でバイスプレジデントに抜てきされた直後のことだ。元同僚を監督する立場になったトーラン氏が金曜の夕方に新たな部屋から目にしたのは、「いつもの仲間が連れ立って行く」姿だった。「以前の友人たちが毎日ランチに繰り出す姿も目にした」という。

 同僚が集まるバーベキューパーティーに声がかからなくなり、「次々に来ていた誘いが突如途絶えてしまった」とトーラン氏は振り返る。自分が部屋に入ると皆が口をつぐみ、「まるで死人を見たかのように沈黙が流れる」ようになったという。トーラン氏は現在、経営人材紹介会社サンフォード・ローズのヘルスケア部門であるトーラン・グループの最高経営責任者(CEO)を務める。

 昇進すると職場での人間関係に劇的な変化が生じることがある。仲の良かった友人がよそよそしくなる。それまでの同僚との関わり方はもはや通用しない。大半の会社が行う新任マネジャー向け研修は、こうした変化を乗り切るのにほとんど役立たない。

 ミレニアル世代の出世が増えるにつれ、この問題がますます顕在化している。バランスを保つためには、従来の友人関係を見直し、新たな友人を増やすほか、仕事における別の満足の源を見いだすことが必要だ。

 ボーイングやジョンソン・エンド・ジョンソン、UPS、ベライゾン・コミュニケーションズなど14社の経営陣やマネジャーら2848人を対象にした調査によると、過去5年は1982年以降生まれの昇進件数が、より高い年齢層に比べて2倍多いことがわかった。この調査は全米産業審議会(コンファレンスボード)、幹部人材育成を手がけるDDI、RW2エンタープライジズが実施した。

リスクと解決策
 多くの若いマネジャーは、それまで同僚だった人との信頼感喪失をショックに感じる。昇進できなかった同僚は自分を無力に感じる傾向があり、新しい上司に軽視されているのではないかと過敏になる。スペインのナバラ大学IESEビジネススクールのセバスチャン・ブリオン准教授(経営学)はこう指摘する。

 新任マネジャーの一部は、自らの昇進に寄与したのと同じ特性(個としての自信や実務的スキルの高さなど)がマネジャーとしての成功に資すると思い込むことで、無意識のうちに緊張を高めている。こう話すのは組織心理学者で、自己認識に関する著書があるターシャ・ユーリック博士だ。そうなると「上司であるからには答えを全部知らなくてはならない。自分で何もかもやらなければいけない。決して弱さを見せられない」という心理状態が、部下に威圧感を与える結果となる。

 全米産業審議会の調査結果が示すように、尊大さと自信過剰はマネジャーが失敗する最もありがちな原因だ。「何もかも知ろうとすることで、あなたとあなたのチームの間に壁ができてしまう」。組織変革コンサルティング会社ピープルリザルツのパティ・ジョンソンCEOはこう話す。調査結果からは、上司に本当に必要な能力は他人のやる気を引き出し、部下のスキルを向上させ、変化を主導・管理することだとわかる。

 またジョンソン氏は、仲間に加わり続けようとするのも間違いだと話す。同氏が以前働いていた会社のある同僚は、昇進後も「今まで通り、皆と一緒に飲みに行こう」と決めた。ところが部下が全て参加したわけではなく、誘われなかった部下は無視されたと感じた。「周囲との友達づきあいはしてよいが、一定の制限を設ける必要がある」

 それには面と向かって伝えるのが最善策だ。リーダーシップ開発を手がけるリバーブのミカエラ・カイナーCEOは「方針転換をはっきり告げること」だと話す。突然部下になった友人に対し、新たな役職で必要になる行動の変化(例えば、ランチを共にする頻度が減ること)を説明する。そのうえで、それとは別に今後も続けてほしいことを伝えるのだ。「『私はあなたのフィードバックや助言に心から感謝している。どうかやめないでほしい』などと話してはどうか」

 こんなリスクもある。心理学者のユーリック氏によると、昇進したばかりの上司と社員の間に距離があると、部下は自分の考えを言いたがらない場合がある。それを避けるため、マネジャーは異なる意見を引き出すべく格別な努力を払う必要がある。

 会話を活発にするためには、新任の上司は自分が知らないことを正直に話す必要があるとジョンソンCEOは言う。「誰か1人が全部の答えを知る必要はない。周囲の人々を巻き込み、オープンな態度でこう語りかけよう。『さあ一緒に考えてくれないか。これまでどんな方法が有効だった?』」

 同僚が自分のことを敬遠し、溝が深まる場合もある。ケーブルTV業界で長く活躍したHGTVの元最高執行責任者(COO)、 スーザン・パッカード氏は努力しても良い関係を築けなかった過去の経験を思い出す。

パッカード氏が勧めるのは、そんなときに愚痴を聞いてくれる身近な支援者を見つけることだ。また、仕事に他の重要な意味づけを見いだすことも有効だという。同氏には職場での感情面の健康についての著書「Fully Human」がある。

(The Wall Street Journal/Sue Shellenbarger)
https://diamond.jp/articles/-/195600


2019年3月1日 首藤淳哉 :HONZ
日本の100万人が抱える吃音、死さえ選んでしまう悩みの深層
『吃音 伝えられないもどかしさ』

写真はイメージです Photo:PIXTA
吃音を抱えるたくさんの人々が
懸命に発した“言葉”に耳を傾ける
『吃音 伝えられないもどかしさ』書影
『吃音 伝えられないもどかしさ』 近藤雄生著 新潮社 1620円(税込)
 自分が体験したことがないことを想像するのは難しい。

 かつて我が身に降りかかってきたことや、常日頃から感じていることなどをもとに他者に共感することはできるが、体験したことがなく、ましてや関心すら持ったことがないことについては、なかなかイメージすることができない。

 だが本書『吃音 伝えられないもどかしさ』はあなたに驚くべき体験をもたらすだろう。

 この本を読み終えたあとは、世界の見え方が変わるはずだ。これまで見えなかったものが見えるようになり、気がつかなかった人々の存在に気づくことができるようになるはずだ。

 あなたがこれまで想像もできなかったこと。

 それは、世の中にはうまく言葉を発することができない人がいる、ということだ。耳は聞こえ、声を出すこともできるのに、言葉が詰まってしまい、なめらかにつなげていくことができない人々のことである。「吃音」と呼ばれる症状だ。

 吃音を発症するのは、幼少期の子どもの約5%、およそ20人に1人と言われる。このうち8割くらいは成長とともに自然に消えるが、それ以外は大人になっても残る。日本では100万人ほどが吃音の問題を抱えているとみられる。

 本書は、自らも吃音に悩んだ経験を持つ著者が、同じ問題を抱えるたくさんの人々が懸命に発した“言葉”に丹念に耳を傾けたノンフィクション。当事者のデリケートな内面が繊細な手つきで掬い上げられ、誠実にまとめられた一冊だ。

追い詰められて
死を選んでしまう人も
 多くの人は吃音の問題を軽く考えがちである。「緊張して上手く話せないことは自分にもある」とか「誰だって話していて噛むことがある」などというように、日常でよくある場面と結びつけてとらえがちだ。だが吃音はそういうものとはまったく違う。

 ある言葉を言おうとすると突然、喉や口元が硬直し、どうしても動かなくなってしまう。その結果、「ぼ、ぼ、ぼ、ぼくは」のように繰り返す「連発」や、「ぼーーーくは」などと伸ばす「伸発」、「……(ぼ)くは」のように出だしの音が欠けてしまう「難発」といった、さまざまな症状となって現れる。

 考えてもみてほしい。誰かと話をしている時に、あるいは会議で発言している時に、なんの前触れもなくその症状が現れるのだ。著者は吃音になった状態を「鍵がかかったドアを必死に開けようとする感覚に近い」と表現しているが、その恐怖心たるや相当なものだろう。

 本書に登場するのは、吃音のために大きな困難に直面している人々だ。就職面接を受けても落とされてしまったり、研修で話し方を改めるよう同僚の前で叱責されたり、あるいはそれらをなんとか乗り切ったとしても、職場では話すのが怖くて電話をとることができなかったり……。吃音を抱えていると社会生活のあらゆる場面で差し障りが生じてしまう。

 追い詰められたあげくに、死を選んでしまう人もいる。

 本書で紹介されているエピソードは、どれも安易に要約したくないものばかりだ。だからこそ、ひとりでも多くの人にこの本を読んでほしいのだが、一言だけ付け加えておくなら、ぼくはこの本を読みながらなんども目頭が熱くなった。そして「優しい人ばかりが死を選んでしまう社会なんて間違っている!」となんども叫びたくなった。

人はある日突然、
言葉を失ってしまうことがある
 ラジオの仕事をしているおかげで、これまでたくさんの人の話に耳を傾けてきた。この小さな文章でぼくに出来ることがあるとすれば、話を聞く側の心構えのようなものをみなさんにお伝えすることかもしれない。

 あれは新人記者だったときのことだ。初めてインタビューを録ってきて先輩に聴いてもらった時に言われたことが忘れられない。先輩は1分も聴かないうちに「ダメだこりゃ」と苦笑した。そしてこう言ったのだ。

「あのな、人の話を聞くときは、余計な言葉を挟むな。ただ待て。そしてその人がなにか言ったら、目をみながら無言で頷け。それだけでいい」

 今ならその先輩の言ったことがよくわかる。ぼくはインタビューをしながら、相手が言い淀んだことに「それはつまりこういうことですか?」などと言い、「それで?それで?」とたたみかけるように合いの手を入れていたのだ。人に話を聞かせてもらいながら、相手の言葉に耳を傾けることなく自分本位のインタビューをしていた。まったくもって最低な聞き手だった。

 事故や災害の現場では、言葉を失った人たちと出会うことが珍しくない。
 人はある日突然、言葉を失ってしまうことがある。
 そのことをぜひ覚えておいてほしい。

 昨年、『幻を見るひと 京都の吉増剛造』という映画を観た。

 吉増剛造といえば現代詩の巨人だが、彼は東日本大震災を目にして以来、まったく詩が書けなくなってしまう。詩人なのに言葉を失ってしまったのだ。この作品は、吉増が詩の言葉を取り戻すまでを追ったドキュメンタリーである。吉増はただひたすら先人の書いた詩を小さな文字で筆写することを繰り返す。そしてびっしりと文字の記された紙を絵の具で塗りつぶす。まるで箱庭をつくっては壊すかのような、何かの病が治癒するプロセスを観ているかのようだった。

 吉増はこうした行為を繰り返し、そして京都の自然が持つ力も借りながら、少しずつ言葉を取り戻していく。身体の奥底から言葉を発するというのは、かくも大変なことなのかと思い知らされる作品だった。

吃音を抱えた人も
自由に人生を選択できる社会に
 日常生活で何不自由なく話すことができているとなかなか実感できないかもしれないが、言葉を発するという行為は、私たちが思っている以上に、繊細で危ういバランスの上に成り立っているものなのだ。ぼくやあなたも、ある日突然に言葉を失うかもしれない。なめらかに話せなくなるかもしれない。

 だからもしも吃音を抱えた人が目の前にいたら、どうか思い出してほしい。
 余計な言葉を挟まないで。せかさず、さえぎらず、言い直したりしないで。
 その人の目を見て、あなたの話は伝わっているよ、と気持ちを込めて頷いてあげてほしい。

 幸い本書には希望も記されている。昔に比べると吃音に対する研究も進み、少しずつだが法律によるバックアップ体制も整いつつあるという。だがまだまだ十分とはいえない。吃音を持つ人をサポートする言語聴覚士や言友会などの存在はもっと広く知られるべきだし、なによりも吃音を抱えた人も自由に人生を選択できる社会にしていかなければならない。

 心優しき人が死を選んでしまう。そんな悲劇はもうこれで終わりにしよう。どんな人にも居場所があるような社会をつくるために。ひとりでも多くの人にこの本を手にとってほしいと心から願う。


(HONZ 首藤淳哉)
https://diamond.jp/articles/-/195550  

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