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りそな・イイね、DHC・ダメだね。
http://article9.jp/wordpress/?p=11860
2019年1月6日 澤藤統一郎の憲法日記
今朝(1月6日)の毎日新聞1面に、「りそな『核製造企業への融資禁止』 国内大手銀初の宣言」という記事。おや、「りそな」が、そんなに立派な金融機関だとは知らなかった。以前、DHCと比較してワコールを賞讃したことがあった。本日は、DHCと比較するのも失礼かと思うが、りそなホールディングス(HD)のCSR活動に敬意を表したい。りそなが融資禁止の対象としているのは、核製造企業だけではない。CSR(企業の社会的責任)を徹底しようという試みなのだ。 まずは、毎日記事の抜粋である。 りそなホールディングス(HD)は、核兵器を開発・製造・所持する企業に対して融資を行わない方針を定め、公表した。該当企業には一切の融資を行わないと宣言したもので、こうした取り組みは国内の大手銀行では初めて。2017年7月に核兵器禁止条約が国連で採択され、欧州を中心に投融資を禁止する銀行や機関投資家が広がっており、国内でも同様の動きが出てくるか注目される。 具体的には、核兵器・化学兵器・生物兵器や対人地雷・クラスター弾などの製造企業▽人身売買や児童労働、強制労働への関与が認められる企業▽環境に重大な負の影響を及ぼすおそれのある開発プロジェクト――などへの融資を行わないと明記。融資先の社会・環境へ配慮した活動を支援するとした。 私の問題意識はこんな具合だ。 資本主義とは、本来が利潤追求至上主義を容認する経済システムである。個別企業が、競争に勝ち残り利潤を最大化するためには、チャンスさえあれば儲かることならなんにでも手を出すことになる。そして、直接利潤につながらない無駄なコストは冗費として削減せざるを得ない。 見えざる神の手が市場を予定調和に導くというのはウソも甚だしい。資本の利潤追求の衝動と市場原理に任せておけば、労働者の搾取は限りなく進行し、消費者の安全も、環境も損なわれる。資本主義原理の外からの規制が必要なのだ。大切なのは、企業でも市場でもなく、社会の構成員である民衆の利益なのだ。いったい、どうすれば、民衆の利益のために、社会が企業を統制することができるだろうか。 核兵器やその部品を作る会社なら儲かるだろう。公的融資も受けているはずだ。そんな企業への融資は回収の安全性が高い。利潤追求原則から言えば、望ましい融資先ではある。しかし、核兵器に対する世論の厳しさを考慮すると、核兵器産業に対する融資は、強い社会的指弾を受けることになりかねない。明らかに企業ブランドにはマイナスイメージだ。長い目では、融資機関の企業利益にならないとの判断とならざるを得ない。 本格的には、法と行政による権力的規制という手段が控えているが、世論の指摘や消費者の運動によって、非権力的な企業行動の誘導が可能なのだ。ブランドのプラスイメージ獲得のためのCSR。社会はこれに応えなければならない。 念のために、りそなホールディングス(HD)のホームページを開いてみて、驚いた。そのCSR(企業の社会的責任)コーナーの充実ぶりにである。 https://www.resona-gr.co.jp/holdings/csr/index.html まずは、社長のトップメッセージの中に次の一文がある。 「国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向け、「2030年SDGs達成に向けたコミットメント(Resona Sustainability Challenge 2030)」を11月に公表しました。SDGs達成に向け、環境・社会課題をテーマとしたお客さまとの建設的な対話の推進をはじめとする6つのコミットメントに取り組み、活力あふれる地域社会の実現に貢献してまいります。」 この真面目さが素晴らしい。在日ヘイトを垂れ流すDHC会長メッセージとは、天と地ほどの落差だ。SDGsが何度も出て来る。SDGsは17の具体的な目標として知られるが、それは「貧困をなくす」「飢餓をゼロに」から始まって、「人や国の不平等をなくそう」「ジェンダーの平等」「平和と公正をすべての人に」などが掲げられている。りそなホールディングスは、そのすべての課題に具体的な取り組みを示している。SDGsセミナー「中小企業のためのSDGs入門」を開催しました、という報告もある。 そして、こんな企業の行動宣言がある。 りそなWAY(りそなグループ行動宣言) 社会と「りそな」 「りそな」は社会とのつながりを大切にします。 「りそな」が存在する意義を多くの人々に認めていただけるよう努力します。 広く社会のルールを遵守します。 良き企業市民として地域社会に貢献します。 従業員と「りそな」 「りそな」は従業員の人間性を大切にします。 「りそな」の一員であることに誇りを持って働ける職場を創ります。 創造性や変革に挑戦する姿勢を重んじます。従業員一人ひとりの人間性を尊重し、能力や成果を公正に評価します。 さらに、CSR(企業の社会的責任)コーナーは、項目だけを拾えば、次の具合だ。 CSRに関する考え方 経営理念、行動宣言とCSR方針の関係 2030年SDGs達成に向けたコミットメント 社会的責任投融資に向けた取り組み 重点課題(マテリアリティ)の特定 CSR目標・実績 国際的なイニシアチブへの参加 日本版スチュワードシップ・コードの受入れ CSRへの取組み コーポレートガバナンス コンプライアンス 消費者課題/お客さまサービス コミュニティ 環境 ダイバーシティ 人権 こんな企業なら応援したくなるではないか。 これと比較する目で、DHCのホームページを眺めてみよう。 https://top.dhc.co.jp/company/jp/ 両社の比較は、月とスッポン、提灯と釣り鐘。 DHCのホームページには、みごとなまでに何にもない。IRも、企業倫理も、CSRもまったくないのだ。今や、吉田嘉明会長の露骨な在日差別メッセージもなくなっている。あるのは商品宣伝だけ。儲け以外にはなんの関心もないというこの徹底ぶり。 メディアも世論も消費者も、ワコールや「りそな」を賞讃するだけでは不十分ではないか。デマとヘイトとスラップのDHCを徹底して批判することが必要だ。賞讃と批判が両々相俟って、社会に親和的な企業を育成し、反社会的な企業を淘汰することが可能になる。とりわけ、消費者のDHC製品不買の行動が、デマやヘイトやスラップをなくすることに大きな力となる。DHC製品を買わないというだけで、よりよい社会をつくることに寄与できるのだ。 なお、下記の「社員による会社評価ランキング」という興味深いサイトを見つけた。 ランキングは、各社社員のクチコミによるものだという。DHC社員からのクチコミ報告数は1125件とされている。 https://www.vorkers.com/a0910000002XwSf/ranking/ DHCは、日用品・化粧品部門659社中「総合評価ランキング」では640位となっている。また、「(社内の)風通しの良さランキング」では、659社中の659位、つまり最下位なのである。その厳密な正確性は分からないが、DHCが「りそな」のような、「広く社会のルールを遵守します」「良き企業市民として地域社会に貢献します」「従業員の人間性を大切にします」との姿勢をもっていないことを如実に示している。社会も、消費者も、従業員も、デマとヘイトの企業は弾劾すべきなのだ。 (2019年1月6日)
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